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知的財産トピックス

フランス知的財産法・規則改正(2008年8月4日、同年12月11日、同年12月30日)

2009.8.12

2008年8月4日に公布された経済活性化法に基づき、フランスの知的財産法及び規則(主として特許に関する改正ですので、以下、特許法及び特許規則と呼びます)が改正されました。この改正は、主として、EPC2000及び特許法条約(PLT)との整合を図るものです。なお、特許法と特許規則とで発効日が異なっており、2008年8月4日発効と明示してある一部の改正を除き、特許法の改正は2008年12月11日に、特許規則の改正は2008年12月30日に発効しました。以下においてLは特許法、Rは特許規則を示しています。主な改正点は以下の通りです。

1)出願日認定要件の緩和 (L. 612-2)  

出願日から2ヶ月以内にクレームを提出することを条件に、明細書のみ(クレームなし)での出願が可能になりました。 
また、別の方法として、先の出願を特定できる情報(出願国、出願日、出願番号)のみを提出して出願を行い、出願日から2ヶ月以内に先の出願の明細書、又は先の出願明細書が仏語でない場合にはその翻訳文を提出することが可能になりました。 
後に様々な問題(例えば、日本国用明細書と仏国用明細書との明細書やクレームの要件の違い)が生じる可能性があるため、これらの手続は、緊急時以外は極力避ける方がよいと考えられます。

2)出願言語要件の緩和 (R. 612-21)  

仏語以外の言語による明細書での出願が可能になりました。この場合、出願日から2ヶ月以内に仏語翻訳文を提出する必要があります。

3)優先権の回復 (L. 612-16-1新設)  

出願人が相当な注意を払ったにもかかわらず、優先日から12ヶ月以内に優先権を主張した出願ができなかった場合、優先権を喪失した日から2ヶ月以内であれば、優先権の回復を請求することができます。

4)第二医薬用途発明 (L. 611-11) (2008年8月4日発効) 

既知の物質又は組成物に関する新たな医薬用途発明が特許可能となりました。

5)サーチレポート請求 (L. 612-15, R 612-5, R. 612-45, R612-55)  

改正前は、特許出願において優先日から18ヶ月以内にサーチレポートの請求を料金支払いによって行わなければ、当該出願が自動的に実用証に切り替わることが規定されていました。 
しかしながら、改正後においては、サーチレポート請求に係る料金の支払いは出願から1ヶ月以内に行うことが規定され、サーチレポート請求を遅らせることができなくなりました。したがって、実用証を希望しており、サーチレポートを請求したくない場合には、実用新案登録出願であることを出願時に明示しておく必要があります。なお、サーチレポート請求に係る料金の支払いが出願から1ヶ月以内に行われない場合、フランス特許庁からの通知を受けてから2ヶ月以内に追徴金(料金の50%)を支払えばサーチレポート請求が可能です。 
また、優先日から18ヶ月以内であれば実用新案証への切り替えができるとされています。

6)特許付与後のクレームの放棄及び限縮手続 (L. 613-24, 25, R. 613-45) (特許法については2008年8月4日発効)  

特許付与後において、特許権者は、いつでも特許全部又はクレームの一部の放棄や、クレームの減縮を請求できるようになりました。なお、この訂正請求が実質的にクレームを拡張することになる場合には、当該特許が無効とされます。

7)権利の回復 (L 612-19)  

年金納付期限までに年金を納付できなかった場合、追徴金の支払いを条件に、期限日から6ヶ月の猶予期間が設けられています。 
猶予期間を徒過した場合における救済措置として、改正前においては、権利失効通知から2ヶ月以内に権利の回復を求めることができましたが、改正後においては、年金を納付できなかった事由のなくなった日から2ヶ月以内、かつ年金納付期限から1年以内に権利の回復を求めることができるようになりました。

8)その他 (2008年8月4日発効) 

特許/特許出願、意匠/意匠出願、商標/商標出願の譲渡/変更は、原簿にその譲渡/変更の登録がなされなければ、第三者に対抗できません。 
ただし、その譲渡/変更証書の存在を知っている第三者が譲渡日又は変更日以降にその権利を取得した場合、譲渡/変更証書が原簿に未登録であっても、当該第三者に対して対抗できます。(特許については現行どおり。意匠、商標に関する変更) 
ライセンシーは、原簿にライセンス契約を登録していていなくても、権利者の提起する訴訟に参加して、損害賠償を請求することができます。ただし、契約日の立証について問題が生じる可能性もあるため、ライセンス契約は原簿に登録することが望ましいと考えられます。

 

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