1. HOME
  2. サービスのご案内
  3. 意匠
  4. 欧州共同体意匠について
欧州共同体意匠について

欧州共同体意匠について

H15.4.17(H22.6.17改訂)

REGISTERED DESIGNについて

1. 意匠の定義

製品またはその構成部品の線、輪郭、色彩、形状、模様の構成(texture)、素材又は装飾等を含む外観の特徴。
なお、意匠の対象となるのは、従来の工業製品に限らず、手芸品、衣料品、織物、漫画の人物、グラフィックシンボル、ロゴ、図案、コンピュータのアイコンも対象となります。

上記定義のうち、「構成部品」については、通常の使用状態において外から見えない状態にある構成部品の形状は対象外となります。「通常の使用」には、メンテナンスや修理は含まれませんので、外から見えないスペアパーツは対象外となります。ただし、取り付け、取り外しが可能なモジュールシステムの部品は例外として認められます。

また、機能性を有するデザインの外観も登録の対象となりますが、単に技術的制限から必然的にデザインが決まるデザインは登録の対象とはなりません。これらの定義は、国によって、これまでに定められていた各国法の定義よりも広い場合があります。

2. 権利期間

出願日から5年。
5年毎に更新することにより、最大、出願日から25年まで延長可能です。

3.優先権主張

パリ条約加盟国及びWTO加盟国間における優先権主張は、第1国の出願日より6ヶ月以内に行う必要があります。
また、国際博覧会における展示に対して、開示された日から6ヶ月以内に優先権を主張して出願を行うことができます。この場合には、証明書が必要となります。

4.新規性喪失の例外

新規性喪失の例外規定があります。
出願人もしくはその承継者、または出願人またはその承継者より得た情報に基づく第三者による開示から12ヶ月以内に意匠出願を行えば、新規性を喪失することはありません。

5.多意匠出願

多意匠一出願が可能です。
意匠分類(ロカルノ分類)が同一であることを条件に、複数の意匠を一出願に含めることができます。
2件目以降の意匠の費用は、1件目の半額分加算されます。また、意匠権は各意匠毎に分割して行使することができます。
なお、一出願に含める意匠の数に制限はありません。

6.出願要件

REGISTERED DESIGNの出願は、2003年4月1日より可能となります。
管轄官庁は、スペインのアリカンテにあるOHIMです。OHIMは、これまで共同体商標の管理を行ってきました。
なお、出願はOHIMへの直接出願及びEU域内の各国特許庁への出願の2方法があります。
※OHIMとは、Office of Harmonization in the Internal Marketの略です。正式には、域内市場調和局ですが、日本特許庁は「欧州共同体商標意匠庁」として表示をしています。

出願要件は次のとおりです。

願書 a)創作者情報
b)出願人情報:氏名(名称)、住所
<法人の場合>どの国の法に準拠して設立されたか
※代理人によっては法人格が必要との情報あり
<個人の場合>国籍
c)優先権情報(出願日、出願国、出願番号)
意匠分類の明記 意匠分類はロカルノ分類を使用します。
意匠の簡単な説明書 100words以内。理解を助けるためのものであり、権利範囲とはしません。
意匠の表現物 (通常は図面or写真) 各図のサイズは高さ8cm×幅16cm〜高さ26.2cm×幅17cmとし、左端に2.5cmの余白が必要で、最大7図(6面図及び斜視図)を提出できます。
※2次元的な意匠の場合は見本でもよい。見本を提出する場合は、出願用にオリジナルの見本が5つ(代理人用を含めると6つ)必要となります。見本は、26.2cm×17cm以内、厚さ3mm以内、重量50g以内とします。
なお、公告前(出願日又は優先権を主張している場合は優先日から27ヶ月以内)に図面又は写真を提出する必要があります。
優先権証明書 優先権主張をしている場合のみ。提出期限は出願日から3ヶ月以内。
※基礎出願の言語がOHIMの認める手続言語でない場合、OHIMにより優先権証明書翻訳文の提出が求められることがあります。

