医療用軟質容器事件|知財レポート/判例研究|弁理士法人オンダ国際特許事務所

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医療用軟質容器事件

2019年3月7日掲載
弁理士 金森晃宏

1.はじめに

特許権侵害行為差止等請求事件及び審決取消請求事件における争点のうち、出願当初の特許請求の範囲から、文言上、発明特定事項を削除したことに対する補正要件違反について紹介する。以下、二重線の追加は筆者による。

2.経緯(抜粋)

[本件特許:第5661331号]
出願人:株式会社ジェイ・エム・エス
平成 22年 5月17日 特許出願(特願2010-113460号)
平成 25年12月 2日 手続補正書の提出及び早期審査の申請
平成 26年12月12日 登録

[特許権侵害訴訟]
平成27年(ワ)第8736号 特許権侵害行為差止等請求事件
原告:株式会社ジェイ・エム・エス(特許権者)
被告:ニプロ株式会社
平成30年 2月15日判決言渡(大阪地裁)

[審決取消訴訟]
平成29年(行ケ)第10089号 審決取消請求事件
原告:ニプロ株式会社
被告:株式会社ジェイ・エム・エス(特許権者)
平成28年 8月24日 無効審判請求(無効2016-800107号)
平成29年 3月29日 審決(請求不成立)
平成29年 4月28日 審決取消訴訟提起
平成30年 3月 5日 判決言渡(知財高裁)

3.発明の内容

以下、本件特許の公開特許公報(特開2011-78737号)及び特許公報(特許第5661331号)からの抜粋を示す。

(1)出願当初

【請求項1】
少なくとも2枚の軟質プラスチックシートが貼りあわされることにより形成され、開閉式の開口部と、液状物を収容するための収容部とを含み、少なくとも一方の主面に液状物の量を示す目盛りが表示された、可撓性袋部材と、
前記可撓性袋部材に固定された排出用ポートと、
前記可撓性袋部材の両主面の各々に固定され、固定された前記軟質プラスチックシートとの間に、前記可撓性袋部材の右側または左側から指を挿入するための貫通路を形成する1対の開閉操作部と、を含むことを特徴とする医療用軟質容器。

【背景技術】
【0002】
経口によらずに患者に栄養や薬剤を投与する方法の一例として経腸栄養法又は静脈栄養法が知られている。経腸栄養法では、患者の鼻腔から胃又は十二指腸にまで通されたチューブを介して栄養剤、流動食、又は薬剤などの液状物が投与される。また、静脈栄養法では、患者の静脈に挿入された輸液回路を介してブドウ糖などの栄養成分及び/又は薬剤成分を含む液状物(一般に「輸液」と呼ばれる)が投与される。
【0003】
経腸栄養法又は静脈栄養法を行う際には、患者に投与する液状物を空の医療用軟質容器に予め注入する作業が必要である。

(実施形態1)
【0026】
開閉操作部5a,5bの左右方向の幅W2(図2A参照)は、片手による開閉操作部5a,5bの操作が可能であれば特に制限はないが、例えば、20mm~60mmであると好ましい。軟質プラスチックシート2a,2bとの接合面積を確保し易く、手の大小の如何にかかわらず開口部4の開口状態の維持が可能であるという観点からは、幅W2は、大きいと好ましい。一方、開口部4を構成する軟質プラスチックシート2a,2bに対して、これらを相互に引き離す力を効率的に作用させて、開口部4を大きく開口させ易いという観点から、幅W2は小さいと好ましい。
【0041】
尚、図1~図5を用いて説明した本発明の医療用軟質容器の一例では、軟質プラスチックシート2aのみに液状物の量を示す目盛りが表示されているが、目盛りは、プラスチックシート2bにも表示されていてもよい。この場合、作業者の利き手の如何にかかわらず、液状物の注入の最中に目盛りを見ながら、医療用軟質容器1への液状物の注入が安定して行える。なお、図1~図5を用いて説明した本発明の医療用軟質容器の一例では、軟質プラスチックシート2a、2bの両方に目盛り2cが表示されている場合、いずれの軟質プラスチックシートの主面を正面と称してもよい。

