【判例研究】平成24年(行ケ)第10048号 審決取消請求事件|判例研究/レポート|弁理士法人オンダ国際特許事務所

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【判例研究】平成24年(行ケ)第10048号 審決取消請求事件

2014年8月8日掲載
弁理士 濱名 哲也

1 今回の事例

無効審決に対する審決取消訴訟において訴えが棄却された事案。

2 事件の概要

原告 サンヨー食品株式会社
被告 日清食品ホールディングス株式会社

(1)原告の請求の内容

特許庁が無効2011-800111号事件についてした審決を取り消す。

(2)基礎となる事実

<原告>
原告は、特許第4693913号(「発明の名称:即席乾燥麺およびその製造方法」)の特許権者である。
<被告>
被告は、特許庁に対し,本件特許を無効とすることを求めて審判の請求(無効2011-800111号事件)をした者である。

(3)経緯
平成21年3月6日 出願
平成22年7月16日 拒絶理由通知
平成22年9月8日 意見書及び手続補正書の提出
平成22年10月8日 拒絶理由通知
平成22年12月16日 意見書及び手続補正書の提出
平成23年3月4日 特許権の設定登録
平成23年6月29日 無効審判の請求
平成23年12月28日 審決
平成25年1月30日 判決
(4)証拠方法(一部)

甲第1号証:特開昭59-63152号公報
甲第2号証:特開2002-253152号公報

(5)進歩性判断の経緯等

・補正後の請求項1について、審査、無効審判、及び審決取消訴訟のいずれの場合も、同一の引用文献に基づいて進歩性が判断された。
・審査、無効審判、及び訴訟において組み合わせが容易であると認定された。
・審査においては、顕著な効果が認められて特許となった。
・無効審判においては、請求人から提出された追試結果によりその顕著な効果が否定され、無効となった。訴訟でも、概ね審決の内容が肯定された(理由は若干異なる。)。

3 特許請求の範囲の記載
3-1.特許請求の範囲

[請求項1]
主原料に対し固形状の油脂および/又は乳化剤を含有する麺原料により作成したドウを、押し出し成形機を用いて、減圧下において圧力を加え小塊又は板状となした後に製麺された麺線をα化し、次いで当該麺線を熱風により乾燥させることを特徴とする即席乾燥麺の製造方法。

3-2.説明

請求項1は以下の工程を含む。
(1)主原料に対し固形状の油脂および/又は乳化剤を含有する麺原料によりドウ(生地)を作成する。
(2)押し出し成形機を用いて、減圧下において圧力を加え小塊又は板状となす。
(3)製麺する。
(4)麺線をα化(糊化:蒸す)する。
(5)麺線を熱風により乾燥させる。

3-3.作用

・本発明者は、鋭意研究の結果、真空麺帯機使用時に、原料の一部に粉末粒状油脂または粉末粒状乳化剤を添加することで、麺線内部に複数の空洞が得られることを見出した。(段落[0011])
・真空麺帯機を使用し、且つ麺原料に粉末粒状油脂または粉末粒状乳化剤を添加することで、α化工程において、麺線内部の粉末粒状油脂または粉末粒状乳化剤が溶けることにより麺線内部及び麺線表面に微細な穴を空けることが出来るが、この際、真空麺帯機独特な緻密な構造は壊さずに、麺線の密度をコントロールし乾燥することが可能となると推定される。(段落[0016])

3-4.効果

(効果1)
・「真空麺帯機独特な緻密な構造は壊さずに、麺線の密度コントロールが可能」であるため、湯戻し時に熱湯が麺線内部にすみやかに浸透することが出来、これにより、従来の麺の問題点であった、「湯戻りの悪さ」、「麺線のコシの強すぎ」を真空麺帯機の特徴を殺さずに解決することが可能となったと推定される。(段落[0017])
・真空麺帯機の特徴を最大限に引き出すことができ、しかも、「生麺のような粘弾性を有する食感」、「生麺のようなみずみずしさ」を得ることが出来るとともに、真空麺帯機独特な緻密な構造は壊していないために、通常製麺に比べ、麺線表面のべたつきが少なく、粉末粒状油脂または粉末粒状乳化剤の元々の離型効果との相乗効果により「麺線のほぐれ」を飛躍的に向上させることができる麺線を得ることが可能性となったと推定される。(段落[0018])

