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『「中華人民共和国商標法」第三次改正案』第十二期全国人民代表大会常務委員会第四回会議で審議、採択。

(2013.9.11)

1983年3月1日施行の「中華人民共和国商標法」は、1993年2月に第1次改正及び2001年10月に第2次改正が行われ、今回の第3次改正案は、2012年12月、2013年6月の審議を経て、2013年8月30日、第12期全国人民代表大会常務委員会第4回会議で採択された。 改正商標法は、2014年5月1日から施行される。

商標法第三次改正の要点は、以下の通りである。

1.商標登録出願の便宜化

  1. 音声を商標として登録出願できることを追加《第8条》
  2.  “一出願多区分制”出願方式を導入《第22条》
  3.  商標電子出願の容認と条文化《第22条》
  4.  商標審査手続きにおける商標局と出願人とのやり取りのプロセスを追加(商標局は、登録出願の内容について出願人に説明又は 補正を求めることができる )《第29条》
  5.  商標審査及び審理業務の法定期限に関する規定を追加:
    ・商標初歩審査期間:9ヶ月以内 《第28条》
    ・商標評審委員会の審理期間:9ヶ月以内(3ヶ月の期間延長可)《第34条》
    ・異議申立審理期間:12ヶ月以内 《第35条》
    ・絶対的不登録事由等に基づく無効審判審理期間:9ヶ月以内(3ヶ月の期間延長可)《第44条》
    ・相対的不登録事由等に基づく無効審判審理期間:12ヶ月以内(6ヶ月の期間延長可)《第45条》
    ・不使用による取消請求審理期間:9ヶ月以内(3ヶ月の期間延長可)《第49条》
    ・不服審判請求審理期間:9ヶ月以内(3ヶ月の期間延長可)《第54条》
  6.  相対的不登録事由による異議申立については、商標異議申立人適格者を「何人」から「先行権利者、利害関係者」に修正《第33条》

 

2.公正な市場秩序の維持・保護強化

  1. 馳名商標(著名商標)の認定
    馳名商標は、当事者の請求により、商標案件において認定する必要がある事実として認定する( 個別認定・受動認定の原則 )《第14条第1項》
  2. 馳名商標認定ルート
    商標審査、紛争処理、商標権侵害事件及び民事、行政案件の処理において、当事者が馳名商標の権利を主張した場合は、商標局、商標評審委員会及び最高人民法院が指定する裁判所は商標の馳名状況について認定する《第14条第2項、第3項、第4項》
  3. 「馳名商標」文字の宣伝禁止
    生産・経営者は、商品・商品包装・容器において、又は広告宣伝・展示、及びその他の商業活動において、「馳名商標」の文字を使用してはならない《第14条第5項》
    本条違反には是正警告と10万元の罰金(第53条)
  4. 他人の馳名商標等の商号使用の禁止 
    他人の未登録の馳名商標、登録商標を企業名称における商号として使用し、公衆に誤認させた場合、不正競争行為に該当する《第58条》
  5. 業務取引関係等にある者による商標の抜け駆け登録の禁止《第15条》
  6. 商標権侵害による損害賠償請求において、商標権者が過去3年間に当該登録商標を実際に使用し、 又は侵害行為により損害を被ったことを証明できない場合、権利侵害者は賠償責任を負わない《第64条》
  7. 商標代理機構への監督強化:
    ・商標代理機構の負うべき法律責任(信義誠実原則順守義務、守秘義務、冒認出願受託拒否義務等)を追加《第19条、第68条》
    ・商標代理業界団体による会員懲罰制度の整備、公表義務の追加《第20条》

3.商標専用権の保護強化

  1. 故意に他人による商標権侵害行為の実施を幇助した場合、 商標権侵害に該当する《第57条第6号》
  2. 再犯への処罰強化:
    5年以内に2回以上の商標侵害行為を実施し、 又はその他の重大な情状がある場合は、加罰する《第60条第2項》
  3. 懲罰規定の強化・新設:
    ・商標侵害行為に対する行政処罰の強化(違法売上が5万元以上の場合には、最高で違法売上の5倍の罰金、5万元未満の場合は25万元以下の罰金)《第60条第2項》
    ・悪意により商標権を侵害し、情状が重大な場合は、懲罰的な損害賠償(最高で3倍)を課すことができる《第63条第1項》
    ・人民法院は賠償金額を確定するため、権利侵害者に対し権利侵害行為に関連する帳簿、資料の提供を命ずることができる《第63条第2項》
    ・人民法院の裁量により決定できる法定賠償額の上限を「50万元」から「300万元」に引き上げる《第63条第3項》

今後、改正商標法の施行までには、商標法実施条例も制定されるものと思われる。
《出典》2013年9月2日付「中国工商報」の掲載記事に基づいて当所で編集。