女性活躍社会4|パテントメディア|オンダ国際特許事務所

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女性活躍社会4

2022年5月
会長 弁理士 恩田博宣

 

1)女性活躍社会の問題点

 本号においても女性活躍社会について取り上げます。女性が活躍するにあたってはどのような課題があるか、識者の指摘を見ながら、私共の事務所における問題点を点検したいと思います。そして、私共の事務所における活躍女性のコメントも引き続きご紹介します。

 グーグルで「女性活躍社会の問題点」と検索しますと、多くのサイトがヒットします。運営者が明記されておらず不明なのですが、あるサイト(https://koreyokatta.net/amp/)が端的にその問題点を指摘していました。それを引用して筆者の事務所に同様の問題点が存在しないかを見てみることにします。同サイトでは、4つの問題点を指摘しています。

①キャリアを継続できない
②ロールモデルがないためキャリア形成の目標を立てにくい
③時間が足りないため、家事、子育てとの両立に悩む
④会社側に女性社員を長期的に活かすビジョンがない

 

2)「キャリアを継続できない」の原因

 日本では古くから、男は働いて家計を支える、女は家庭において家事、育児、介護等を行う、という分業意識が強く、その影響が今でも少なからず残っています。そのため女性は残業付きのフルタイム就業ができない。いきおい女性は非正規雇用を選択せざるを得ないということになります。要職にはなかなかつけないわけです。

 雇い入れる側から見るならば次のような心配があります。すなわち、優秀な女性を重要ポストにつけて、バリバリ働いてもらっていた。部下を何人もつけ、前途洋々だった。ところが妊娠して数か月後には産休を取ることになった。あるいは、夫の転勤に同行するため、会社を退職せざるを得ないことになった。このような事態になると、会社経営側としては困惑せざるを得ません。ましてや人材不足の中小企業においては、その後の対応に困難を極めることになります。

 なんとか代わりの人材を手当したとします。そして、産休明けに職場復帰をしてくれたとします。もう代わりの人材がそのポストで活躍しているのですから、彼女を元のポストへ戻すことは、難しいことになります。経営側としては悩まざるを得ないのです。どこか別のポストを探してそこで活躍してもらうことになり、キャリアの継続は途切れてしまいます。

 このような事情を考慮すると、たとえ優秀であっても、妊娠、夫の転勤等で継続が途切れる可能性のある女性を、継続性を必要とするポストにつけるのは躊躇せざるを得ません。

 筆者の事務所においても、同様のことが起こりました。産休から復帰した優秀な女性所員の復帰場所がなかったのです。前の管理職のポストには新たな人材が配置されていました。とりあえず、同じ職場の平の所員として働いてもらいました。しかし、もともと優秀な人材ですので、平の仕事は見るに堪えないほど不適切でした。困惑せざるを得ませんでした。

 ラッキーなことに、人手の足りない、別の部署がありましたので、そちらに異動してもらいました。平からの出発でしたが、それほど時間をかけることなく、管理職に駆け上ったのでした。もし、別の部署を手当できなかったならば、彼女は退職してしまうことさえあり得たわけです。優秀な所員を失うところでした。彼女はその後、力量を発揮し、現在は約50人の部下を有する本部長になっています。

 このように別の部署を手当てすることができる場合でも、その部署がその職員にとって適切であるとは限りません。本人が嫌だということもあり得ます。

 復帰してきた所員を元の職場に戻すことが最良です。平から平へというのなら、問題は少ないでしょう。しかし、その場合でも人材が手当てされている場合には、人員過剰になるという問題が起こり得るのです。それは、ボーナスの配分が減るという問題に発展します。なんとも悩ましい問題です。

 

3)筆者の事務所における産休・育休からの復帰

 筆者の事務所においては、産休、育休から復帰する所員は、ほとんど例外なく、元の部署へ戻ることができています。特許、意匠、商標、図面等の実務担当者の場合には、例外なく元の部署へ戻っています。他の部署へ移ろうにも専門性があって、なかなかできないからです。人員が足りなくなるということはありますが、過剰ということになった経験はありません。すなわち、常にやや人員不足の状況が続いているということです。産休、育休その他で長期にわたって休む所員が出たときは、事務所全体で助け合うように工夫します。多少残業が増えることもあります。

 特許事務所では、特許明細書の下書き1件が3日から5日くらいで完了します。難解な事件でも2週間くらいで完了です。意匠、商標も一件の出願につき、着手から出願完了までの日数がせいぜい数日というケースがほとんどです。短期間で一件一件の仕事が完了し、技術開発のように、長期にわたって同じ仕事に従事するということはありません。それゆえに、産休に入ることも、復帰することも、比較的容易なのです。

