商標審決レポート(THEマイクロニードル)|判例研究/レポート|特許業務法人オンダ国際特許事務所

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商標審決レポート(THEマイクロニードル)

2021年10月28日
弁理士 八代則子

審判番号 不服2021-003287 (商願2019-091804)
事案の概要 本願商標「THEマイクロニードル」は、これを指定商品に使用しても,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものということはできないとして登録すべきとされた事案
審決/判決 審決
審決日 2021年9月28日
出願人

横山製薬株式会社

商標 THEマイクロニードル
指定商品

第3類 マイクロニードル技術を利用したシート状の化粧品,マイクロニードル技術を利用した化粧品

審決の内容

本願商標は,「THEマイクロニードル」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成文字は,すべて同じ大きさ,等間隔をもって表してなるものであるから,視覚上,全体としてまとまりよく一体的に看取されるものであり,また,その構成全体から生じる「ザマイクロニードル」の称呼も,格別冗長ではなく,無理なく一連に称呼し得るものである。

そして,本願商標の構成中「THE」の文字は,英語の定冠詞であり,「マイクロニードル」の文字は,本願の指定商品を取り扱う業界において,「マイクロサイズ(1000分の1ミリメートル)のニードル(針,突起)。また,それを肌に直接貼り付けて薬剤を注入する方法」を意味する語として認識される場合があるとしても,これらを結合した上記構成においては,これに接する取引者,需要者は,その構成全体で特定の意味合いを想起させることのない一体不可分の造語として認識し,把握するとみるのが相当である。

また,当審において,職権をもって調査するも,本願の指定商品を取り扱う業界において,「THEマイクロニードル」の文字が,商品の具体的な品質等を表示するものとして,取引上普通に使用されている事実は発見できず,さらに,本願商標に接する取引者,需要者が,当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。

してみれば,本願商標は,これを補正後の指定商品に使用しても,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものということはできない。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するとはいえないから,これを理由として本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

コメント

「THE○○」(○○は各指定商品又は役務の普通名称又は記述的名称と思しき語)の構成を採る商標であっても、識別力が認められている例が多数見受けられるとして、出願人は、以下の登録例を挙げている。

i)「THE ALOE」(登録第5988525号)
指定商品:第3類 アロエを含有する化粧品ほか

ii)「THE HERBS」(登録第5885096号)
指定商品:第3類 最適の組み合わせとして選択された数種のハーブから抽出したエキスを含む化粧品ほか

iii)「THE SKIN」(登録第6003357号)
指定商品:第3類 化粧品ほか

iv)「THEシャワー」(登録第5805597号)(不服2015-3580)
指定商品:第11類 座椅子付き全身用シャワー器具

v)「THEプライマー」(登録第5807373号)
指定商品:第2類 下塗り塗料

vi)「The信託」(登録第5862841号)
指定役務:第36類 金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定着物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受けほか

vii)「theVR」(登録第6043778号)
指定商品:第9類 アプリケーションソフトウェアほか
 ※「VR」…バーチャルリアリティの略語

viii)「The house」(登録第5385665号)
指定役務:第36類 建物の売買ほか

ix)「the room」(登録第5447732号)
指定役務:第36類 建物の貸与ほか

x)「THE MLP」(登録第5787130号)(不服2015-2591)
指定役務:第36類 金融又は財務に関する情報の提供ほか
 ※「MLP」…米国で行われている共同投資事業形態「マスター・リミテッド・パートナーシップ」の略語