(効果2)
「条件4が明らかに麺線のほぐれが良いことが理解できよう。真空麺帯機と粉末粒状油脂又は粉末粒状乳化剤の相乗効果が、麺線のほぐれ効果においても優れていることが理解できよう。」(段落[0085])

(4種類の条件)
(1)真空麺帯機 不使用 及び 粉末油脂 無添加(最終水分10%前後)
(2)真空麺帯機 不使用 及び 粉末油脂  添加(最終水分10%前後)
(3)真空麺帯機  使用 及び 粉末油脂 無添加(最終水分10%前後)
(4)真空麺帯機  使用 及び 粉末油脂  添加(最終水分10%前後)
(段落[0083])

【判例研究】平成24年(行ケ)第10048号 審決取消請求事件 | 2014年

(備考)条件①を基準として、条件②、③、④によれば、それぞれ、ほぐれ時間は、0.36倍、0.2倍、0.03倍になっている。相加効果を単純に効果の積で示されると仮定すると、相加効果は「0.072倍」になる。条件④による結果は相加効果として見積もられる値よりも小さい値(0.03倍)であるから、条件④によれば相乗効果があるといえる。

4 本件発明と引用発明との対比
4-1.本件発明と甲1発明との相違点

[共通点]
主原料に対し固形状の油脂および/又は乳化剤を含有する麺原料によりドウを作成し,そのドウを用いて製麺し,麺線とする点
(判決文より)
[相違点]
ドウを用いて製麺し,麺線とする際に,
本件発明1では,ドウを,「押し出し成形機を用いて,減圧下において圧力を加え小塊又は板状となした後に」製麺し,麺線とするのに対して,
甲1発明では,ドウを,常法により製麺し,麺線とする点で相違するということができる。
下線は、著者(以下、抜粋部分について同じ)。

4-2.甲2発明

甲2には,麺生地を麺線に製麺し,蒸煮し,熱風により予備乾燥し,高温熱風により本乾燥する即席麺の製造方法において,原料として小麦粉等を用い,必要により副原料を添加したものを混捏した生地を,押し出し成形機において減圧下で押圧力を加えることにより,脱気して生地の密度を高くし,小塊又は板状体とし,これを麺線に製麺することが記載されている(甲2の特許請求の範囲,[0018],[0020],[0021])。(判決文より)

5 審判合議体の判断
5-1.組み合わせ容易性

甲1発明において、「混合し、充分に練りあげて常法により製めんし、得られた製めん生地を切刃等でめん線」とする工程として、麺の組織がしっかり形成されたものとするとともに、麺線とする前に麺生地内に存在する空気を麺の組織を破壊しない程度まで脱気して、麺本来の弾力性を保った麺とする目的から、その「混合し、充分に練りあげ」る工程の具体的手段として、甲第2号証の上記第5(2d)に、より効果的な方法として記載されている「作製した生地を減圧下又は常圧下において押圧力を加えて脱気することにより、生地の密度を高くして、小塊又は板状体とする」工程、すなわち、「混捏した生地をエクストルーダ又は押し出し成形機において、減圧下又は常圧下において押圧力を加えてチップ状に押し出して小塊を形成するか、或いは板状体に押し出したものをロールで圧延し麺帯とし、切刃により麺線に切り出」す工程を採用することは当業者が容易に想到し得たことである。
その際に、脱気を減圧下で行う方が常圧下で行うより生地の密度が高いものがより確実に得られることは当業者に自明であるから、減圧下において押圧力を加えてチップ状に押し出して小塊を形成するか、或いは板状体に押し出す工程を採用することは当業者が容易になし得たことである。(審決より)