※EU域外の出願人については、域内の有資格弁理士を指定しなければなりません。

7.出願の言語

出願の言語は、欧州連合11公用語のうちの1つを第1言語とし、OHIMが認める5つの言語(英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語)のうちの1つを第2言語として指定する必要があります。

8.審査について

1.方式審査と大変限定された実体審査のみで登録となります。(実質的には方式審査のみといえます。)
具体的には、出願要件を満たしているか、条文に明記された意匠の規定を満たしているか、公序良俗に反していないか、についてのみの審査となり、新規性があるか、独自の特徴を備えているか、については登録後に争われることになります。
なお、OHIMとしては、出願から3ヶ月以内の登録を目指しています。

2.登録後、意匠公報にて公告されます。なお、公告は、出願時に申請することにより、出願日から(優先権主張をしている場合は優先日から)最大30ヶ月まで延長することができます(費用要)。これにより、実際の物品を市場に出すまで、秘密を保持することができます。
意匠登録の有効性については、登録後に争うこととなります。

9.意匠権について(無効手続、譲渡、ライセンス、侵害等)

1.無効宣言の申請

意匠権確立後、OHIMに対して無効申請をすることができます。
当事者としての意匠権者は、その審理に参加することができます。
審理の決定に不服な場合には、OHIM内の審判部、その後、第一欧州裁判所、 最終的には欧州最高裁判所に控訴することができます。

2.意匠権の譲渡と実施許諾

意匠権の単一性により、国別に権利を譲渡することはできません。
同じく、登録、放棄、無効の決定は域内全土に及びます。
ただし、実施許諾については、契約により国別に分割して許諾することができます。
なお、実施許諾については、OHIMに登録する必要があります。

3.意匠権及び侵害の定義

欧州共同体意匠権とは、権限を有しない者がEU域内において、
当該意匠を組み込む製品を製造、供給、輸入、輸出、使用またはそれ以外の方法で取引することを妨げる独占権のことです。 従って、これらの行為を行った場合には、侵害とみなされます。

4.侵害訴訟

侵害訴訟は、共同体意匠裁判所において審理されます。
その管轄はEU域内全土に及びます。裁判所は、権利侵害が発生した 国で与えられる損害賠償金又は補償金等のあらゆる救済手段とともに、 侵害製品及びそれを製造するのに使用された材料の差し押さえを命令 することができます。

10.庁料金比較(各国意匠出願と共同体意匠出願)

a) 1意匠の場合

  国別に4カ国出願した場合 共同体意匠出願をした場合
ドイツ EUR 70 EUR 350
フランス EUR 170
イギリス EUR 60
イタリア EUR 310
合計 EUR 610 EUR 350

b) 多意匠の場合(1出願に10意匠を含めた場合)

  国別に4カ国出願した場合 共同体意匠出願をした場合
ドイツ EUR 70 EUR 1,925
フランス EUR 1,358
イギリス EUR 600
イタリア EUR 362
合計 EUR 2,390 EUR 1,925

※フランスは、一図ごとに加算されます。上記金額は1デザインにつき6図として算出しました。

国別に出願を行った場合、上記出願庁料金に加え、各国代理人の費用や各国ごとの年金納付等、費用が共同体意匠に比べて多くなることが予想されます。

11.商標の意匠による保護

2次元的・3次元的商標を意匠にて保護を求めることができます。例えば、会社のロゴを入れた物品の3次元的な形状、パッケージや2次元的なパッケージ、装丁等です。意匠は、商標による保護の補足的な役割を果たすことができます。

<利点>

a)商標は侵害の条件として、公衆が類似の商標により混乱をきたすかどうかが問題となるが、意匠においては同一の意匠かどうかが問題であり、公衆が混乱をきたすかどうかは問題となりません。

b)商標は特定の物品やサービスに対して分類ごとに登録されるものであり、現在、45分類が存在します。一方、意匠は出願時にロカルノ分類を記載するが、実際の権利行使の際には分類は関係なく、物品自体が保護されるので、コスト面で有利です。

c)意匠については登録前の公告がないため、商標よりも早く登録となります。

前のページへ戻る

お問い合わせフォーム

特許事務所をご経営の方へ

メールマガジン

パテントメディア

営業日カレンダー