ランニングと恩田誠|お知らせ|オンダ国際特許事務所

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ランニングと恩田誠

2023年6月30日
所長 弁理士 恩田誠

はじめに

 今から14年前、定期健康診断の結果が悪く、医師から「10kg減量しなさい」と言われました。これがきっかけで、フィットネスクラブに通い始めました。そこで知り合ったメンバーさんから、「ランニングの大会があるので、期限の明日までに申し込むように」と誘われ、出場したのが、地元の10km走の大会。それまで、まともに外で走ったことがなかったのに、訳がわからないまま出場し、なんとか走りきりました。とても疲れましたが、ゴールできたときの達成感は格別でした。それから、ランニングの魅力に取りつかれてしまいました。
 ランニングにまつわる私の体験を、以下に紹介したいと思います。

 

日々のランニング

 平日は5時に起きて、5時半から約1時間、8.5km~10km走ります。自宅から岐阜オフィスまでが4kmほどですが、オフィス近くまで走って折返し、帰宅してからシャワーを浴び、朝食を取ってから、車で通勤というのが通常パターンです。朝からオフィスに2回も行く感じです。「そのまま走って通勤すればいいのに」とよく言われますが、荷物もあるし着替えもしなければならないので、そうはいきません。朝走れないときは、夜に走ることもあります。週末は、なるべく距離を長めに走ることにしています。月間150km~200km走っています。コロナ禍の際は、世の中の自粛ムードに反抗すべく、月間380km走ったこともありました(他にすることもなくなったという言い方もありますが)。

 

大会出場

ランニングと恩田誠 | コラム 大会に出場するのが、ランニングの醍醐味の一つです。初めての10km走の半年後、ハーフマラソン大会(21km)に出場、そして更に1年後には、マラソン大会(42km)に出場しました。ランニングを始めて3年弱で、フルマラソンが走れるようになるとは思いませんでしたが、無事完走できました。一般ランナーが、ゼッケンを付けて走り、エイドステーションで給水して、沿道のたくさんの人から声援をもらう。そして、ゴールをすれば、完走証やメダルがもらえる。こういった日常ではなかなかできない体験ができるため、大会出場にハマってしまいました。これまでに累計で、ハーフマラソンに61回、フルマラソンに17回出場しました。年に13回の大会に出場したこともあります。5週連続で出場したこともありました。

 人気の大会は、先着順の申込みがすぐに定員に達してしまいます。このため、申込開始時刻と同時に、スマホ、タブレット、ノートPCなど複数台を駆使してエントリー、なんてこともやります。抽選制の大会は、なかなか当選できません。東京マラソンは10倍以上の倍率のこともありました。ふるさと納税の返礼品として、マラソン大会出走権を得るという方法もあります。

 大会は人と競うのではなく、あくまで自分の記録との戦いだと思っています。毎回、よりよい記録が出せないか、とタイムを気にしながら走っています。自己ベストのことを、私は「俺様世界新記録」と呼んでいます。フルマラソン3時間54分32秒(2018年)、ハーフマラソン1時間39分52秒(2019年)が、現状の俺様世界記録です。

 

思い出に残る大会

ランニングと恩田誠 | コラム

 これまで出場した大会の中で一番楽しかったのが、フランスのワインの産地ボルドーで開催される「メドックマラソン」です。20箇所を超えるシャトーを周り、ワインを飲みながら42kmを走るという、異色の大会です(詳細なレポートはこちら)。

 東京マラソンには、2016年と2022年に出場しましたが、銀座のど真ん中を走り抜けたり、浅草雷門や東京タワーを眺めながら走るのは、最高に気分がいいものです。沿道の応援が途切れることがないのが、さすが東京マラソン、大変感動的です。

 那覇マラソンには、これまで5回出場しました。沖縄の地元のみなさんの沿道での応援がすごい。自費で用意してくれた飴や果物や飲み物を配ってくれる、「私設エイド」がたくさんあるのです。痛み止めのスプレーを足にかけてくれる人もいます。とても暖かくて感動的なのです。暑くて途中でバテてしまうことが多いのですが、応援してくれるみなさんに支えられて、完走できます。