 産休、育休の間は時代遅れにならないように、部署ごとに情報提供をするようにしています。法律改正や新ソフト導入、QCサークル活動による所内改革情報等です。

 事務系所員の場合は、別の部署へ移動してもらったというケースがいくつかありますが、概ね元の部署に復帰してもらうことができています。通常、3人から12、13人のグループが多いので、ある部署から1人抜けるとその部署は大変忙しいことになります。そんなときは、派遣社員を採用することもありますが、一人前になるまでには時間がかかるため、かえって足手まといになるという現象も起こります。多くは他の事務系の部署から援助を受けて乗り切るのですが、QCサークル活動で解決したということもありました。

 それは6人の部署で1人の所員が産休を取ることになったケースです。「派遣社員を入れても即戦力にはならないから5人で何とかしよう」ということで、QCサークル活動で解決を図りました。どの作業にどの程度の時間がかかっているかの現状把握を行うとともに、おびただしいまで数多くの対策が打たれ、5人でできる体制を確立してしまったのです。節減効果だけでも年間600万円にも及びました。大きな成果でした。

 しかし過去には、産休で1人抜ける→その分忙しくなる→辛くて退職に至る、というケースもありました。厳しい現実です。

 総じていえることは、キャリア継続について、筆者の事務所の状態は65点というところでしょうか。

 

4)女性活躍のロールモデル不足

 男性の場合、通常その職場には社長をはじめとして、多くのロールモデルが存在します。従って、一般職員はその役職になるという夢も描きやすくなるので、キャリアを長期的に考えることができます。しかし、日本における女性役員の比率は僅か1.1%に過ぎません。さらに、出産後順調にキャリアを上げていった女性のロールモデルは圧倒的に足りないのが現実です。

 目標を持てないと、その不安により今の仕事に集中することができなくなります。そうすると現在の仕事の負の面ばかりが目につきます。負荷の大きさから不満が生じます。楽な仕事に変わろうかという考えが先に立ちます。ますますロールモデルが育たないことになるのです。その影響は、女性活躍の重要性を男性に認識されない、ひいては女性役員の少なさという悪循環になっていくのです。日本において女性が企業の中枢で活躍できない大きな理由となっています。

 

5)筆者の事務所における女性活躍のロールモデル

 筆者の事務所は開業54年になります。調べてみたところ2022年3月1日現在で、女性所員の割合が52.9%と男性所員数を凌駕しています。女性の勤続年数を調べてみました。30年以上1名、20年以上28名、10年以上45名と永年勤続の女性が多数にのぼります。当然のことながら結構な数のロールモデルが存在します。なお、総所員数は284名(国内オフィスのみ)です。

 一般の会社でいう役員に相当する本部長・副本部長9名中2名が、管理職40名中13名が女性です。女性所員の中には4人の子供を出産して、復帰したケースもあります。以上の数多くの事例は格好のロールモデルを形成していると思われます。

 以上から、筆者の事務所における女性活躍のロールモデルは、比較的良い状態にあるといえると思います。

 

6)時間が足りないため、家事、子育てとの両立に悩む

 家事と子育てと仕事をすべて満足に進行させるのは、いかにも大変です。時間が足りません。仕事にも悪影響があります。スケジュール通りに片づけられないため、職場における立場も悪くなりがちです。体力的にも精神的にも負荷が大きく健康を害することさえ起こりかねません。

 さらに、保育園の不足で待機児童の問題は未だ解決に至っていません。子育て中の女性が仕事を続けることの大きな障害になっています。女性の働く時間を奪っているともいえます。出産を機に仕事を辞める原因ともなっています。

 女性が働く時間を少しでも増やすにはどうしたらいいか。会社が保育施設を設けることが考えられますが、ハードルは高いのです。

 テレワークを充実させれば、少なくとも通勤時間は必要なくなります。育児をしながら仕事を継続する大きな解決手段になります。

 

7)筆者の事務所における女性の時間作り

 保育園不足のために女性所員の復帰が遅れたケースは、当所でもいくつかありました。しかし、岐阜、東京、大阪のどのオフィスにおいても、保育園不足のための復帰遅れは、みな数か月の辛抱で解決しました。運がよかったということでしょうか。出産を機に退職するというケースは、皆無ではありませんが、ほとんどないといえます。産休を取ることに対して、白い目で見るという雰囲気がないことに起因すると思います。

 産休を終えて育児をしながらの仕事の継続には、テレワークがうまく機能しています。筆者の事務所においては、コロナに入る前からオフィス賃料高騰に対処するために、テレワークの研究が進んでいました。コロナに入るとテレワークは一気に進みました。QCサークル活動により、テレワークをする場合の困りごとをしらみつぶしに対処していきました。おかげで事務方のテレワーク環境も充実しました。例えば、特許庁への出願手続きでさえ自宅からできるようになったのです。請求書発行や納品も紙で行うケースが減り、ほとんどがオンライン納品になったことも、テレワークをやりやすくしています。テレワーク環境の充実は女性の時間確保に大きく貢献しました。

