「商標早期審査」活用のすすめ|トピックス|オンダ国際特許事務所

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「商標早期審査」活用のすすめ

2021年2月に更新された特許庁の「商標審査着手状況(審査未着手案件)」によりますと、審査期間の目安は8ヶ月~14ヶ月程とあります。特許行政年次報告書2020年版には、審査期間が長期化する主な要因は「近年の商標登録出願の急増」とありますが、確かに、出願件数は2014年(124,442件)から2017年(190,939件)にかけて大幅に増加し、その後も同程度の水準を維持しています。「商標早期審査」活用のすすめ | トピックス

(※特許行政年次報告書2020年版に基づき弊所作成)

 

 

かつては半年も経たない内に審査結果が通知されていましたので、その頃に比べると大変時間がかかるようになりました。そこで脚光を浴び始めたのが「商標早期審査」です。以前からも早期審査の制度はありましたが、審査にそれほど時間を要しないこともあり、利用されるケースはごく少数でした。それが2013年には1,587件(出願件数117,675件の1.3%)であったのが、2019年には8,110件(出願件数19,0773件の4.3%)まで増加しました。

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(※特許行政年次報告書2020年版の図表より抜粋掲載)

早期審査の対象として選定されれば、申請から平均2ヶ月ほどで最初の審査結果が通知されますが、そのためには所定の要件を満たす必要があります。対象となるのは以下の3パターンです。

対象1:
出願人(又はライセンシー)が、出願商標を指定商品・指定役務の一部に既に使用していて(又は使用の準備を相当程度進めていて)、かつ、権利化について緊急性を要する案件

対象2:
出願人(又はライセンシー)が、出願商標を既に使用している商品・役務(又は使用の準備を相当程度進めている商品・役務) “のみ” を指定している案件

対象3:
出願人(又はライセンシー)が、出願商標を指定商品・指定役務の一部に既に使用していて(又は使用の準備を相当程度進めていて)、かつ、「類似商品・役務審査基準」等に掲載されている商品・役務 “のみ” を指定している案件

具体的な内容は特許庁の「商標早期審査・早期審理ガイドライン」に詳しく記載されているため本稿での説明は控えますが、単に、出願番号を記載して届け出をすれば済む、という程度のものではありません。
たとえば、以下の事項について注意を要します。

  • 利用に際しては、様式に沿って書面を作成し、特許庁へ提出する必要があります。
    オンライン又は書面のいずれによっても提出できますが、書面の場合は、オンラインの場合に比べて時間がかかると言われています。

  • 「審査」とは異なるため、提出書類に不備があったとしても、補正の機会を与えられません。
    早期審査の対象として選定されなかった場合、特許庁からは「早期審査選定結果通知書」が送られますので、その書面に記載された「選定されなかった理由」を確認し、不備を解消して再度提出する必要があります。

  • 「出願商標の使用の準備を相当程度進めている」とは、対外的に出願商標の使用に向けて動き始めていて後戻りする可能性が低く、使用することが確実視される場合等、「使用」とほぼ同等と認められる場合を指します。社内において、商品パッケージのデザイン案やホームページでの使用イメージ案を作成しただけといった状況では不十分です。

決して簡単な手続きではありませんが、商品の発売が迫っている場合や、外国出願の予定がある場合には、ご利用をお勧めします。
(所定の要件を満たすことで自動的に審査期間が6ヶ月程に短縮される「ファストトラック審査」については、別の機会にご紹介します。)