米国特許商標庁(USPTO) AIの発明者適格に関する指針を公表|外国知財情報|オンダ国際特許事務所

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米国特許商標庁(USPTO) AIの発明者適格に関する指針を公表

 2024年2月13日、米国特許商標庁(USPTO)は、AIが発明した特許出願の審査に関する指針を公表しました。この指針は、今後新たに提出される全ての出願に対して即時に適用されます。USPTOは、AIによる発明が一律に特許にできないわけではないが、発明者適格を判断するにあたり、「人間による貢献があるか」、すなわち、自然人が発明に「重要な貢献」をした場合には、その発明は保護される、と結論付けています。

 USPTOの指針は、主にThaler v. Vidal, 43 F.4th 1207, 1213 (Fed. Cir. 2022), cert denied, 143 S. Ct. 1783 (2023)の判決に影響を受けています。この判決は、「自律的統合感覚のブートストラップのための装置」(DABUS)と呼ばれるAIシステムを発明者として願書に記載する特許出願をUSPTOが却下したことを支持しており、特許法の目的上、発明者(または共同発明者)は自然人でなければならないとしています。

 しかし、USPTOの指針は、自然人が請求項に記載された発明に「重要な貢献」をしている限り、AIシステムを使用した自然人が「発明者」として願書に記載されることを妨げるものではありません。USPTOの指針は、AIを発明の概念化において発明者が使用できる「ツール」とみなしています。また、各請求項に記載された発明に対して、一人以上の自然人が「重要な貢献」をしなければならないとしています。つまり、AIによってのみ重要な貢献がなされた請求項は、他の請求項が一人以上の自然人によって重要な貢献がなされている場合であっても、有効な請求項ではありません。

 USPTOの指針では、「単に問題を認識したり、一般的な[…]研究計画を持っているだけでは」発明の概念の基準を満たさないと述べています。しかし、発明者が特定の問題に対する具体的な解決策を導き出すためにAIを使用することは可能です。さらに、単なる「実施」だけでは発明者適格を満たしませんが、例えば、自然人が「AIシステムの出力を受けてその出力に重要な貢献をする場合」、その自然人は発明者とみなすことができます。

 特定の問題に対処するため、または特定の解決策を引き出すためにAIシステムを構築する自然人も、「AIシステムの設計、構築、またはトレーニングがAIシステムを用いて作成された発明に対する重要な貢献である場合」、発明者となることができます。

 最後に、発明の創作に使用されたAIシステムを「所有または監督するだけで」他に重要な貢献がない場合、「その人を発明者とはみなさない」とUSPTOは述べています。

 USPTOは現在、具体的な事例の例を公表しており、以下のアドレスで閲覧することができます:
http://www.uspto.gov/initiatives/artificial-intelligence/artificial-intelligence-resources

 現在、USPTOは、この通知に関するパブリック・コメントを受け付けております。USPTOに正式なコメントを提出したい場合、またはこの指示に関する質問や懸念がある場合は、弊所までご連絡ください。