 

オンダマラソンチーム

 当所の所員、友人、更には地元のランナーで、「オンダマラソンチーム」を結成し、合同で練習をしています。メンバー数は入れ替わりもあるので、幽霊部員も入れると、20~30人といったところ。チームには、ウルトラマラソン(100km)を好タイムで走るツワモノや、60歳台でマラソンを完走するランナーもいれば、初心者まで、多彩な顔ぶれです。毎週日曜日の7時30分に岐阜オフィスの駐車場に集合し、長良川の堤防または金華山ドライブウェイを走ります(約10km)。岐阜オフィスの周りは自然に囲まれ、ランニングには絶好の環境です。

 オンダマラソンチームのメンバーとは、ランニングの大会に一緒に出場することはもちろんのこと、花見ラン、焼肉ラン、高地トレーニング合宿(ただし、飲み会メイン)や、岐阜から名古屋のビール工場まで走るイベント、金華山のビアガーデンまで走って登ってビールを飲むイベントなどなど、楽しいイベントを開催しています。

 オンダマラソンチームで、リレーマラソン大会に参加することもあります。1周2km程度の周回コースを5~6人が交代で走り、42kmのタイムを競うといったものです。1周が短いため、かなりのハイスピードになります。速い人も遅い人も混ざったチームなので、記録を狙うというよりも、必死にたすきをつなぐというのが、メインのミッション。お客様のチームと一緒に出場したこともあります。その後の打ち上げは、とても盛り上がります。
ランニングと恩田誠 | コラム

 

出張とランニング

 仕事柄、出張することが多いのですが、出張先で走ることは何よりも楽しみです。このため、1泊の出張でも、ランニング用のウエアやシューズなどを持参するため、荷物が多くなります。海外出張となれば、更に荷物が増えます。

 シドニーでは、オペラハウスやハーバーブリッジ、パリでは、エッフェル塔、セーヌ川、凱旋門、サンフランシスコでは、ゴールデンゲートブリッジやフィッシャーマンズワーフを見ながら走るなどなど、観光名所を走りながら巡るのは実に楽しいです。その他、ロスアンゼルス、サンディエゴ、シアトル、デンバー、ミネアポリス、シカゴ、クリーブランド、ワシントンDC、ボストン、ダラス、ヒューストン、アトランタ、オーランド、ホノルル、バンクーバー、トロント、カンクーン、ロンドン、ミュンヘン、ミラノ、バルセロナ、テルアビブ、ニューデリー、シンガポール、クアラルンプール、ジャカルタ、バンコク、バリ、ハノイ、マニラ、オークランド、香港、台湾、上海、北京、ソウル、釜山・・・思い出せるだけでも、こんなに多くの国で走りました。フィラデルフィアでは、映画「ロッキー」の名シーン、階段を登ってガッツポーズする姿を撮影して再現する、といった遊びもしました。この先も、「少しでも多くの場所へ行き自分の足跡を残す」を目標に、様々な国で走ってみたいと思います。

 

ランニングビジネスミーティング

 INTA、AIPPI、APAAなどの知財系の国際会議に出席するために、海外出張をします。海外の同業者と個別にミーティングをするのが会議参加の主な目的ですが、何人かとは走りながらミーティングをしています。この「ランニングビジネスミーティング」は私の発明ではないか、と思うほどです。あっ、最初に一緒に走ったシカゴのMさんとの共同発明と言ったほうがいいですね。Mさんとは、10年以上続いています。最近では、更にメルボルンのPさん、ミュンヘンのWさんとも個別にやっています。あまり速く走ると会話が成立しないので、話しても息が切れない程度のスピードで走りながら、お互いのビジネスの状況を話し合うのです。

 

