商標審決レポート(Quick Warmer)|知財レポート/判例研究|弁理士法人オンダ国際特許事務所

商標審決レポート(Quick Warmer)|知財レポート/判例研究|弁理士法人オンダ国際特許事務所

アクセス

商標審決レポート(Quick Warmer)

「Quick Warmer」は指定商品「乳幼児用おしり拭きをあたためる装置」との関係において、商品の品質等を表示するものということはできないとして登録すべきとされた事案

2021年8月31日
弁理士 八代則子

審判番号 不服2020-015146 (商願2019-089335)
事案の概要 「Quick Warmer」は、その指定商品との関係において、商品の品質等を表示するものということはできないとして登録すべきとされた事案
審決/判決 審決
審決日 2021年7月19日
出願人 コンビ株式会社
商標 商標審決レポート(Quick Warmer) | 2021年
指定商品

第11類 乳幼児用おしり拭きをあたためる装置

審決の内容 本願商標は、「Quick Warmer」の文字をややレタリングした文字で横書きしてなるところ、その構成中の「Quick」の文字が「素早い」等の意味を、「Warmer」の文字が「温める人[もの]」の意味を有する語であるとしても、これらを結合してなる「Quick Warmer」の文字が、本願の指定商品との関係において、商品の品質を直接的に表示したものとして直ちに理解されるとはいい難く、むしろ、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識し、把握されるとみるのが相当である。
そして、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品を取り扱う業界において、「Quick Warmer」の文字が、商品の具体的な品質等を直接的に表示するものとして一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
そうすると、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものであるか否かについて検討するまでもなく、その指定商品との関係において、商品の品質等を表示するものということはできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
コメント

出願人は、本願商標は、商標法第3条第1項第3号(商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標)には該当せず、また仮に同号に該当するとしても、1999年に発売を開始して現在に至るまで20年の長期にわたって日本全国で継続的に製造、販売してきた結果、取引者、需要者が出願人の業務に係る商品であることを認識することができる状態に至っていることから、同条第2項(使用による識別性)の適用により、商標登録が認められるべきと主張したが、審決において、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものであるか否かについて検討するまでもなく、その指定商品との関係において、商品の品質等を表示するものということはできないとされた。