5-2.効果について

(真空麺帯機と粉末粒状油脂又は粉末粒状乳化剤の組合せによって「麺線のほぐれ」が飛躍的に向上することについて)

甲第1号証には、上記第5(1f)に「乳化剤の添加量が0.2%未満だとほぐれの効果が少なく、・・・油脂の場合、0.2%未満だと乳化剤と同様である」とあり、また、上記第5(1j)の実施例2と比較例Bとの結果を比較すると、麺のほぐれ具合が、「5・・・非常によい」に対し、「2・・・やや悪い」と悪くなったことが示されており、常温で固型状をなしている食品用乳化剤および/または常温で固型状をなしている食品用油脂類を添加することで、麺のほぐれ効果が向上することが示されている。
また、甲第2号証の上記第5(2c)に、従来技術について「真空ミキサを使用することにより、減圧条件下で生地を調整する工程」と「親水性乳化剤溶液を付着させ、低温熱風乾燥を行う方法」とを有する乾燥即席麺の製造方法が、「喫食時のほぐれ性は改善されている」旨記載されているように、減圧条件下で生地を得る方法を採用するとほぐれ性が向上することは、本出願前から知られていたことである(特開平5-91845号公報、段落[0023]、特開平6-64号公報、段落[0026]、特開平6-169713号公報、段落[0012]、特開平6-292528号公報、段落[0020]、及び特開平7-8194号公報、段落[0016]参照)。
よって、本件発明1のほぐれ性に関する効果も、当業者が予測し得たことである。(審決より)

5-3.組み合わせることの動機付け

甲1発明において、混捏工程として、麺の組織がしっかり形成されたものとするとともに、麺線とする前に麺生地内に存在する空気を麺の組織を破壊しない程度まで脱気して、麺本来の弾力性を保った麺とする目的から、その混捏工程の具体的手段として、甲第2号証により効果的な方法として記載されている工程を採用することは当業者が容易に想到し得たことである。(審決一部の要約)

5-4.顕著な効果について

なお、被請求人は、本件発明1のほぐれ効果が格別なものである旨特に主張しているので、その点について補足して検討する。
本願明細書の段落[0079]~[0085]に試験例2としてほぐれ効果に関する試験を行ったことが示されている(以下省略)。
そして、請求人はこの点に関し、上記第5 6の実験成績証明書を提出し、前記試験例2にできる限り即した追試を行ったところ異なる結果が得られたことが示されている。
これらの試験結果から、本件発明1の条件で得られた乾燥麺のほぐれ効果が優れたものとなる場合もあることが理解できるとともに、異なる結果が得られる場合もあることが理解できる。
そうしてみると、油脂そのものから予測される離型効果と真空麺帯機を使用した場合に予測されるほぐれ性の向上効果と比べて、本件発明1が予測もし得ない格別な効果を奏したものということもできない。

6 裁判所の判断
6-1.組み合わせ容易性

脱気して生地の密度を高くして製麺し麺線とすることが技術常識であることからすると,甲1発明において,甲2の記載事項を適用して,甲1発明におけるドウを,押し出し成形機において減圧下で押圧力を加え,小塊又は板状体とし,これを製麺し,麺線とすることに,何ら困難性は認められず,当業者が通常の創意工夫の範囲内で容易になし得ることにすぎないというべきである。(判決文より)

6-2.効果について

本件明細書には,本件発明1の効果として,真空麺帯機の特徴である麺の粘弾性,透明感,重み等を維持しつつ,真空麺帯機を使用することで生じていた湯戻りの悪さ,コシの強すぎを解決することができ,喫食時における麺塊の麺線のほぐれを飛躍的に向上させることが記載されている(本件明細書の[0012],[0020],[0070])。
しかし,これらの効果は,甲1発明における,「復元時間が従来の1/2~1/3に短縮され,また,麺線どうしの付着が極めて少なく,喫食時にお湯を注ぐとほぐれが早く,その食味も従来のものに比べ弾力性,滑らかさに富むという効果」との効果,及び「真空麺帯機の特徴である麺の粘弾性,透明感,重み」との効果を超えるものではなく,当業者の予測を超える格別顕著な効果ということはできない。(判決文より)

