中国実用新案出願の現状とその活用について|判例研究/レポート|特許業務法人オンダ国際特許事務所

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中国実用新案出願の現状とその活用について

2016年8月17日
特許業務法人オンダ国際特許事務所 国際事業部

1.実用新案出願の現状
(1)出願受理件数の推移

実用新案の出願受理件数は、特許出願と同様年々増加傾向にあります。また、中国において、実用新案の出願受理件数と特許の出願受理件数はほぼ同じです。

中国実用新案出願の現状とその活用について | 2016年

(URL:http://www.sipo.gov.cn/tjxx/

 

(2)出願受理件数に対する国外からの出願の割合

特許出願においては全体に占める国外からの出願の割合が10%を超えるのに対し、実用新案出願においては全体に占める国外からの出願の割合が1%にも達しません。

中国実用新案出願の現状とその活用について | 2016年

(URL:http://www.sipo.gov.cn/tjxx/

2.実用新案の特徴

利点:権利付与までの期間が短く、権利付与されやすく、費用も安価

中国においては、特許出願の場合、出願日(優先日)から18ヶ月後に公開され、実体審査を経てから権利付与の段階に入ります。一方、実用新案の場合は実体審査が行なわれないため、方式審査の後、直ちに権利付与の段階に入ります。よって、実用新案は、特許に比べ、権利付与までの期間が短く(※)、権利付与されやすいとみなされます。
また、実用新案出願の出願費用と登録料(維持年金)は比較的安価です。実用新案においては、拒絶理由通知書への応答費用が不要なため、出願から権利付与までに要する費用が、特許に比べて総じて低くなります。
さらに、実用新案権の権利行使には、日本で要求されるような技術評価書のようなものは不要であり、権利付与後には権利行使が可能となります。
※ 中国における実用新案の審査期間は約4ヶ月であり、特許の審査期間(実体審査の開始後)は約22ヶ月です。

不利な点:権利の存続期間が短く、製品のみ保護される

特許権の存続期間が出願日から20年であるのに対し、実用新案権の存続期間は出願日から10年です。また、特許が製品及び方法を保護可能なのに対し、実用新案では製品のみ保護されます。

権利行使は活発に行なわれている

特許審判委員会が2014年に受理した特許に係る無効審判請求は747件であり、実用新案登録に係る無効審判請求は1525件でした。無効審判が権利行使と繋がっていることを考慮すると、中国において、実用新案の権利行使は活発に行なわれているといえます。

3.結び(実用新案の積極的活用について)

中国において、実用新案は各国の出願人にとって、より積極的に利用する価値があるといえます。実用新案を有効に活用する手段の一つとして、同一発明に対して特許及び実用新案の両方を出願することが挙げられます。すなわち、実用新案権によって早期に権利行使をすることができ、後で取得する特許権によって長期(特許存続期間の20年)にわたって発明を独占することができます。

以上