 男性の育児休暇取得が最近2件ありました。いずれも奥さんの仕事継続を意識したものでした。すなわち、奥さんが重要なポストについていて、休暇が取りにくいという事情からでした。それだけ特許事務所の業務は休暇が取りやすいといえるのでしょう。

 筆者の事務所においては、時短制度もかなり活用されています。産休から復帰した女性所員のほとんどが時短を希望します。30分から1.5時間の時短を希望するケースがほとんどです。この制度も女性の時間確保に役立っていることは間違いありません。

 

8)女性活躍のための長期ビジョン

 先に紹介したサイトの記事では、女性活躍というと若い20代の女性を指して、出産と育児ばかりが注目されるが、そうではない。非正規雇用まで含めると中高年の女性が過半数を占めるのであるから、女性活躍を総合的に考えるならば、全年齢の女性に適応できるビジョンが必要だといっています。

 そうすると、多様な価値観、上下格差のある能力、各人各様の生活条件等に合わせた多様なビジョンを用意する必要があります。同記事では具体的にどういうビジョンを用意すればいいかについては、記述はありませんでした。ただ、「ダイバーシティを目指せ」とありました。まさにその通りでしょう。

 

9)筆者の事務所における女性活躍のためのビジョン

 筆者の事務所においては、「是」の1番が「私達は全所員の物心両面の幸せを追求します」となっています。

 1番に従業員の幸せを追求する理由は、従業員を雇い入れ、定年まで雇い続け、生活に支障のない待遇をすることが、この上もない社会貢献になるとの考え方からです。当然のことながら、その先にある女性の活躍も筆者の事務所が求める大きな目標になります。

 さて、筆者の事務所では、2つの法律に基づく行動計画が作られています。

 やや抽象的な計画に見えますが、しっかり守られています。ビジョンというからにはもう少し高邁なものがいいと思いますが、実行と具体性を考えるとこんなものでしょうか。

 

9-1)次世代法に基づく一般事業主行動計画(2年半の目標)

目標1:年次有給休暇の取得率70%以上を継続する

(対策)

  • 毎月の経営会議で取得率の低い所員の所属長に取得を実施させるように指示する
  • 取得率が特に低い所員には総務部から個別に指導する

目標2:育児休業以外の休暇制度(子の看護休暇)を周知する

(対策)

  • 子の看護休暇とその取得申請方法について周知する

 

9-2)女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(5年間の目標)

 所員が仕事と子育てを両立させることができ、すべての所員がその能力を十分に発揮できるようにするため、次のように行動計画を策定する。

当所の課題

(1)女性の従業員は事務系が多く、実務担当者が少ない。

(2)法定時間外労働時間が減らない。

目標と取り組み内容

目標1:女性の実務担当者を現在の37名から40名に増やす。

(取り組み内容)

(1)女性の実務担当者へヒヤリングを実施する。
(2)女性実務担当者の応募を増やすため、ガイダンス資料とホームページを見直す。
(3)就職・転職ガイダンスにおいて来場者に対してアピールする。

目標2:平均残業時間数を実績より2024年までに15%減らす。

(取り組み内容)

(1)ノー残業デーを再周知して実行を確実にする。
(2)残業の事前申請制度を改めて、所属長は残業内容を把握して事前に会長に報告する。
(3)在宅勤務における残業を確実に把握するようにする。

 

10)筆者の事務所の活躍女性登場

 今回も、筆者の事務所において活躍している女性4人に登場してもらいます。

 第1番目に筆者の家内(所内では「恩田理事」と呼ばれています)です。開業以来、筆者と共に54年間一緒に働いてきました。最初は経理をはじめ、総務的な業務は全て担当しました。そのうちに任せられる仕事はどんどん部下に譲り、自己啓発の教育と所員の相談相手が仕事になっていきました。83歳になる今日も続いています。面倒見がよく、所員から慕われています。最近も各部門長に部下の素晴らしい点を指摘させたメモをもらって、そのメモを元に一人一人インタビューしていました。所員のいろいろな面が分かってきます。多くは所員に対するお褒めになるのですから、モチベーションも上がろうというものです。褒められて涙ぐむ所員もいたのです。その恩田理事のことを、本部長を務める女性のTさんが書いてくれました。

 

10-1)恩田理事のこと

 恩田理事は、昭和43年に会長とお二人で弊所を開設されてから、会長と共に、事務所と事務所で働く多くの所員を育ててこられました。恩田理事のご活躍を語らずして、オンダ国際特許事務所の発展を語ることはできないでしょう。

所員に対する深い愛情

 恩田理事ほど愛情の深い方を私は知りません。どの所員に対しても母親のような温かい愛情を注がれます。
 若い一人暮らしの所員へは、煮炊きしたおかずを「今夜食べてね」と渡されることがあります。常日頃コンビニ弁当にお世話になっている人にとって、温かい手料理は、故郷の母を思い起こさせ、疲れた体を癒し、明日への活力となるでしょう。恩田理事のやさしい手料理の味を知っている所員が多くいます。