6-3.組み合わせることの動機付け

即席麺を含む麺の製造方法において,麺原料を混捏して作成したドウを,真空麺帯機等の押し出し成形機において減圧下で押圧力を加えることにより,脱気して生地の密度を高くし,小塊又は板状体とし,これを製麺し麺線とすることは,本件特許出願時における技術常識である。このような技術常識を考慮すれば,甲1発明において,甲2の上記工程を適用する動機付けがないとはいえない。(判決文より)

6-4.顕著な効果について

甲1発明は,「その目的とするところは,めんの食味を低下することなく,喫食時のめんのほぐれをよくし,復元性を極めて早く改善することにある。」のであり,甲2の脱気工程を適用することで,麺がなめらかになり,さらに麺がほぐれやすくなること(本件明細書の[0018])も当業者が予測し得ることといえる。
本件明細書の[0079]から[0085],特に[表2]には,試験例2としてほぐれ効果に関する試験を行ったことが記載されている。しかし,この試験例2には,試験に用いた乾燥麺に添加した粉末油脂の量や,乾燥条件,麺塊の形成方法等が明らかでなく,被告による追加試験の結果(甲6)も考慮すると,本件発明1のほぐれ効果が優れたものとなる場合があり,また異なる結果が得られる場合もあると理解でき,本件発明1が予想もしない格別な効果を奏したと認めることはできない。

7 審査における判断

本願発明において、「固形状の油脂及び/又は乳化剤の添加」及び「減圧下における押出成形処理」の組み合わせにより得られる即席乾燥麺の“ほぐれ改善作用”(本願[表2]条件1と4との比較)は、「固形状の油脂及び/又は乳化剤の添加」に基づくほぐれ改善作用(本願[表2]条件1と2との比較)、及び、「減圧下における押出成形処理」に基づくほぐれ改善作用(本願[表2]条件1と3との比較)を組み合わせることにより想定される改善作用の程度(両者の改善倍率を掛け合わせたもの)を大きく上回るものであり、格別の効果(相乗的効果)が認められる。(特許メモより)

8 考察
(1)判断の分かれ目

審査過程では、「固形状の油脂及び/又は乳化剤の添加」及び「減圧下における押出成形処理」の組み合わせにより得られる即席乾燥麺の“ほぐれ改善作用”は、格別の効果(相乗効果。上記3-3の(備考)欄を参照。)として認められ、進歩性が肯定された。
しかし、審判及び裁判のいずれにおいても、「ほぐれ改善作用」は格別顕著な効果とは認定されなかった。
これは、無効審判の請求人によりなされた追試により、「本件発明1のほぐれ効果が優れたものとなる場合があり,また異なる結果が得られる場合もある」ということが明らかにされたことによる。

(2)組み合わせの動機付けの判断

出願人の主張に基づいて、無効審判及び裁判において組み合わせ非容易性について審理された。無効審判及び裁判とも、本件発明は組み合わせ容易であると認定したが、両者でその論理付けは異なっている。

審決では、甲1発明に甲2発明を組み合わせることについての容易性(動機付け)に関し、甲1発明の混捏工程についてその目的を認定した上で、その工程においてその目的を解決する一手段としての甲2発明を適用するのは容易である、という論理付けを行っている。