医療用軟質容器事件 | 2019年

(実施形態7)
【0064】
本実施形態の医療用軟質容器15では、実施形態5の医療用軟質容器と同様に、開口部4がその両側部にまち(脇まち)41a,41bを有している。図21に示されているように、一方のまち41bの収容部21内に面する面411dの面積の方が、他方のまち41aの収容部21内に面する面411cの面積よりも小さい。そのため、例えば、指が短い人でも、まち41b側(開口部4の左側)から、貫通路7a,7bに各々指を挿入してまち41bを操作者の手のひらの近くに配置した状態で、プラスチックシート2a,2bを相互に引き離す操作を行えば、医療用軟質容器15のまち41a側において、軟質プラスチックシート2a,2bを相互に引き離す力を効率的に作用させることができる。故に、医療用軟質容器15は、指の長さの長短にかかわらず、大きな開口を確保でき、液状物の注入操作が行い易く、好ましい。
【0065】
ところで、収納部21内に液状物を注ぐ際、開口のうちの、2枚の軟質プラスチックシート2a,2b間の距離が最も離れた箇所及びその近傍に、液状物が入った容器の注ぎ口を位置させた状態で液状物を注入すると、注入作業が行い易い。しかし、注ぎ口の位置が医療用軟質容器を持つ手に近いと、液状物を注ぎにくい。
【0066】
図21に示されるように、医療用軟質容器15では、面411dの面積よりも、面411cの面積の方が大きいので、開口部4の幅方向のうち、医療用軟質容器15を持つ手に近いまち41b側よりも、医療用軟質容器15を持つ手から遠いまち41a側の方が、軟質プラスチックシート2a,2b間の距離が大きくなるように、開口部4を開口させることができる。故に、医療用軟質容器15では、医療用軟質容器を持つ手から遠いまち41aの近傍に液状物が入った容器の注ぎ口を位置させることで、液状物の注入操作を容易に行える。

医療用軟質容器事件 | 2019年

(2)補正後

【請求項1】
少なくとも2枚の軟質プラスチックシートが貼りあわされることにより形成され、開閉式の開口部と、液状物を収容するための収容部とを含み、少なくとも一方の主面に液状物の量を示す目盛りが表示された可撓性袋部材と、
前記可撓性袋部材に固定された排出用ポートと、
前記可撓性袋部材の両主面の各々に前記可撓性袋部材の右側または左側から片手の指を挿入するための1対の開閉操作部を含み、
前記開閉操作部に挿入した片手の指を開くことにより前記開口部の開口状態を維持できることを特徴とする医療用軟質容器。

※早期審査に係る事情説明書(判決文から抜粋)
「補正後の請求項1の補正箇所の『前記可撓性袋部材の両主面の各々に前記可撓性袋部材の右側または左側から片手の指を挿入するための1対の開閉操作部を含み』は,重複した語句があり,誤記の訂正及び明りょうでない記載の釈明を目的として補正しました」

筆者注:「貫通路を形成する」という文言は削除されているが、該当部分に下線は引かれていない。

(3)本件特許

【請求項1】
少なくとも2枚の軟質プラスチックシートが貼りあわされることにより形成され、開閉式の開口部と、経腸栄養法で使用される液状物を収容するための収容部とを含み、少なくとも一方の主面に前記液状物の量を示す目盛りが表示された可撓性袋部材と、
前記可撓性袋部材に固定された排出用ポートと、
前記可撓性袋部材の両主面の各々に前記可撓性袋部材の右側または左側から片手の指を挿入するための、上縁部及び下縁部が各々前記軟質プラスチックシートに固定されたシート状の1対の開閉操作部を含み、
前記開閉操作部に挿入した片手の指を各々遠ざけるように開くことにより前記開口部の開口状態を維持できることを特徴とする医療用軟質容器。

筆者注:「貫通路を形成する」という文言は削除されたまま特許となっている。

4.特許権侵害訴訟

以下、平成29年(行ケ)第10089号 審決取消請求事件の判決文からの抜粋を示す。

A.被告の主張

(1)本件特許1,2は,「貫通路」という発明特定事項を削除し,発明を上位概念化した本件補正は当初明細書等に新たな技術的事項を追加するものであって法17条の2第3項に違反し,法123条1項1号によって特許無効審判により無効とされるべきものと認められるから,法104条の3によって権利行使が制限される。
(2)本件補正が新規事項の追加に該当すること
…(略)…なお,全ての実施例に関する明細書の記載及び図面を引用しないが,上記引用した実施形態1を含む全ての実施形態(実施形態2ないし9)において,貫通路を形成する開閉操作部を有する構成が開示されている…(略)…。
イ 新規事項の追加
上記のとおり,当初明細書等には,本件発明の課題を解決し,液状物の注入が行い易く,しかも液状物の注入の最中に目盛りが見やすいという本件発明の効果を奏する具体的な構成としては,貫通路が形成された1対の開閉操作部を有する構成が記載されているが,貫通路を備えない構成など,その他の構成については記載も示唆もされていない。当初明細書等の全ての記載から導き出される技術的事項とは,可撓性袋部材の主面に固定された一対の開閉操作部が,左右から指を挿入できる貫通路を形成したもののみである…(略)…。
(3) 原告の主張について
…(略)…
イ 原告は,本件明細書の図21を根拠とするが,図21は図19~図21において説明されている実施形態7の一つの図面である。図19及び図20Bから明らかなとおり,1対の開閉操作部5a,5bは貫通路7a,7bを形成しており,貫通路が形成されない1対の開閉操作部は開示されていない。
さらに,原告は,図21の図面を見れば,当業者であれば開閉操作部の三方が閉じたポケット状の構成を容易に類推することができると主張するが,当業者が医療用軟質容器にポケット状の1対の開閉操作部を類推することが容易であるという具体的な根拠を何ら提示しておらず,原告の主張は一方的な願望の域を出ていない。