 恩田理事がお得意なのは、料理だけではありません。刺繍やレース編みの腕前もすばらしいのです。多目的ホールに飾られた琥珀色のピアノには、壮大な刺繍が一面に施された恩田理事お手製のピアノカバーがかけられています。所員の子どもが3歳くらいになると、恩田理事は刺繍入りのランチョンマットをプレゼントされます。かわいらしいお人形やお花、車の絵などを刺繍したところに、子どもの名前をローマ字でそっと添えられます。私の娘にもいただきましたが、「お友達にかわいいランチョンマットだね、ってうらやましがられるの」と言いながら誇らしげに学校へ持って行っていました。丁寧にお洗濯しても落ちない食べこぼしの染みがついていますが、娘たちは10年経った今も大切にしています。

 浮かない顔をしている所員を見れば、何か問題を抱えているのではないかと声をかけ、そして丁寧にお話を聞かれます。恩田理事の前に座ると、こころの蓋が外れて自分と素直に向き合えるのが不思議です。お話を聞いていただくうちに、「今の自分にとって必要だから起きているんだ。自分なら乗り越えられる。よし頑張るか!」そんな大きな力が湧いてきて、小さなことにくよくよしている時間が勿体なく感じてしまうのです。

 また、元気いっぱいに活躍している所員に対しては、絶妙なタイミングで激励の声をかけられます。弊所の所員の多くが自分らしさを忘れず生き生きと活躍しているのは、無償の愛を注がれる恩田理事のおかげであるように思います。

日々を愛でる豊かなこころを

 弊所には、観葉植物や季節の花が多く飾られています。それらの管理をされているのは恩田理事です。鉢のわりに植物が大きくなれば、頃合いを見計らって株分けをして、元気な命を次につなげられます。枯れかかった植物があれば、しばらく預かってお世話をして、元気に生き返らせて、また各フロアへ戻されます。「植物がお水を欲しいと言っているのか、日や風が当たって辛いと言っているのか、声を聞きながら我が子を育てるようにやさしい気持ちで育てなさい」と恩田理事はおっしゃいます。

 弊所のインテリアは所員の自慢の一つです。恩田理事の心遣いが事務所の随所に息づいています。恩田理事が選ばれた会議室の机や椅子はおしゃれで品の良さを感じます。ひな祭りの季節には、総務受付や各フロアのちょっとしたスペースに、小さなひな人形が登場します。クリスマスの季節には、玄関に大きなクリスマスツリーが飾られます。季節の訪れをそっと知らせるそれらの置き飾りは、忙しい所員をほっこりさせてくれます。最近では、感染症拡大防止のため、手作りのお洋服と大きなマスクをつけたキューピー人形をエレベーターの前に飾られました。

所員教育

 弊所では、すべての新入所員に対して自己啓発研修を実施します。人生成功の秘けつは目標設定にあることを学ぶ研修です。所員は、14週かけて取り組むプログラムの中で、心の中にあるぼんやりとした目標を明確にビジュアライズしていきます。恩田理事は、この研修のトレーナーとして、プログラムの効果を高めるために、週1回インタビューを行われます。所員が目標達成に向けて力強く行動できるよう、本来持っている力を引き出すお手伝いをされるのです。インタビューを受けると、不思議と前向きになり、自分の中から大きな力が湧いてくるような感覚に包まれます。

 インタビューの中で、自分に自信が持てない所員には、自分のことを褒められるようになるまで、自分が頑張ったこと、できるようになったことを、些細なことでよいので毎日書き出すようにアドバイスされます。周りの人や肉親などが許せなくて苦しんでいる所員がいれば、その方にしてもらってうれしかったことを毎日○個以上書き出すように指導されます。きっと人間はいくつになっても完成することはありません。誰しも自分と向き合って悩みながら生きていくものです。恩田理事は所員がより自然体で自分らしく生きていけるように力を貸してくださるのです。

 部門長に対しては、その部門に所属する所員の特性や相性などを見極めたうえで、グループ編成についてアドバイスをされることがあります。部門長でさえ気づいていない部員のよさを引き出すきっかけを作るとともに、部門がよりよい方向へ向かうよう力を与えてくださいます。組織というものは、業務内容にとらわれすぎず、「人」をベースに運営するものだ、という恩田理事の視点は、組織の活性化に大きく寄与しています。

最後に

 『所員の物心両面の幸せを追求します』これは、オンダ国際特許事務所の経営理念です。長年、所員一人ひとりのこころの幸せの追求に最も力を入れてこられたのは他でもありません、恩田理事です。オンダ国際特許事務所の今日の発展は、恩田理事の所員への深い愛情が根底にあると私は思います。育てていただいた私たち所員一人ひとりが、その御心を受け継いでいかなければと思っています。

 

