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【7】取得した特許の活用方法
【8】特許侵害対策
FAQ
【6】外国出願
(1) ビジネスモデル特許を日本の特許庁に出願し、1年以内に米国へ出願する場合、出願手続などはどのように行えばいいでしょうか?
  (1-1)米国への出願までの期間
ビジネスモデル特許に限らず、特許出願は原則として、各国の特許庁に対して出願手続きを行わなければなりません。

最初に日本に出願した後、米国に出願する場合、パリ条約上の優先権制度を利用することができます。この制度を利用すると、日本出願の明細書と米国出願の明細書の両方に記載された発明は、日本出願時を基準にして特許要件の審査を受けることができるというメリットがあります。この制度を利用するためには、日本出願から1年以内に米国特許庁に出願を行う必要があります。

最初の出願から1年を経過した後でも、出願が公開される前であれば、優先権制度を利用しないで出願することも可能ですが、優先権の利益は受けられません。

  (1-2)日本で出願せず直ちに米国へ出願する場合の出願方法

日本出願を行わず、直接、米国特許庁に出願することも可能です。但し、出願書類は法律で定められた言語(米国の場合、英語)で作成する必要があります。通常、米国の特許弁護士等が出願手続を行います。

  (1-3)米国以外の諸外国に出願する場合はいかに行えばいいでしょうか。
米国以外の国に出願する場合も、その国の特許庁に手続きを行うことになります。パリ条約の加盟国であれば、前述した優先権制度を利用できます。ただし、この場合には、各国の特許庁に対して出願しなければなりませんので、通常、各国の弁理士などに依頼して出願手続を行う必要があります。

また、複数国に出願する場合、特許協力条約(PCT)を利用することも可能です。PCTを利用すれば、出願手続きは簡単になり、日本の特許庁に対して出願手続を行えるというメリットがあります。しかし、この場合にも、最終的には各国特許庁に対する手続き(翻訳文の提出等)が必要です。

(2) 海外にも申請する予定ですが、現地法人を持っている方が有利ですか?

海外で特許出願する際、現地法人を持っていることが有利に働くということは、法律上ありません。ほとんどの国で内外人平等の原則が働きます。

ただ、現地法人があれば、現地の特許庁から拒絶理由の通知において「拒絶理由がどうもよく理解できない」というような場合には、御自身が特許庁に出かけて直接審査官に尋ねることが簡単にできる等のメリットはあります。

(3) 現地法人がない場合、パートナー(代理人)も連名で申請すべきですか?

単独で出願可能です。特許権の取得のみに関して言えば、パートナーの必要はありません。ただ、取得した特許権も侵害者の発見、差止請求、損害賠償請求等の管理できなければ、意味がありません。そういう意味では、パートナーを置いた方がいいということもいえます。

(4) 日本・米国それぞれ、あるいは両国で特許を取得する場合のメリットの違いをお教えください。

日本で特許を取得すると、日本国内で独占権が発生します。米国で特許を取得すると、米国で独占権が発生します。ここで、例えばインターネットを利用するビジネスモデル特許においては、サーバ及びクライアントの関係が両国にまたがることが想定されますが、このような場合、裁判所において独占権の範囲がどう判断されるかは、現在のところ明確になっていません。

しかし、日米両国で特許を取得しておくことにより、国境を越えた実施に対してより確実に権利行使できるというメリットがあります。

(5) 米国に出願する場合のクレームの書き方と日本に出願する場合のクレームの書き方において、拒絶されないためには、かなり異なった注意が必要ですか?

