商標審決レポート(UNIPROとUNIQLO)|知財レポート/判例研究|弁理士法人オンダ国際特許事務所

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商標審決レポート(UNIPROとUNIQLO)

UNIPROとUNIQLOのロゴからなる商標が非類似で出所の混同を生じさせるおそれはないと判断された事案

2026年1月8日
弁理士 木村達矢

審判番号 異議2023-900278
事案の概要 UNIPROとUNIQLOのロゴからなる商標が非類似で出所の混同を生じさせるおそれはないと判断された事案
審決/判決 決定
決定日 2024年11月14日
請求人 株式会社ファーストリテイリング
商標

本件商標
商標審決レポート(UNIPROとUNIQLO) | 2026年
登録第6746724号

引用商標
商標審決レポート(UNIPROとUNIQLO) | 2026年
登録第5548834号

指定商品 第28類「ペット用おもちゃ,運動用具」
審決の内容

商標法第4条第1項第15号該当性

(1)申立人商標の周知性について

申立人等は、ユニクロの店舗を我が国及び外国において、多数展開していること、上記店舗の外観及びユニクロの店舗で販売される衣料品等の商品の製品タグに使用商標が表示されていること、ユニクロの2013年ないし2022年の売上高は高額といえること、SNSのフォロワー数及びYouTubeのチャンネル登録者数は、本件商標の設定登録後の令和5年12月時点ではあるものの、相当数に上り、本件商標の登録出願時及び登録査定時においても多数のフォロワー及びチャンネル登録者がいたものと推認できること、及び日本のブランドランキングで6位ないし8位であることからすれば、使用商標は、申立人等の衣料品について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認められるものである。

(2)本件商標と引用商標の類否

本件商標と引用商標は、いずれも四角の中に白抜き文字を表してなるものであって、上段の「UNI」及び下段の「O」の文字を共通にするとしても、下段の「PR」と「QL」の文字の差異を有するところ、両商標は、いずれも6文字という比較的少ない文字構成において、上記の文字の差異により、構成全体として異なる語を表示した印象を与えるというのが相当であって、外観において区別できるものである。

次に、本件商標から生じる「ユニプロ」の称呼と引用商標から生じる「ユニクロ」の称呼を比較すると、両者は第3音において「プ」と「ク」の音の差異を有し、この差異が共に4音という短い音構成からなる両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は少なくなく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、互いに聞き誤るおそれはないものと判断するのが相当である。

さらに、観念においては、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することができないものである。

そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。

(3)混同を生じさせるおそれ

使用商標は、申立人等の衣料品について使用する商標として、我が国の需要者の間に広く認識されていると認められるものである。

しかしながら、本件商標は引用商標とは非類似の商標であって、類似性の程度が低いものである。

そうすると、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品との関連性の程度、需要者の共通性の程度などを併せ考慮しても、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用した場合、取引者、需要者をして使用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人等)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生じるおそれはないものというべきである。

コメント 本件商標は申立人商標に依拠して作成されていると思われる。しかし、両商標の文字部分には「PR」と「QL」の文字の差異があり、(3点観察からは)類似とするのは困難であろう。としても、申立人商標は著名であり、本件商標はこれを容易に連想又は想起させるようにも思われる。そうとすれば、(指定商品を考慮しても)広義の混同を生じるおそれを肯定する余地もあるのではないだろうか。