10-2)総務部Kさん

現在の仕事内容

 所長秘書と総務担当者としてオンダ国際特許事務所に入所しました。入所15年になります。その後、国内特許の出願事務を兼務しました。現在は、東京オフィスの総務業務と人事業務、所長の東京出張時の秘書業務を担当しています。

 出願事務と総務・秘書業務は求められるものが異なる仕事です。出願業務は決められたルールを守り、正しく業務を行うことが求められます。一方、総務・秘書業務はおおまかなルールはあるものの、正解がはっきりとは無い業務です。正解がその時の状況によって異なるため、臨機応変な対応が求められます。両方の業務を兼務していた頃は、業務に応じて頭を切り替えることを意識していました。大変な面もありましたが、気分転換にもなっていたと思います。

 オンダ国際特許事務所に入所する前は、新卒で不動産会社に就職し、分譲マンションの契約に関わる業務をしていました。その後ITメーカーの派遣社員として転職し、役員秘書と営業事務を担当しました。ITメーカーの職場環境と人間関係はとても良かったのですが、派遣社員だったため、結婚や子育てと両立して長く働くことが難しい状況でした。そこで、両立できる環境のあるオンダ国際特許事務所に入所しました。ITメーカーでは営業部だったため、いつも賑やかで会話が多い職場環境でした。一転、当所に転職したところ、いつも職場はしんと静まり返っており、会話もあまりない環境でした。私はおしゃべりが大好きなので、あまりの環境の変化に戸惑い、トイレで泣いてしまうこともありました。しかし、働いていくうちに所員の皆さんの優しさを知ることとなったため、今では楽しく15年間も働いています。

 

現在の仕事のやりがいは何か

 4年ほど前から中途採用業務を、2年ほど前から新卒採用の業務を担当することになりました。採用業務のやりがいは多くの人と出会えること、そして、その人の人生の重要な岐路である就職や転職に携われることです。

 新卒採用の業務では、面談やインターンシップを通して、学生の方とお話しすることが多くあります。学生の方は、皆さん将来の夢や希望にあふれてキラキラしています。そのような学生の方と出会うことで、自分も若い頃に抱いていた「社会の役に立ちたい」だとか、「日々成長したい」という熱い想いが思い出されます。そして、心が洗われるような気持ちになり、改めて自分も頑張ろうという気持ちにさせてもらえるのです。

 中途採用の業務では、多くの応募者の方の履歴書を読みます。業務が忙しい時は、応募を受け付けて、履歴書を読んで、対応を検討して・・・と流れ作業のようになってしまうことがあります。しかし、ふと履歴書のひとつひとつにはこの人の今まで築いてきた人生が書かれているのだなと思うことがあります。その人生の中で転職という大きな決断をされ、その転職に今自分が関わっていると思うと、気が引き締まる想いがします。そして、この転職活動が実りあるものになってほしいと強く思います。採用担当者としては失格かもしれないですが、オンダ国際特許事務所に入所するという決断をしなかったとしても、応募者の方が満足のいく形で転職してほしいと願っています。

 

入所以来一番嬉しかったこと

 嬉しかったことは、仕事の成果が出た時、所員の役に立ったと思えた時など多くあります。その中で特に嬉しかったことは、「この人にはぜひ当所に入ってもらいたい」と思った方たちが入所してくれたことです。そして、その方たちが当所で活躍していることです。半年に一度、所員の方たちと面談をしているのですが、その時に「仕事が楽しい」「やりがいを持って仕事をしている」と聞くと、本当に嬉しいと思います。そして、嬉しいと同時に所員の皆さんが長く働きたいと思える職場環境を作っていかなくてはならないとも思います。これからも所員の方の声を聞きながら、快適な職場環境づくりを行っていきたいと思います。

 

入所以来一番つらかったこと

 一番つらかったことは、ワンオペ育児と仕事の両立です。我が家には三人の男の子がいます。しかし、主人は仕事が忙しく、帰りは私たちが眠った後という完全なワンオペ育児をしていました。毎朝4時に起きて洗濯物を畳み、朝のうちに夜ご飯を作っておき、嫌がる子供たちに支度をさせ、保育園に送っていくという生活をしていました。急いで事務所に着いた後は、限られた時間にフル稼働で仕事をこなし、保育園に迎えに行き、ご飯やお風呂を済ませ、次の日の支度をする・・・と事務所でも家でも一人フル稼働の日々でした。時には、洗濯物を畳みながら、洗濯機の前で寝てしまうこともありました。寝ぼけてご飯を作って、砂糖と塩を間違え、甘煮が塩煮になってしまったこともありました。

 子供が次々に体調を崩した時は、電車とバスを乗り継いで病児保育に預けたり、電車で近くの義理の両親の家まで連れて行ったりしたこともありました。実母が4時間かけて、家に来てくれたこともあります。実母から、「具合が悪い時に母親が近くにいてあげないのは、子供がかわいそうだ」と責められたこともありました。母の言うことはもっともなのですが、母親として子供のそばにいてあげたい気持ちと、何日も休んで事務所の人に迷惑をかけたくない気持ちとの板挟みが本当につらかったです。