B.原告の主張

(1) 本件は,出願当初の「右側または左側から指を挿入するための貫通路を形成する1対の開閉操作部」を,「右側または左側から片手の指を挿入するための1対の開閉操作部」と補正したのであり(乙2の2),「開閉操作部」も「貫通路」も「右側または左側から片手の指を挿入する」ためのものであり,どちらも開閉操作をする機能が同一であるから,新たな技術的事項を追加したことにはならない。すなわち,「開閉操作部」の一つの実施態様である「貫通路」を削除したにすぎず,当業者が必要に応じて行う些細な設計変更のレベルの補正である。
上記のことに加えて,出願当初の明細書及び図面の記載事項のうち主要なものである本件明細書の図21は次のとおりであり,図面だけ見れば開閉操作部5a,5bは左右に貫通しておらず,一見してポケット状に見える。
被告は,本件明細書の図21について,図19及び図20Bを引用して貫通路が形成されない一対の開閉操作部は開示されていないと主張する。
しかし,本件明細書の図21は図面だけ見れば開閉操作部5a,5bは左右に貫通しておらず,一見してポケット状に見えるのであり,被告がその反論として図19及び図20Bを持ち出さなければならないことは,図21自体については原告の主張を否定できないことを示している。
また被告は,三方が閉じたポケット状の構成を容易に類推できることの具体的根拠を示していないと主張するが,「開閉操作部が左右に貫通しておらず,一見してポケット状に見える」のであるから,図21からポケット状の開閉操作部を類推できることは説明するまでもない…(略)…。

C.裁判所の判断

a 本件明細書の開示内容について
…(略:【0065】、【0066】を引用)…
以上の記載及び本件発明の実施例は,開閉操作部が,他の実施例同様に貫通路で形成されているように見受けられるが,その使用形態として,医療用軟質容器の一方向から指を挿入することを前提としていることは明らかである
したがって,本件明細書に開示されている実施例が,いずれも右側又は左側双方から指を挿入することができる貫通路となっているものしか開示も示唆もされていないとして,「右側からまたは左側から片手の指を挿入する」という要件を,医療用軟質容器の右側又は左側の双方から片手の指を挿入することができることを意味すると解すべきとする被告主張は採用できない…(略)…。
b 本件特許の出願経過について
…(略)…被告の上記出願経過に基づく主張は,出願当初の特許請求の範囲の請求項1において,一対の開閉操作部が貫通路であることによって右側からも左側からも指を挿入できる意味と読むのが自然な解釈であり,補正により,構成要件Fに相当する部分から「貫通路を形成する」という構成が削除されているが,これを原告は単に重複した語句を削除し,誤記を訂正したものにすぎないとしているから,補正後の構成要件Fであっても,貫通路が形成されているものを指すことが原告自身の出願経過における主張により裏付けられるというものである
しかし,被告の上記主張は,当初の特許請求の範囲の記載にある「貫通路」をもって,右側又は左側の双方からの指の挿入ができることを要件とするものと限定的に解するものであるが,本件明細書にそのようなことを示唆する記載はないし,原告がそのような説明をした事実も認められず,むしろ本件明細書の実施例には,当初から上記aに示したように,右側又は左側双方から指を挿入することを前提にしない実施例が記載されていることからすると,貫通路とは,単に指を挿入する部材の一実施例の形状を示したという以上の意味はなく,被告主張のように限定して解すべき根拠はないから,そのような限定的な解釈を前提とする被告主張は採用できない…(略)…
6 争点(7)(無効の抗弁5(補正要件違反))
被告主張に係る「貫通路」を削除した補正の経緯については,上記1(2)ウ(イ)bにおいて「開閉操作部」の解釈に関連して検討したとおりであり,当初出願明細書に記載のあった「貫通路」とは,単に指を挿入する部材の一実施例の形状を示したという以上の意味はないものと解されることは既に説示したとおりである。したがって,当初明細書の記載から,これを削除する補正をしたとしても,「開閉操作部」を上位概念化して新規事項を追加することにはならない。

