商標審決レポート(Exosome Bank)
商標「Exosome Bank」をその指定商品に使用しても、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであるとして登録すべきとされた事案
2026年9月30日
弁理士 八代則子
| 審判番号 | 不服2026-002082(商願2025-005931) |
|---|---|
| 審決/判決 | 審決 |
| 審決日 | 2026年8月14日 |
| 出願人 | 抗菌化研株式会社 |
| 商標 | Exosome Bank |
| 指定商品等 | 第1類 化学品,等 第3類 化粧品,等 |
| 審決の内容 |
本願商標は、「Exosome Bank」の文字を一列に横書きしてなるところ、該文字は一般的な辞書類に掲載されている成語ではなく、また、「生体内で細胞外に放出される直径約30~100ナノメートル程度の超小型の膜小胞」を意味する「エクソソーム」の語の英語表記である「Exosome」の文字と、「銀行」などを意味する英語である「Bank」の文字とを結合したものであると理解され得るとしても、これらを結合した本願商標の構成全体より特定の意味合いが認識されるとまではいえないものである。 また、当審における職権による調査では、本願の指定商品を取り扱う分野において、「Exosome Bank」の文字や、その読みを片仮名で表した「エクソソームバンク」の文字が、商品の品質等を表すためのものとして、一般に使用されているとはいえず、本願商標に接する取引者、需要者が、それを商品の品質等を表示したものとして認識するというべき事実を発見することはできなかった。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 |
| コメント | 出願人は、『本願商標から仮に想起される「エクソソームを必要に備えて蓄えておく機関」なる意味合いは、社会的組織としての「機関」を示すものであって、本願の指定商品である「化学品」や「化粧品」の化学的な品質や機能、美容のための効能等を直接的に表示するものではなく、むしろ、本願商標は、まるで銀行のようにエクソソームが豊富に含まれていることを比喩的に表現したものであって、そのような「化学品」「化粧品」を需要者に暗示させるべく、出願人によって独自に採択されたものである』等の反論をしている。 |