商標審決レポート(D-UV SHIELD)|知財レポート/判例研究|弁理士法人オンダ国際特許事務所

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商標審決レポート(D-UV SHIELD)

拒絶査定不服審判 – 最終的に特許庁が識別力を認めた事例(D-UV SHIELD)

2025年12月12日
弁理士 鈴木和弘

審判番号

不服2025-003828(商願第2024-007336号)

事案の概要

– 出願商標「D-UV SHIELD」(標準文字)は、「D」の文字と「UV」の文字をハイフンで結合した前半部分と、「SHIELD」の文字の後半部分とから構成される。

– 前半部分の「D-UV」の文字は「遠紫外線(deep ultraviolet)」の意味を有する略語である「DUV」の文字を容易に認識させるものである。

– 後半部分の「SHIELD」の文字は「盾、保護物、防御物、遮蔽物」を意味する。

– 本願の指定商品を取り扱う業界では、紫外線から肌を保護するような商品について「UVシールド」と称し、普通に取引されている実情がある。

との認定に基づいて、「D-UV SHIELD」はこれに接する需要者に「遠紫外線から(肌を)保護する商品」であること、すなわち、単に商品の品質等を普通に用いられる方法で表示したものとして認識されるにすぎない、従って識別力がないとして、審査官は出願商標の登録を拒絶しました。

 拒絶査定不服審判にて、審査官の認定を審判官は覆しました。

審決日

2025年9月24日

出願人

富士フイルム株式会社

出願商標

商願第2024-007336号
D-UV SHIELD
(標準文字)

指定役務 第3類:紫外線防止効果のある化粧品,紫外線防止効果のあるせっけん類,紫外線防止効果のある香料
審決の概要

 出願商標「D-UV SHIELD」(標準文字)は、日本の辞書等に掲載のない造語である。

 本願商標構成中の「D-UV」の文字が、「遠紫外線(光)」や「深紫外線(光)」の意味を有する略語である「DUV(deep ultraviolet)」を理解、認識させる場合があるとしても、「DUV」(遠紫外線(光)、深紫外線(光))は、主として、高密度光情報記録、細菌やウィルスの殺菌、飲料水・空気の浄化等の分野で使用されるものであって、本願の指定商品を取り扱う分野において、商品の品質等を表示するものとして取引上一般に使用されている事実は発見できなかった。

 以上より、本願商標「D-UV SHIELD」は、指定商品「紫外線防止効果のある化粧品,紫外線防止効果のあるせっけん類,紫外線防止効果のある香料」との関係において、商標法第3条第1項第3号に規定の商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえないものであると判断する。

コメント

 「遠紫外線」の意味を有する略語である「DUV(deep ultraviolet)」は、主に、殺菌や除菌の目的で使用され、半導体製造、医療等の分野で用いられる語であって、なおかつ、太陽光から発せられる遠紫外線は地球上には到達しないものであることから、本願指定商品である化粧品等との関係において、「遠紫外線から肌を守る商品」とはいかなる商品であるのか不明確であるため、本願商標は、商標全体として特定の意味合いを生じない一種の造語と判断されてしかるべき、との旨の審判請求書での主張が奏功した結果、原審の認定は誤りであるとして審決において出願人の請求が認容されました。