5.審決取消訴訟

以下、平成29年(行ケ)第10089号 審決取消請求事件の判決文からの抜粋を示す。

A.原告の主張

(1) 「右側または左側から『指を挿入するための貫通路を形成する』1対の開閉操作部」という発明特定事項を,「右側または左側から『片手の指を挿入するための』…1対の開閉操作部」という発明特定事項に補正する本件補正は,開閉操作部が,貫通路でなくてもよく,片側のみが空いていてもよいとするものであるから,本件当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。
(2) すなわち,本件当初明細書等には,あらゆる実施例,従来例を含め,右側又は左側から指を挿入可能な貫通路からなる開閉操作部しか開示されていない。【0024】には「貫通路7a,7bを形成していると好ましい」との記載があるが,これは,貫通路7a,7bであることを前提に,開閉操作部の固定位置に言及した記載にすぎない。本件当初明細書等において解決手段として開示された技術事項は,貫通路を有する開閉操作部を設けるという技術的思想だけである。また,【図21】は,貫通路を有するものの実施態様を示す図である…(略)…。

B.被告の主張

(1) 本件発明1の開閉操作部は,右側又は左側から親指と人差し指を挿入し,片手で開閉操作されるものであり,その機能・作用などを考慮すれば,開閉操作部が「貫通路」である必然性はない。
(2) すなわち,本件発明1の技術的意義は,可撓性袋部材の開閉操作部に片手の指を挿入して開口部の開閉操作をできるようにするものであり,開閉操作部を貫通路にして左右双方から指を挿入できるような構成に限定する必要はない。本件当初明細書等の特許請求の範囲にも「右側または左側」と,右又は左のどちらかから挿入できれば足りることが明記されている。本件当初明細書等の【0041】の実施形態においては,作業者の利き手に応じて片方からのみ指を挿入する1対の開閉操作が開示されている。本件当初明細書等の【図23A】【図23C】には,もっぱら開口部片側の幅が狭くなっている部分から指を挿入する構成が開示されている。本件当初明細書等の【図21】から,貫通路が効果及び機能に実質的に影響しないことが理解でき,開閉操作部の構成を貫通路とするか,一方を閉じたポケット状とするかは,当業者が実施に際して容易に選択し得るものである…(略)…。

C.裁判所の判断

2 取消事由1(新規事項の追加に係る判断の誤り)について
(2) しかし,本件当初明細書等には,開閉操作部の左右方向の幅について,片手による開閉操作部の操作が可能であれば特に制限はないとされ(【0026】),開閉操作部の幅が広く,挿入された指が開閉操作部の他端から突出しない構成も開示されているということができる。そして,かかる開示によれば,当業者は,開閉操作部の片方の端部のみが開放されている構成を容易に認識できる。
…(略)…このような,課題解決手段として採用された開閉操作部の作用機能に関する本件当初明細書等の記載によれば,当業者は,開閉操作部は片方の端部のみが開放されていれば,本件出願に係る発明の課題解決手段として十分であることを容易に理解できる。
さらに,本件当初明細書等に記載された貫通路は,右側「または」左側から指が「挿入」される旨説明されるにとどまり(【請求項1】【請求項2】【0011】【0013】【0022】【0024】),右側及び左側から指が挿入される必要があることや,挿入された指が他端から突出する必要があることを説明する記載はない。
(3) このように,本件当初明細書等の記載から,当業者は,開閉操作部の片方の端部のみが開放されている構成を容易に認識でき,このような構成でも,本件出願に係る発明の課題解決手段として十分であることを容易に理解でき,さらに,開閉操作部の双方の端部が開放された構成に限定されていないことも理解できる。
したがって,本件当初明細書等において,開閉操作部について貫通路と表現され,開閉操作部が貫通している実施例しか記載されていないとしても,当業者であれば,本件当初明細書等の記載から,片方の端部が閉じられた開閉操作部を有する医療用軟質容器の構成も認識できるというべきである。
(4) 小括
以上によれば,「右側または左側から『指を挿入するための貫通路を形成する』1対の開閉操作部」という発明特定事項を,「右側または左側から『片手の指を挿入するための』…1対の開閉操作部」という発明特定事項に補正することは,当業者によって,本件当初明細書等の記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入しないものであるから,本件当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものということができる。

6.まとめ(実務上の指針)

出願当初の特許請求の範囲から、「貫通路」という発明特定事項が、文言上は削除されている。また、明細書中に、開閉操作部が「貫通路」を形成するものでなくともよい、という明示の記載はない。そのため、本件で争点となった補正は、形式的には、新規事項の追加に該当するように思われるが、地裁及び知財高裁ともに新規事項の追加には該当しないと判断した。
地裁では、「貫通路」を単に指を挿入する部材の一実施例の形状を示したという以上の意味はないと認定している。また、知財高裁では、開閉操作部の作用機能に着目して、貫通路を形成しない開閉操作部を容易に認識できると認定している。
したがって、文言上は発明特定事項を削除するような補正でも、明細書全体から読み取れるかという観点や、発明特定事項の作用機能から認識できるかという観点で、補正の可否を判断するようにしたい。また、明細書になるべく多くの変形例を記載しておくことも重要であると思う。