アメリカではピュアビジネスが特許されるケースがあります。例えば、生前受け取り生命保険とか、傷害保険付き定期預金とかです。これらのアイディアがコンピュータやネットワークを使うビジネス手法になっていなくても、特許されるのです。ゴルフにおけるパッティングの方法が特許されています。ある米国特許弁護士は「王さんの一本足打法も、公開前に出願すれば通ります」と断言していました。

従って、アメリカへ出願するときはピュアビジネスが特許の対象になることを意識して、十分大きな請求範囲を作ることが必要です。

日本では、傷害保険について、「コンピュータシステム又はコンピュータネットワークを介して、保険をかけようとする依頼者に定期預金の口座ナンバー、口座名義人、定期預金金額の入力を促す段階と、前記定期預金の存在を確認する段階と、確認された定期預金の満期時の見込み利息及びその利息で契約可能な保険金額を保険態様毎に表示して、依頼者に保険の態様の選択を促す段階とよりなる保険受注方法」のように、第1番目の請求項から具体的に書かねばなりませんが、アメリカならば「定期預金の満期時の利息を保険料とする保険」というように、コンピュータやネットワークとは無関係に請求範囲を作ることができるのです。

但し、日米欧の三極会議等においても確認されている通り、権利取得には技術的側面が必要です。
すなわち、会議の報告では、「コンピュータにより実現されたビジネス方法が特許適格性を有するためには、「技術的側面」が要求される」とされています。さらに「米国においては、「in the technological arts」であることを示す発明の特徴が、明細書に明示されていれば、特許クレームには示唆されているだけでもよい。EPOとJPOでは、「技術的側面」が特許クレームに明示的に表現されていることが要求される。」といった明細書作成上の違いがあります。

(6) 米国、中国、台湾等、外国の特許を取得しましたが、特に注意すべきこととして、どんなことがあるのでしょうか?

以下の点に注意して下さい。

  • 特許表示や年金の管理が各国の制度に従って正しく行われているか注意する。
  • 発明者から出願人への権利の譲渡が行われているか否か確認を取っておく。
  • いずれの国においても、侵害品を見つけた場合、直ちに海外の特許事情に通じた国内の弁理士や弁護士と相談して、対策を検討する。通常、まず最初に、侵害品の製造元や販売業者を特定し、現地の特許事務所を通じて、侵害者に警告状を送達する。それと同時に、侵害品を入手し、侵害品が特許に抵触しているか否かについての鑑定を、弁理士や弁護士に依頼する。その結果に応じて、実施契約、訴訟等の次の手段を講じる。
  • 中国や台湾などのアジア各国においては、特許に関する理解度がまだ十分でないため、特許製品の模造品が出回ることがある。現地の市場に目を光らせ、模造品が出回ったら直ちに弁理士や弁護士と相談して対策を施すようにする。
  • 米国では特許後2年以内であれば、再発行特許出願により、保護範囲を拡大するための補正を行うことが可能である。特許の侵害品が見つかった場合、侵害品排除の一手段として、再発行特許出願が有効であることを覚えておく。
(7) 今後外国より特許に関してその使用について引合いがあった場合、どのような対応がベストでしょうか?(特に米国について)

米国の特許弁護士にライセンス料及びライセンス期間を伝え、契約書を作成してもらって下さい。
 通常、ライセンス契約のひな形がありますので、各項目が最新の法律に則しているかを確認の上、適切な契約書を作成してもらって下さい。

なお、契約書はライセンサー及びライセンシーのいずれかが作成します。このような契約書は、当然ながら、作成者にとって有利となるよう作成されます。従って、契約内容に同意できない場合、最終的な契約書に両者が同意できるまで、かなりの期間及び費用を必要とすることもあります。そこで、特許権者がライセンス契約を有利に進めるには、

・特許権者側が契約書を作成すること
・協議不能な契約書(non-negotiable agreement)を作成すること

をお薦めします。協議不能な契約書を作成すれば、相手方に交渉の余地が残されないため、時間と費用とを大幅に節約できます。ただし、契約書は適切なものである必要があるため、作成には細心の注意が必要です。

いずれにしても、ライセンス契約は非常に専門的なことですので、弁理士又は弁護士に御相談ください。

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