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税関における輸入の差止申立

(2022年11月28日時点の情報です)

海外から模倣品が輸入され、国内で流通してしまいますと、これを止めることは容易ではなく、権利者が負う労力・時間・費用の負担は計り知れません。そのため、模倣品の拡散を防ぐには、「輸入差止申立制度」を利用して税関で輸入を食い止めることが極めて重要です。

「輸入差止申立制度」とは、商標権者又は専用使用権者が、自己の商標権を侵害すると認める貨物(侵害被疑品)が輸入されようとする場合に、税関長に対し、当該貨物の輸入の差止申立を行う制度です。

以前は、個人使用目的の輸入行為は輸入差止の対象外とされていましたが、2021年の法改正により、海外の事業者が侵害品を郵送等により日本国内に持ち込む行為についても、権利侵害行為となることが明確化されました。これにより、2022年10月1日から、個人使用目的の輸入についても、税関において差し止めることが可能となりました。

当所では、税関に対する輸入差止申立に係る手続をサポートいたします(当所手数料:2万円(税別)/時間)。
まずはご相談ください。

輸入の差止申立の要件

1.権利者であること

輸入の差止申立を行うことができるのは、商標権者又は専用使用権者です。
弁護士、弁理士等の代理人に手続を委任することができます。

2.権利の内容に根拠があること

登録原簿の謄本、商標公報の写しを提出します。出願中の段階では輸入の差止申立を行うことはできません。

3.侵害の事実があること

侵害物品が日本国内に輸入されている場合のほか、侵害物品が日本に輸入されることが見込まれる場合も含まれます。

4.侵害の事実を確認できること

侵害の事実を確認するため、侵害物品又は資料(書面)の提出が必要です。

例)商標権に係る登録商標と同一又は類似の商標を、当該商標権に係る指定商品と同一又は類似の商品に付したものに関する輸入の差止申立の場合に、『特許庁の判定書又は弁護士、弁理士等が作成した鑑定書等』を提出します。

5.税関での識別ができること

輸入品の税関検査において、真正商品と侵害物品とを識別するポイント及び方法を示したものや、真正商品又は侵害物品に特有の表示、形状、包装等、真正品と侵害物品とを税関にて識別するための情報の提供が必要です。

※識別するポイント等は税関にて適切に管理され、第三者に開示されることはありません。

輸入の差止申立の手続

輸入の差止申立書に必要事項を記載し所定の資料等を添付して、全国9税関のいずれか一の税関に提出することで、全国的な取り締まりが可能です。輸入の差止申立のための税関手数料は無料です。

輸入の差止申立をしますと、受付から約1ヶ月で受理がされたかどうかが税関から通知されます。

輸入の差止申立の有効期間は税関の受理日から最長4年間です(4年以内に対象となる商標権が満了する場合は、存続期間の最終日まで)。ただし、有効期間の最終日の3ヶ月前から更新手続を行うことができます。更新期間は上記と同様に最長4年の希望日までとなります。

必要書類

■輸入差止申立書(税関様式C-5840)
■添付書類

≪必要書類≫

  1. 登録原簿の謄本及び公報
  2. 侵害の事実を疎明するための資料等
  3. 上記識別するポイント等に係る資料
  4. 委任状等(申立人が代理人に輸入の差止申立の手続を委任する場合)

≪必要に応じ提出する書類≫

  1. 輸入の差止申立に係る侵害すると認める物品について権利侵害を証する裁判所の判決書
    若しくは仮処分決定通知書の写し又は特許庁の判定書の写し
  2. 弁護士、弁理士等が作成した輸入の差止申立に係る侵害すると認める物品に関する鑑定書
  3. 申立人が自らの調査に基づき権利侵害を行う者に対して発した警告書又は新聞等に注意喚起を行った広告等の写し
  4. 輸入の差止申立に係る権利の内容について訴訟等で争いがある場合には、その争いの内容を記載した書類
  5. 真正商品の並行輸入に係る資料
  6. 侵害すると認める物品を輸入することが予想される者、その輸出者その他侵害すると認める物品に関する情報

認定手続について

税関で侵害疑義物品が発見された場合、同物品が商標権を侵害しているか否かを税関が認定する制度です。通常、侵害疑義物品が発見された場合には権利者及び輸入者にその旨の通知がされ、それぞれが提出した意見・証拠に基づき、税関が知的財産権(商標権)を侵害しているか否かについて認定します。ただし、商標権に係る認定手続には簡素化手続が採用されており、輸入者が侵害の該否を争わない場合には、権利者及び輸入者からの証拠・意見の提出を不要として、税関長が侵害の該否を認定することとなります。