具体的には、甲1発明における「混合し、充分練り上げる工程」について、「麺線とする前に、麺の組織を破壊するような気泡を残さないようにし、グルテンを形成し、麺の組織がしっかりと形成されたものとすることを目的とする工程といえる。」と認定された。
甲2発明により得られる生地について、「常法により混捏し、さらに押し出し成型機で脱気処理を行って得られる密度の高い生地は、グルテン形成が行われ、麺の組織を破壊する気泡がなく、麺の組織がしっかり形成された生地ということができる。」と認定された。
そして、甲1発明において、「混合し、充分に練りあげて常法により製めんし、得られた製めん生地を切刃等でめん線」とする工程として、麺の組織がしっかり形成されたものとするとともに、麺線とする前に麺生地内に存在する空気を麺の組織を破壊しない程度まで脱気して、麺本来の弾力性を保った麺とする目的から、その「混合し、充分に練りあげ」る工程の具体的手段として、甲第2号証の上記第5(2d)に、より効果的な方法として記載されている「作製した生地を減圧下又は常圧下において押圧力を加えて脱気することにより、生地の密度を高くして、小塊又は板状体とする」工程、すなわち、「混捏した生地をエクストルーダ又は押し出し成形機において、減圧下又は常圧下において押圧力を加えてチップ状に押し出して小塊を形成するか、或いは板状体に押し出したものをロールで圧延し麺帯とし、切刃により麺線に切り出」す工程を採用することは当業者が容易に想到し得たことである。

一方、裁判所は、甲2号証の発明と同様の発明(審判と同じ文献)を複数挙げた上で、「このような技術常識を考慮すれば,甲1発明において,甲2の上記工程を適用する動機付けがないとはいえない。」と判断された。

裁判所の論理付けは審判合議体の論理付けよりも非常にシンプルである。
複数の引用文献に基づいて進歩性を否定する場合、引用発明を互いに組み合わせる動機付けが必要とされるが、この判例では、副引例が技術常識であれば、技術常識であるという事実が当該技術を主引例に組み合わせる動機付けになり得ることを示す。この点は、特に異論はないであろう。しかし、この逆は成立するかが問題となる。主引例が技術常識であり、副引例が技術常識でなかった場合、その組み合わせは容易か否かという問題である。この場合、組み合わせ非容易性の主張がしやすくなるのではないだろうか。2件の引用発明の組み合わせにより構成される発明であっても、どちらを主引例にするかによって進歩性の判断が異なる場合もありえる。本事件の場合、甲第1号証が副引例であったならばその結論はどうなっていただろうかと思う。

(3)調査の重要性

本願は次の経緯を辿る。当初の請求項1は、「固形状の油脂及び/又は乳化剤の添加」を特徴とする。しかし、昭和59年4月10日公開の文献(甲1発明)によりその新規性が否定された。このため出願人は、「押し出し成形機を用いて圧力を加え」という要件(実質的には当初請求項2の要件)を加えた。しかし、甲1発明及び甲2発明により進歩性が否定された。そこで、出願人は、更にこれを「減圧下において圧力を加え」というように限定し、明細書に基づいてその相乗効果を主張した。これにより特許査定が得られたものの上述のように追試によりこの特許は無効とされた。
考えるに、当初の発明は、実際に、昭和59年4月10日公開の文献(甲1発明)と同一であっただろうか。昭和59年になされた発明と、平成21年になされた当初請求項1に係る発明とが実際には同一であろうはずはないと思うからである。本発明は、単なる技術の再発見ではなく、別発明であったように思える。
明細書においてその発明の詳細要件が示されなかったのは、甲1号証を把握していなかったからだろう。また、限定解釈やノウハウの開示にもなるから、敢えて詳細要件を記載しなかったのかもしれない。しかし、仮に、甲1号証を把握していたとすれば、おそらく、実施例の追加等の検討もされたであろうし、ストーリの展開の仕方も違ったものになったであろう。こういった意味において調査の重要性を感ずる。
IPDLの場合、公報テキスト検索の蓄積範囲が平成5年からであるから、公報テキスト検索では、昭和59年4月10日公開の文献(甲1発明)を検出することはできない。この文献を検出するためには、特許分類検索等の高度な検索(検索式を用いた検索)を行う必要である。商用のデータベースでは、昭和58年まで遡及してキーワード検索できるものがあり、そのようなツールを使うことが好ましい。

以上