 ある時、歩きたくないと泣き喚く子供を怒鳴りつけて、スタスタと先に歩いていくと、通りかかった若い男の人に、「お子さん、頑張って歩いていますよ」と声をかけられたことがありました。その時は「そんなことはわかっている。でも、同じ立場になって時間に追われていれば、そんな悠長なことは言ってはいられないのだ」と思った記憶があります。

 また、ある時は、下の子を出産して保育園まで上の子供達を連れて歩いていると、近所の人に「毎朝大きなお腹で、小さい子連れでベビーカーを押して大変だねと主人と話していたのよ。お腹のお子さんが無事に生まれてよかったわね。毎日頑張っているわね」と声をかけてもらったこともありました。

 学童の先生と帰りが一緒になったときに、「お母さんはいつも頑張っていて、大変だから」と、保育園の布団を持って、一緒に帰ってくれたこともありました。

 当時はがむしゃらに「自分がやらなければ誰がやるのだ」と自分を奮い立たせていましたが、今思うと、通りがかりの若いお兄さんや近所の人、主人や両親、義理の両親、会社の人たち、と多くの人に見守られていたのだなと感じます。

 そして、今もワンオペ状態は続いています。しかし、息子たちも小学生となり、洗濯物を入れたり、弟の宿題や面倒を見たり、届いた食材を冷蔵庫に詰めたりと、貴重な戦力となってくれるようになりました。相変わらず時間に追われて料理で失敗したときも、「誰にでも失敗はあるよ」と逆に励まされ、どちらが親なんだかと思うこともあります。これからも親子一緒に成長していきたいと思います。

 

QCサークル活動に関して一番思い出すこと

 QCサークル活動では、客観的に分析を行いながら、日ごろの業務に対する課題を解決することができます。普段仕事をしていると、忙しいからと後回しにしてしまう課題も多くあります。しかし、QCサークル活動として時間を取ることで、そういった課題に対策することができるため、業務の効率化につながっていると思います。

 人事グループの活動では、効果が求職者の動きによるものが多いため、活動中に成果が出ないことも多くあります。しかし、中途採用向けオンライン会社説明会、オンラインインターンシップ、採用管理ツールの導入など、時間の経過とともに効果が出てきています。日々の業務の中ではこなさなければならない仕事でいっぱいになってしまいますが、時間を作ることで、メンバーと意見交換をしたり、よりよいアイディアを出し合ったりと充実した時間を過ごせていると思います。

 

部下の育成について

 今まで、新卒社員等の若手所員の教育や、電話研修等を担当してきて、思うことがあります。それは、自分の考えや視点だけでなく、若手所員の考えや視点を理解して、教育しなければならないということです。

 私が社会人になった頃は、超就職氷河期で内定率が最悪の時期でした。ですので、新卒で入社した頃は、毎日怒られる日々でした。そして、その悔しい想いをバネにして、頑張ってきました。

 ですので、私が若い頃に後輩を教育したときは、「自分たちは、先輩が嫌がる仕事も積極的にやってきたのだから」「自分たちは毎日怒られて成長してきたのだから」と、自分の経験をもとに考え、イライラすることもありました。しかし、年を重ねるうちに、心の余裕が少し出てきました。すると、自分の若い頃の経験や考えを後輩に押し付けるだけではだめなのではないか、と考えるようになりました。それからは、後輩に教えるときも、「なぜ後輩はそのように考えたのか」を理解し、共感するように努めました。そして、なるべく注意するときは、褒めることとセットにして行うようにしました。「前回言ったこの部分を今回はよくできているね。でも、○○したほうがもっとよくなるよ」と声掛けし、理由も詳しく説明するように心がけました。

 今の若い人という言い方はよくないですが、若い後輩を育てるためには、まず相手を理解して信頼関係を築いてから、指導をしたほうがうまくいくように思います。

 そして、後輩を理解することは、後輩の成長だけでなく、自分の成長にも役立ちます。若い所員の意見や視点は、自分をはっとさせることがあります。長年疑問を持たず、当たり前のように行っていた日々の業務も、若い発想や視点で見ることにより、新たな気付きを与えてくれることがあります。現在、採用業務で若い学生の方と接する機会が多いですが、私が学ばせてもらっていると思うことも多くあります。時代とともに若い世代の考え方や価値観も変わってきます。今後どのような後輩に出会えるのか、楽しみにしています。

 

子育てについて

 当所でも、在宅勤務や時短勤務、男性の育児休業取得の推奨など、所員が子育てと仕事を両立できる環境が充実してきています。これからも多くの人に制度を活用してほしいと思っています。ただ一つ、忘れてほしくないのは周りの人に対する感謝の気持ちです。

