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レポート
ビジネスモデル特許の調査方法に関する考察
2000年1月
オンダ国際特許事務所 情報サービス室 松尾健司
ビジネスモデル特許が最近話題になっています。
一口にビジネスモデルといっても、オンラインショッピングやネットオークション等の電子商取引や金融機関で開発される金融商品、さらに、企業で導入されつつあるIT(Information Technology情報技術)といった様々な分野で情報システムを使って実現されているビジネスの仕組みが想像されます。
このように、様々な形態が考えられるビジネスモデルが開示された特許を一纏めに漏れなく検索することは不可能ではありますが、ビジネスの仕組みそのものが権利化されている特許の調査方法を検討してみました。

■対応分類
  特許調査のメインはビジネスモデル特許が該当する分類を特定することであると思います。ビジネスの仕組みという概念で請求の範囲が記載されている特許の分類として以下が考えられます。
 
1. 国際特許分類(IPC)
G06F17/60 管理目的,業務目的,経営目的,監督目的または予測目的のデジタル計算またはデ−タ処理の装置または方法(第6版1995年より新設)

2.

FI記号表
G06F15/21 管理または業務用のための計算部分の設計または構成
(IPC第6版のG06F17/60に対応するFIは無く、IPC第5版までで使われていたG06F15/21近辺のFI記号が付与されている。)
3. Fターム
5B049 特定用途計算機
(上記テーマの中に目的、分野、内容毎にコードが細分化されています。)
  4. 米国特許分類

■ビジネスモデルそのものが権利化されている米国特許の分類
705/--- Data processing: financial, business practice, management, or cost/price determination

■ビジネスモデルがコンピュータネットワークを媒介として展開されることから想定される米国特許分類
709/--- Electrical computers and digital processing systems: multiple computer or process coordinating
395/200 Transmission of information among multiple computer systems


ただし、上記各分類を指定するのみでは、平成7年〜平成11年までに公開された日本国内特許の件数は8,000件以上となり、1973年〜1999年の間に登録された米国特許の件数は11,000件以上が該当します。したがって、抽出したい分野や内容に合わせたキーワードによる絞込み作業が必要になります。
なお、今後のビジネスモデルの展開はインターネット等のコンピュータネットワークが不可欠であることを考慮し、「ネットワーク、オンライン、通信」といった概念のキーワードで絞込みを行うと、平成7年〜平成11年までに公開された国内特許の件数は約2,200件程度に、1973年〜1999年の間に登録された米国特許の件数は約600件まで絞り込むことができます。
■キーワード指定調査の留意点
 
上記に抽出した分類は特許請求の範囲がビジネスの仕組みとして記載された特許に限定される恐れがあるために、分類を特定しないキーワード指定検索による補足も必要であるように思われます。
以下に、ビジネスモデル特許に関連しそうなキーワードを思いつくままに羅列してみましたので、調査対象となるビジネスモデルの分野や内容を表すキーワードとともに検討ください。
「ビジネス、モデル、経営、マネジメント、投資、仕組み、プロセス、仲介、、、」
「取引、流通、販売、通販、注文、発注、購入、顧客、物流、、、」
「決済、送金、課金、金融、バンク、、、」
「インターネット、ネットワーク、オンライン、通信、Web、、、」

特許分類の特定とキーワード指定(AND)検索例

日本(139件の一覧表)  米国(106件の一覧表)

■ビジネスモデル特許のSDI(新規発行公報の継続的ウオッチング)サーチの必要性
以上にビジネスモデル特許の調査方法に関する考察を行いましたが、他社のビジネスモデル特許が自社の事業に与える影響を考えると、従来から行われている自社の事業で展開している製品に関連する特許の継続的ウオッチングに加えて、自社の事業が関連するビジネスモデル特許の継続的なウオッチングが必要になります。特に、ライバル企業のビジネスモデル特許出願状況をしっかりと把握するためにも、ライバル企業の名称と上記のビジネスモデル特許関連分類を指定した新規発行特許のウオッチングは欠かせないものになると思われます。

ビジネスモデル特許の米国における登録事例の増加により、日本の各企業のビジネスモデル特許への取り組みが活発化してきた時期が半年前であることを考えると、早急にビジネスモデル特許SDIサーチを実施する必要があるように考えられます。
以上



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