BREXIT: イギリスのEU離脱による知的財産への影響|外国知財情報|オンダ国際特許事務所

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BREXIT: イギリスのEU離脱による知的財産への影響

2016年6月23日に実施されたイギリスの国民投票では、EU離脱支持が過半数を上回り、EU離脱への手続きが進められることになりました。これによるイギリスの特許、意匠及び商標制度への影響について、当事務所では、ヨーロッパの特許事務所(主にイギリス、ドイツ)から30通以上のニュースレターを受信しております。その内容は、おおむね共通しており、概要は以下の通りです。

特許

欧州特許庁(European Patent Office)はEUの機関ではなく、独立した機関です。イギリスは欧州特許条約(European Patent Convention)の締約国であるため、スイスやノルウエーなどの非EU加盟国と同様に、従来と変わりなく、欧州特許庁を介してイギリスでの特許権の取得が可能です。

欧州単一特許(Unitary Patent: UP)
欧州統一特許裁判所(Unified Patent Court: UPC)

イギリスのEU離脱による最も大きな影響は、2017年1月に発効予定の欧州統一特許制度(UP)及び欧州統一特許裁判所(UPC)のロンドン設置に対するものです。これらの制度を有効化するには、イギリスのUPC条約批准が必要とされていました。しかし、イギリスのEU離脱により、UPの発効及びUPCの設置について、スケジュールの遅れが懸念され、制度自体の中止案も検討されています。

登録共同体意匠(Registered Community Design: RCD)
欧州連合商標(European Union Trade Mark: EUTM)

特許とは異なり、意匠及び商標については、欧州特許庁(EPO)ではなく、EUの専門機関である欧州連合知的財産庁(European Union Intellectual Property Office)が取り扱っています。イギリスがEUから正式に離脱すれば、RCD及びEUTMは、イギリスでは保護されなくなります。現時点で付与されている権利はイギリスにおいて再登録が可能になるだろうと予測されていますが、これが自動的に再登録されるのか、または何らかの手続きが必要とされるかについては、現時点では不明です。