 前述した通り、私はワンオペ育児だったため、子育てと仕事の両立はとても大変でした。しかし、ここまで仕事を続けることができたのは、家族以上に事務所の人たちの支えがあったおかげです。一緒に仕事をしている仲間は、私が帰った後の業務を快く引き受けてくれましたし、実務の方は忙しいのにもかかわらず、私が時短勤務であることを考慮してチェックをするなど、気遣ってくださいました。仕事も育児も完全にこなせないことへの罪悪感に押しつぶされそうになりましたが、仕事の時間帯はフル稼働して限られた時間内に精一杯貢献する、自分の仕事の効率化を図ることで何とか挽回できるようにと業務にあたっていました。事務所の周りの皆さんの協力やサポートがなければ、ここまで来ることはできなかったと強く思います。

 子育てはもちろん大変なのですが、所員の中には介護をしている方もいますし、ご自身の体調が優れない方もいます。大変な理由は人それぞれあります。

 子育ての制度はあっても、実際に仕事をフォローしてくれるのは周りの人たちです。これから子育てをする人たちには、周りの人への感謝を忘れず、自分の頑張りをほめながら、充実した生活を送ってほしいなと思います。

 

10-3)特許本部弁理士Aさん

入所のきっかけ

 工学系の大学院修了後、電機メーカーの研究所でLSIの研究開発に携わっていました。具体的には、シリコンウェハ上に微細な銅配線(当時は50nm程度の配線幅)を試作し、信頼性試験などを行っていました。今やパソコンの前で黙々と書類作成に勤しむ毎日ですが、当時はウェハ入りのケースを担いでクリーンルームと測定装置との間を往復する比較的アクティブな生活を送っていました。

 学生時代はまったく知財との接点がなかったため、知識も興味もゼロの状態で社会人になりました。しかし、研究所に入ってからは、学会発表するなら何か必ず特許のネタがあるはずだと言われて出願のノルマを課されたり、他社の特許公報を何件もチェックするように言われたりしました。大した知識も持たないままそれらに対処しなくてはならず、いつも消化不良な感じがありました。

 その後、家族の仕事の都合で岐阜に引っ越すことになったため、転職することになりました。このとき特許事務所を選んだのは、中途半端な知識でしか関わってこなかった特許の世界をもっと深く知りたいと思ったからです。

 

入所後の仕事の内容について

 2008年の入所以来、外国のお客様の日本における特許権利化をお手伝いする業務(いわゆる外内案件)を担当していました。具体的な業務内容は、外国で出願された英語の明細書を日本語へ翻訳すること、日本での拒絶理由通知の内容や対応案を外国のお客様や代理人に伝えることなどです。その後、家庭の事情で一度退職しましたが、数年のブランクを経て2018年に復帰しました。少しでもブランクの穴埋めになればと思い、かつて一度は諦めてしまった弁理士試験に再挑戦した結果、なんとか合格できました。復帰してしばらくは以前と同様、外内案件を主に担当していましたが、弁理士になってからは仕事の幅も徐々に広がってきました。最近では、外内案件に加えて、国内のお客様の明細書の作成や、外国出願(内外出願)も担当しています。

 

仕事のやりがいについて

 外内出願、国内出願、内外出願と仕事の幅が広がってきたことによって、それぞれでの経験を他の仕事に活かせることを実感できるようになったのが、最近の仕事のやりがいにつながっているように思います。

 最近は国内出願のための明細書を書く機会が増えました。明細書作成時には、自分の書いた国内出願の明細書が外国出願のために翻訳される可能性を考慮して、翻訳しやすい文章を書くように心掛けています。具体的には、自分で英語に翻訳できないような日本語は書かない(翻訳後の英文が想定できるような日本語を書く)ようにしています。このとき、外内案件で外国の様々な代理人の作成した明細書を翻訳してきた経験が役に立っていると感じています。

 

入所以来一番つらかったこと

 私は第一子が1歳になったタイミングで当所に転職してきました。しかし、保育園に通い始めた長男は頻繁に熱を出し、出勤しても保育園からの呼び出しでUターン、といったことがたびたび起こりました。仕事を覚えて一日もはやく戦力にならなければという焦りがあった時期だったので、とてもつらかったです。

 現在は在宅勤務という選択肢を選ぶことができるようになったので、仕事の仕方に融通が利くようになりました。我が家ではまだ次男が保育園に通っていますが、必要に応じて在宅で仕事ができるということにとても助けられています。

 

当所における女性活躍について

 特許事務所は、性別に関係なく誰でも活躍できる可能性のある職場だと思います。技術系の職場だと女性が少ない印象があるかもしれませんが、現在所属している部署では、11人中5人が女性です。実務部門であっても、既にたくさんの女性が活躍しているので、他の部署でも女性の実務担当者の割合が増えることを期待しています。当所では、在宅勤務や時間有休など、各人のライフスタイルに合わせて仕事をしやすい環境が年々整ってきています。私自身、仕事と育児との両立に悩む場面はたびたびありますが、このような環境に助けられながら仕事を続けることができています。

