私のストレス解消法【弁理士コラム】|パテントメディア|オンダ国際特許事務所

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私のストレス解消法【弁理士コラム】

2017年9月
弁理士 押見幸雄

国内特許第3部の押見と申します。平成26年4月にオンダ国際特許事務所に入所し、3年が経ちました。私の最近のストレス解消法は、読書をすることです。妻からは、「仕事で文章を読んでいるのに、読書をしたら逆にストレスが溜まるんじゃないの?」と言われます。このコラムでは、妻からの厳しい言葉に耐えながら読み続けた本の中で、特に面白かったものをご紹介させて頂きます。

「神様のカルテ1~3」、夏川草介著、小学館

この小説は、神様のカルテ1、2、3とシリーズで発行されています。長野県松本市に実在する地域医療の基幹病院がモデルになっており、そこで働く6年目の内科医の姿を描いています。この病院は、「24時間、365日対応」を掲げており、多くの患者さんを抱えています。そのため、主人公は、ほぼ休みの日が無いと言っていいほど多忙な毎日を送っています。この小説を読むと、医療現場の過酷な労働環境を知ることができます。医療現場と特許事務所の職場とを単純に比較することはできませんが、共通点もあるように思います。共通点としては、「ミスは許されない」、「仕事量を予測することが難しい」、「仕事のスキルを上げるのに時間がかかる」などが挙げられます。ただ、医療現場は人の命に直接関わっている点が特許事務所とは異なっており、患者さんに真摯に向き合う医師や看護師の姿には、本当に頭が下がります。小説の主人公は、夏目漱石の小説が好きでいつも持ち歩いているという少し変わったところがあるのですが、仕事に熱心に取り組んでおり、患者さんや病院のスタッフからの信頼が厚いことが描かれています。
ところが、物語の途中で、ある女医が登場することにより状況が一変します。彼女は主人公よりも年上のベテラン医師で、通常の勤務の傍ら、論文を執筆したり、学会に参加したりと自身のスキル向上に力を注いでいます。そんな彼女が、周囲からの信頼が厚い主人公を酷評するのです。その内容は、

  • 「日々の業務をこなすことに自己満足を覚えて、最新の情報から取り残されているのにかかわらず、自分はデキルと思い込んでいるのではないか?」
  • 「医者という仕事は、無知であることが悪なのではないか?」

というものでした。
彼女には、「一流の医者になりたい。」という強烈な思いがあり、その思いから主人公を酷評するに至ったのです。彼女が、何故このような考えをもつようになったのかについては、小説を読んで頂ければ分かります。私は最初、「この女医さんは意地悪だなあ。」と思っていたのですが、小説を読み進めるうちに、彼女の考えを理解することができました。そして、彼女の言葉は、私自身にも当てはまるのではないかと思うようになりました。日々の業務をこなすことに満足してしまい、最新の判例や法改正、お客様の製品に関係した技術動向を学ぶことが疎かになっていないか?ということです。また、仕事は、慣れた仕事の方が効率良く行えるため、新しい仕事に挑戦することに抵抗を感じてしまうことがあります。挑戦する気持ちを持ち続けているか?ということも考えさせられました。この小説を通じて、自身の仕事への姿勢を省みることができました。

さて、この小説では、長野県の美しい自然や、美味しい地酒などについても紹介されます。私は、大学時代、高校の同級生が松本市や上田市に下宿していたので、彼らを訪ねてよく長野へ行きました。そのため、この小説を読むと20年以上前の当時が懐かしく思い出されます。当時は学生でお金が無かったため、美味しい地酒など飲んだ記憶はなく、学生向けの食堂(「かのう」だったでしょうか。)で美味しいから揚げを食べたことを覚えています。当時集まっていたメンバーとは今でも集まるのですが、会話の内容は昔とあまり変わらず、たあいも無い話をしています。ちなみに、そのメンバーのうち2人は、弊所のお客様の企業に勤めており、いつか一緒に仕事ができる日がくることを楽しみにしています。

以上、私のストレス解消法である読書についてご紹介しました。妻からは、「そんなに本を読むなら、本を買うのは止めて、図書館で借りるようにしてね。」と言われます。そのため、最近は、子供達を連れて図書館によく行きます。妻からは、いろいろと厳しいことを言われるのですが、実は、一番のストレス解消法は、妻や子供達と会話をすることなのかもしれません。

以上