【商標審決レポート】拒絶査定不服審判 – 最終的に特許庁が識別力を認めた事例|知財レポート/判例研究|弁理士法人オンダ国際特許事務所

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【商標審決レポート】拒絶査定不服審判 – 最終的に特許庁が識別力を認めた事例

2025年8月8日
弁理士 鈴木和弘

審判番号

不服2023-020071(商願第2023-042056号)

事案の概要

– 出願商標「サラダペーパー」(標準文字)は、「サラダ」と「ペーパー」とから構成される。

– 「サラダ」なる文字は「生野菜や温野菜を主材料として、場合によっては肉・魚介・卵などを加え、ドレッシングやマヨネーズなどであえた料理。」を意味する。

– 「ペーパー」なる文字は「紙。特に洋紙。」を意味する。

– 本願の指定商品を取り扱う業界では、「サラダペーパー」の文字が「サラダ用の紙製容器」を表すものとして使用されている実情がある。

との認定に基づいて、「サラダペーパー」はこれに接する需要者に「サラダ用の紙製包装用容器」であること、すなわち、単に商品の品質・用途を普通に用いられる方法で表示したものとして認識されるにすぎない、従って識別力がないとして、審査官は出願商標の登録を拒絶しました。

 拒絶査定不服審判にて、審査官の認定を審判官は覆しました。

審決日

2024年12月11日

出願人

株式会社共同紙販ホールディングス

出願商標

(商願第2023-042056号)

サラダペーパー

(標準文字)

指定商品役務

第16類:紙製包装用容器

審決の概要 

 同書、同大、同間隔に記されているため、出願商標「サラダペーパー」(標準文字)は、全体としてまとまりよく記載された文字列であるとともに、日本の辞書等に記載のない造語である。

 本願の指定商品を取り扱う業界において、「サラダペーパーボウル」の文字が商品の形状、用途等、品質を表示するものとして普通に用いられている事例は見受けられるが、しかしながら、直ちに構成文字が異なる本願商標「サラダペーパー」についてまで、商品の品質表示にすぎないとする根拠とはし難いものである。

 そして、「サラダペーパー」の文字自体が、商品の品質等を直接的又は具体的に表示するものとして取引上一般に使用されている事実は発見できなかった。

 以上より、本願商標「サラダペーパー」は、指定商品「紙製包装用容器」との関係において、これに接する取引者、需要者に、原審説示の「サラダ用の紙製容器」の意味合いを理解させるとはいえず、むしろ、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識され、把握されるものと判断するのが相当であって、自他商品を識別する機能を果たし得るものであると判断する。

コメント  拒絶理由通知書中に審査官が掲示した引用情報ウェブサイトは全て「サラダペーパーボウル」に関するものであって、本願商標「サラダペーパー」の文字それ自体が「サラダ用の紙製容器」を表すものとして使用されている事実は一つも見出せない、との旨の審判請求書での主張が奏功した結果、拒絶理由通知書の認定は誤りであるとして審決において出願人の請求が認容されました。