 

10-4)国際管理部Uさん

入所以来の仕事/やりがい

 2006年に新卒で入所して以来、内外出願業務にずっと携わっています。

 同じ業務を続けていて飽きはこないのか?と自分自身に問うてみたところ、「新たな業務を覚えたいから、異動を希望してみようかな・・・」と感じる時期もありました。特に、内外出願グループの業務内容を一通り経験し、業務を覚えた頃です。色々な事情が重なり、その後も所属は変わっていませんが、同じ案件は2つとなく、新たな発見に日々出会うことで、飽きることなく続けられています。また、長い年月をかけて培った知識と経験を、後輩たちに受け継いでいくことを楽しく感じています。

 

入所以来の出来事

 入所して3年目に、重大なミスを犯してしまったことがあります。自分の犯したミスの重大さは充分に理解しており、泣きそうになりましたし、「責任を取って辞めた方がいいのではないか・・・」とも思いました。しかし、「その前にやるべきことがある」と即座に切り替えました。

 その時の上司と先輩の対応は、今でも忘れられませんし、思い出すだけで涙が出そうになります。上司は、私のことを一切責めることなく、所内、顧客、現地との対応を全て私の代わりに行ってくださり、先輩は、「あくまで受任時の対応ミスだから」と言って、所内での責任を負い、報告書を作成してくださいました。私がきちんと処理していれば発生しなかったミスにもかかわらず、上司と先輩は嫌な顔ひとつせず、対応に走ってくださったことがとても嬉しく、「この2人にずっと付いていこう。この2人のためなら、どんな仕事も引き受けよう」と心に誓いました。

 現在の私が、当時の先輩や上司のような姿を後輩たちに見せているか分かりません。しかし、少しでもあの姿に近づけるよう、これからも努力したいと思いながら仕事をしています。

 

QCサークル活動

 「どうしたらもっと効率良く処理できるのか?」ということを日頃から考えながら仕事をしているので、QCサークル活動の考え方はすぐに理解できました。入所当時はアナログな作業が多く、書類の雛型も揃っていなかったため、QCサークル活動を通して、様々なシステム化を行ってきました。

 リーダーを経験したことも何度もあります。いちばん最近の活動は、顧客要望をまとめた一覧のExcelから新しいシステムを作り上げる活動で、内外業務の3つのグループ及び経理グループからメンバーを選抜し、1年かけて総勢15名で行いました。情報を古いシステムから新しいシステムへ移す単純作業…と思えるかもしれませんが、実際にはそんなに簡単にはいきません。まず、量が膨大です。170社以上の顧客要望を、各グループの業務に必要な項目だけをそれぞれまとめていました。A4にすると、最大11ページにも及ぶ顧客もいたため、単に移行させるだけでも大変です。また、納品方法などの全グループ共通事項も重複して掲載していたため、1箇所に集約することで更新の手間を減らすことになりましたが、グループや経験年数によって知識量が異なるため、現在28人いる内外グループ員全員が理解できる記載表現を考えることも大変でした。更に、移行漏れが無いかどうかの確認と共に、全要望が最新のものか確認を行い、常にアップデートし続けていけるような仕組みも構築しました。その結果、内外グループにはなくてはならないシステムを完成させることができました。

 活動終了後、多くの方に「大変だったよね。すごく良かったよ」と褒めていただけて、とても嬉しかったですし、頑張って良かったなと思いました。

 また、そのあとにリーダーを経験した後輩から、「あの時もすごいと思っていましたが、実際に自分がリーダーを経験して、リーダーの大変さを実感したし、その上でUさんのすごさをもっと実感しました」と言われました。言葉だけではなく、自分の姿で示すことができ、それを後輩が感じ取ってくれたことをとても嬉しく思います。

 

後輩の育成と子育ての関連について

 入所2年目から後輩のOJTを任されていたので、子供を持つ前から後輩の育成に関わっていました。色んな人に関わったことで、それぞれの個性に合わせて教え方を変えていく必要性を学びました。また、若手との年齢差も開いてきたため、世代間の考え方の違いも考慮した上で、どのように接していく方が良いのか…と考えるようになりました。

 育休から戻ってきて最初に感じたのは、「言葉が通じるってなんて楽なんだろう!」でした。当時の娘はまだ、言葉というツールを持っていなかったので、観察することでしか求めていることを理解することができませんでした。普段から後輩たちの様子に目を向けるようにしていたので、娘のことをよく見て、何が好きなのかな?どうして欲しいのかな?と考えることを楽しんで行えました。ただ、やはり言葉で伝えることの重要性を改めて実感し、後輩たちの様子を観察するだけでなく、対話の時間を持つことも大切だと感じています。特に最近は在宅勤務を行っている人もいるため、コミュニケーション不足にならないよう意識的に声をかけていく必要性があると考えています。