商標審決レポート(NK-LPWA)
拒絶査定不服審判 – 最終的に特許庁が識別力を認めた事例(NK-LPWA)
2026年9月1日
弁理士 鈴木和弘
| 審判番号 |
不服2025-015482(商願第2024-068636号) |
|---|---|
| 事案の概要 |
– 本願商標「NK-LPWA」は、「NK」と「LPWA」をハイフンで結合し、同じ大きさ・書体で横一列に表した文字商標である。 – 構成中欧文字2字「NK」は商品の品番・型番等又は役務の種別・等級等を表す記号・符号として類型的に使用され、「LPWA」は「Low Power Wide Area」の略で低消費電力かつ広域・長距離通信を特徴とする無線通信技術を意味するため、需要者は本願商標を「NK」と品質・質を示す「LPWA」とをハイフンで組み合わせたものと認識するにすぎない。 との認定に基づいて、本願商標をその指定商品に使用しても、需要者は自他商品識別標識として認識できないとして、審査官は商標法第3条第1項第6号により本願商標の登録を拒絶しました。 拒絶査定不服審判にて、審査官の認定を審判官は覆しました。 |
| 審決日 |
2026年8月4日 |
| 出願人 |
日本工営エナジーソリューションズ株式会社 |
| 出願商標 |
商願第2024-068636号 NK-LPWA |
| 指定商品役務 |
第9類:測定機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム 第42類:電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,アプリケーションソフトウェアの設計・作成または保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,アプリケーションソフトウェアの提供,気象情報の提供 |
| 審決の概要 |
本願商標の構成中「NK」が商品の品番・型番等又は役務の種別・等級等を表示する記号・符号として類型的に使用される欧文字2字であり、「LPWA」が「低消費電力で長距離(広範囲)の通信に対応できる無線通信技術の総称」を意味する語であるとしても、構成文字は同じ大きさ・書体で、間隔なく横一列にまとまりよく表されている。さらに、2語を結び付ける符号であるハイフンを介することから、全体として「NK-LPWA」の一連の文字として看取される。 したがって、本願商標は、原審説示の意味合いを表す識別力のない語ではなく、構成全体をもって特定の意味合いを有しない一体不可分の造語として、出所識別標識として機能し得る。加えて、審判体が職権で調査しても、「NK-LPWA」又はこれに類する文字が、指定商品・役務の業界で品質・質、型番、種別等を具体的に表示するものとして一般に使用されている事実や、需要者がそのように認識すべき事情は発見できなかった。 以上より、本願商標は商標法第3条第1項第6号に規定の、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とはいえないものであると判断する。 |
| コメント |
本願商標「NK-LPWA」の同一書体・同一サイズでまとまりよく表された構成、一連の称呼、ハイフンによる結合から商標全体を一体不可分の造語として評価したうえで第3条第1項第6号該当性を判断すべき、との旨の審判請求書での主張が奏功した結果、原審の認定は誤りであるとして審決において出願人の請求が認容されました。 |