主なブランド体系と、それぞれのメリット・デメリット|お知らせ|オンダ国際特許事務所

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主なブランド体系と、それぞれのメリット・デメリット

 ビジネスにおいて、ブランド戦略は企業の成功に大きな影響を与える要素の一つといえます。しかし、ブランド展開の仕方によっては、ブランドの成長を妨げたり、他のブランドの価値を落としてしまったりすることがあります。そこで本稿では、「ケロッグ経営大学院 ブランド実践講座 戦略の実行を支える20の視点」(ダイヤモンド社)の記事を参考に、代表的な2つのブランド体系である「個別(マルチ)ブランド戦略」と「マスターブランド戦略」を紹介し、各体系のメリット・デメリットについて説明します。

1.個別ブランド戦略

 個別ブランド戦略は、製品やサービス毎に異なるブランド名を使用するアプローチです。代表例はP&Gです。

 個別ブランド戦略では、個々のブランドは独立して存在しており、自社内の競合ブランドとの重複を最小化するため、それぞれに明確なポジショニングが与えられています(たとえば、同じカテゴリー内で、価格重視型のブランドと、性能重視型のブランドを使い分けたりすることができます。)。なお、企業名とブランド名が異なることが多いため、消費者は、同じ企業がそれぞれのブランドを展開していることに気付きにくい傾向があります。
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◎メリット
  • 各ブランドのポジショニングが明確なので、ターゲットを正確に狙うことができる。
  • 各国で受け入れられやすいブランドを利用できるので、世界規模でのビジネス展開に適している。
  • コーポレートブランドを変えることなく個別ブランドを売買できるので、ポートフォリオを管理し易い。
  • あるブランドの価値が毀損しても、他のブランドに注力することができるので、リスクを最小化できる。
△デメリット
  • ブランドごとに価格、新製品、広告などについての意思決定が必要であるため、管理が難しい。
  • 個々のブランドが別々に製品を投入するため、相乗効果が生じにくく、小さなブランドの集合で終わってしまうおそれがある。
  • ブランド毎のポジショニングが曖昧だと、自社の他ブランドと競合してしまうおそれがある。

 

2.マスターブランド戦略

 マスターブランド戦略は、企業が単一のブランド名(ほとんどの場合、企業名と同一)を様々な製品やサービスに適用するアプローチです。代表例は楽天グループです。
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◎メリット
  • 一つのブランドしか存在しないため、経営者の注意もそこに集中する。結果、経営者が力を入れるため、ブランディング上の重要な意思決定の精度も上がり易い。
  • 企業が行うすべてのマーケティング活動がマスターブランドの価値向上に影響するので、規模が大きくなるほどマーケティング効率が高まる。またそのため、グローバルで成功するのに必要な投資規模にも到達しやすい。
△デメリット
  • あらゆる方面にブランドを拡張した場合、全ての人をターゲットにした、差別性のないブランドに成り下がってしまうおそれがある。
  • よいアイデアであっても、ブランドに合わないという理由で採用されなくなり、企業の革新や成長を妨げてしまうおそれがある。
  • 一つのブランドに依存するため、マスターブランドが苦境に立てば、企業も危機に陥るおそれがある。

 

 ブランド体系の選択は、企業のブランド戦略に大きな影響を与えます。個別ブランド戦略は市場の適応性とリスク分散を促進しますが、ブランド管理の複雑性やブランド間の競合に注意が必要です。一方、マスターブランド戦略は、ブランドの統一と「規模の経済」によって成長力を高めますが、ブランド価値が毀損した場合の影響の大きさが懸念されます。おそらく個別ブランド戦略を採用する企業が圧倒的に多いと思いますが、いずれの戦略を選択するにしましても、それぞれの長期的な影響を理解し、調整や改善を怠らないことが重要になるでしょう。