商標審決レポート(R WEAR)
拒絶査定不服審判 – 最終的に特許庁が識別力を認めた事例(R WEAR)
2026年9月1日
弁理士 鈴木和弘
| 審判番号 |
不服2025-015376(商願第2024-110470号) |
|---|---|
| 事案の概要 |
– 本願商標「R WEAR」(標準文字)は、欧文字「R」と「WEAR」を1字分程度の空白を介して横書きした文字商標である。 – 構成中「WEAR」は「衣類、衣服」の意味を有し、指定商品が衣類等に関するものであることから、本願商標を指定商品に使用した場合、需要者は「商品の品番・型番等を表示する欧文字1字『R』」と「衣類、衣服を表す『WEAR』」を組み合わせたものと認識するにすぎない。 との認定に基づいて、本願商標をその指定商品に使用しても、需要者は自他商品識別標識として認識できないとして、審査官は商標法第3条第1項第6号により本願商標の登録を拒絶しました。 拒絶査定不服審判にて、審査官の認定を審判官は覆しました。 |
| 審決日 |
2026年7月15日 |
| 出願人 |
ソニーグループ株式会社 |
| 出願商標 |
商願第2024-110470号 R WEAR |
| 指定商品役務 |
第10類:医療用特殊被服,医療用ズボン,医療用タイツ,医療用機械器具(「歩行補助器・松葉づえ」を除く。) 第25類:被服,コート,ジャンパー,ワイシャツ類及びシャツ,寝巻き類,下着,キャミソール,ティーシャツ,着物,エプロン,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子 |
| 審決の概要 |
本願商標の構成中「WEAR」の文字が「着るもの、衣類、服」を意味する語として辞書に掲載され、また、欧文字1字が商品の品番又は規格等を表示する記号・符号として類型的に使用される場合があるとしても、本願商標「R WEAR」の構成において、「R」の文字部分が商品の品番又は規格等を表したものと認識されるとはいい難い。 むしろ、本願商標は、その構成全体をもって特定の意味を有しない一種の造語として認識される。また、審判体が調査しても、「R WEAR」の文字が指定商品との関係で原審説示の意味合いを表すものとして普通に使用されている事実は見いだされず、商品名等の語頭に欧文字1字を置いて品番・型番等を表示するという取引の実情も発見できなかった。 以上より、本願商標を指定商品に使用した場合、取引者・需要者が原審説示の意味合いを認識すべき事情はなく、その構成全体を自他商品の識別標識として認識するとみるべきであり、本願商標は商標法第3条第1項第6号に規定の、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とはいえないものであると判断する。 |
| コメント |
本願商標構成中「R」が本件の語頭位置で品番・型番を示すという取引実情がなく、「WEAR」単独は具体的な商品名というより漠然とした意味合いにとどまるため、各構成部分の個別評価を機械的に足し合わせるのではなく、商標全体の構成・需要者認識・取引実情を踏まえて第3条第1項第6号該当性を判断すべき、との旨の審判請求書での主張が奏功した結果、原審の認定は誤りであるとして審決において出願人の請求が認容されました。 |