【商標審決レポート】拒絶査定不服審判 – 最終的に特許庁が識別力を認めた事例(KAJU-HI)|知財レポート/判例研究|弁理士法人オンダ国際特許事務所

【商標審決レポート】拒絶査定不服審判 – 最終的に特許庁が識別力を認めた事例(KAJU-HI)|知財レポート/判例研究|弁理士法人オンダ国際特許事務所

アクセス

【商標審決レポート】拒絶査定不服審判 – 最終的に特許庁が識別力を認めた事例(KAJU-HI)

2025年8月22日
弁理士 鈴木和弘

審判番号

不服2024-009157(商願第2023-055529号)

事案の概要

– 出願商標は、「KAJU-HI」の文字と「カジューハイ」の文字を二段に書してなるところ、上段の文字は、下段の文字をローマ字表記したものと無理なく認められるものである。

– そして、構成中の「カジュー」の文字は、本願の指定商品との関係においては、「果物をしぼって得られる汁。」の意味を有する「果汁」を表したものと容易に認識させるものである。

– 構成中の「ハイ」の文字は、「ウイスキーなどを炭酸水で割り、氷を浮かべた飲み物。」の意味を有する「ハイボール」の略称として広く使用されているものである。

– また、本願の指定商品を取り扱う業界では、果汁を使用したハイボールが流通している実情があるから、本願商標全体として、「果汁を使用したハイボール」程度の意味合いを容易に理解、認識させるものである。

との認定に基づいて、出願商標はこれに接する需要者に「果汁を使用したハイボール」であること、すなわち、単に商品の原材料・品質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識されるにすぎない、従って識別力がないとして、審査官は出願商標の登録を拒絶しました。

 拒絶査定不服審判にて、審査官の認定を審判官は覆しました。

審決日

2025年2月17日

出願人

富永貿易株式会社

出願商標

商願第2023-055529号
【商標審決レポート】拒絶査定不服審判 – 最終的に特許庁が識別力を認めた事例(KAJU-HI) | 2025年

指定商品役務

第33類:果汁を使用したハイボール

審決の概要 

 出願商標は、「KAJU-HI」の欧文字と「カジューハイ」の片仮名を上下二段にそれぞれまとまりよく書してなるところ、これらの文字は、いずれも一般的な辞書類に載録された既成の語ではないことから、本願商標全体として、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識、把握されるものといえる。

 本願の指定商品を取り扱う業界において、「KAJU-HI」及び「カジューハイ」の文字が、商品の具体的な品質を直接的に表示するものとして一般に使用されている事実は発見できず、そのほか、本願商標に接する取引者、需要者が当該文字を商品の品質を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。

 以上より、本願商標は、指定商品「果汁を使用したハイボール」との関係において、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであると判断する。

コメント  本願指定商品を取扱う業界において、「芋ハイ」、「ムギハイ」、「コメハイ」等、「○○ハイ」の構成からなる点において本願商標と事案の共通性の高い登録例が多数存在することを考慮すれば、本願商標についても商品の品質を暗示ないしは間接的に表示するに止まるものと判断されてしかるべき、との旨の審判請求書での主張が奏功した結果、拒絶理由通知書の認定は誤りであるとして審決において出願人の請求が認容されました。