コロナ禍とランニング

 コロナ禍は、ランニングにも多大な影響を与えました。2020年2月、3月の大会は、ことごとく中止となってしまいました。私は6つの大会にエントリーしていましたが、参加料は返ってきません。大損害です。特に東京マラソンに向けて、順調な調整を行っていただけに、ショックは大きかったです。その後も中止や延期が続き、2021年には大会はほとんど開催されませんでした。大会を目標に走り込みなどをして体を作り上げていくというのが、これまでのパターンだったので、リズムが狂ってしまいました。2022年から徐々に大会が再開されるようになりましたが、PCR検査と健康経過チェックの義務化、沿道での応援自粛、スタート前とゴール後のマスクの義務化など、厳しい措置がとられました。それでも大会で走れるというのはうれしいものです。

 また、ランニングをすると、ランナーから大量の飛沫が後方に飛び散るという、スーパーコンピューターのシミュレーション映像がテレビで何度も放映されました。このため、道を歩く人から、ランナーに対する冷ややかな視線が続きました。多くのランナーがマスクをして走っていました。しかし、私はマスクラン反対派でしたので、マスクなしで走っていました(花粉の時期はしていましたが)。あからさまに逃げるように避ける人、顔を横に向ける人など、結構いました。悲しい思い出です。

 そして、一番残念だったことは、私自身が2022年8月に、コロナに感染してしまったことです。感染後2ヶ月くらいは、走ると肺が苦しくなり、かなりのペースダウンとなってしまいました。それでも3か月後には、なんとかフルマラソンを完走することができました。その後も多くの大会に出場できていることはありがたいことです。しかし、今も感染前のスピードには戻れていません。それはひょっとすると、加齢による衰えが原因なのかもしれません。記録を狙うよりも、無理をせず、元気に楽しく走ることを目標に変えるべきなのでしょう。

 

ウォークラリー

 当所の総務部の主催で、今年6月にウォークラリーが始まりました。所員全員で、1ヶ月に歩いた(または走った)歩数を競うというもの。これがやり始めてみると、実に面白いのです。期間中の累積歩数と所内での順位がスマホのアプリで表示されます。目まぐるしく順位が入れ替わります。そうなると、常に気になってしかたがないのです。「今日はかなり走ったので、相当な歩数を稼いだぞ」と思っても、私の歩数を上回る所員がいる。そうなると、こちらもムキになって、更に歩数稼ぎをしようとする。これまで、自分が一日に歩いた歩数など、気にしたこともありませんでしたが、急に歩数を意識するようになりました。現在は、できるだけ毎日走るようにし、走るのに疲れたら歩きも入れて、1日2万歩を目標に、がんばっています。

 所内でも、ウォークラリーの話題で盛り上がり、所員の健康に対する意識も向上したのではないかと思います。所員同士のコミュニケーションに、大いに役立っていると感じます。

 

おわりに

 ランニングを始めた頃は、順調に体重が減り、医師に言われた10kg減量もすぐに達成できました。しかし、走り続けると今度は筋力が増し、だんだん痩せにくい体になるのです。そして、走った分、飲み食いもするので、食事の量も増えてしまいます。食べすぎても「明日走るから大丈夫」という考えが、悪い循環を生み出します。結局、現在はランニングを始める前とほとんど変わらない体重に戻ってしまいました。しかし、ありがたいことに、健康診断の数値は、全く問題がありません。ランニングのおかげで、健康を維持できています。これからも可能な限り、ランニングを続けていきたいと思っています。

 「マラソンの何が楽しいのか。なぜわざわざつらく苦しいことをやるのか。さっぱりわからない」と言われることが、よくあります。この問いに対しては、「私もそう思っていた。だけど、実際に走ってみれば、何が楽しいのかわかる」と答えるようにします。走り終わった後の爽快感、達成感、そして終わった後のビール、これはやってみないと、よさを人に伝えることはできません。まあ、だまされたと思って、ぜひやってみてください。