商標審決レポート(PASTEL MASK)|知財レポート/判例研究|弁理士法人オンダ国際特許事務所

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商標審決レポート(PASTEL MASK)

商標「PASTEL MASK」は、指定商品「衛生マスク」との関係において、特定の意味合いを直接的に表示したものとして直ちに理解されるとはいい難いとして、登録すべきとされた事案

2022年6月30日
弁理士 八代則子

審判番号

不服2021-009956 (商願2020-066498)

事案の概要 本願商標「PASTEL MASK」は、指定商品である第5類「衛生マスク」との関係において、特定の意味合いを直接的に表示したものとして直ちに理解されるとはいい難く、むしろ、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識し、把握されるとみるのが相当であるとして、登録すべきとされた事案
審決/判決 審決
審決日 2022年5月24日
出願人

クロスプラス株式会社

商標

PASTEL MASK (標準文字)

指定商品・役務

第5類 衛生マスク

審決の内容

本願商標は、「PASTEL MASK」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「PASTEL」の文字は「パステル(クレヨンの一種)、パステル画」等の意味を、「MASK」の文字は「仮面、覆面、(手術・防護用の)マスク」等の意味をそれぞれ有する英語であり、我が国の一般的な国語辞典においても、これらの文字は、「パステル【pastel】」の見出しの下、「洋画に用いる乾性絵具。」の意味を、また「マスク【mask】」の見出しの下、「面。仮面。病菌・埃などを防ぐために鼻・口を覆うもの。」等の意味をそれぞれ有する語として掲載されており、いずれも一般に親しまれた語である。そして、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品を取り扱う業界において、「PASTEL MASK」の文字がパステルカラーの衛生マスクを指称する、あるいは、「PASTEL」の文字がパステルカラーを指称する等、商品の具体的な品質等を直接的に表示するものとして一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
そうすると、両語を結合してなる「PASTEL MASK」の文字は、本願の指定商品である第5類「衛生マスク」との関係において、特定の意味合いを直接的に表示したものとして直ちに理解されるとはいい難く、むしろ、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識し、把握されるとみるのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

コメント

出願人は、拒絶理由通知書に対する意見書において、色彩がある商品において、「PASTEL」又は「パステル」の語に関連して自他商品の識別力を認められた例として、以下を挙げている。

-「靴類」等(第25類)について「PASTEL\パステル」(登録598448号)

-「石材」(第19類)について「パステルストーン」(登録5702765号)