商標審決レポート(CREST)|知財レポート/判例研究|弁理士法人オンダ国際特許事務所

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商標審決レポート(CREST)

商標の構成中、3本の横線からなる図形部分は、具体的な称呼及び観念を生じるものではないと判断された事案

2022年5月31日
弁理士 八代則子

審判番号

不服2021-016737 (商願2019-096307)

事案の概要 本願商標の構成中、3本の横線からなる図形部分は、その構成態様からは具体的に何の図形や文字を図案化したものかを明確に認識できないから、具体的な称呼及び観念を生じるものではないと判断された事案
審決/判決 審決
審決日 2022年5月16日
出願人

クレスト ホールディングス ゲーエムベーハー

商標

本願商標 商標審決レポート(CREST) | 2022年

引用商標1 商標審決レポート(CREST) | 2022年

引用商標2 商標審決レポート(CREST) | 2022年

引用商標3 商標審決レポート(CREST) | 2022年

指定商品・役務

本願商標の指定役務
第35類 他人の事業のために行う物品の調達およびサービスの手配,他
第40類 金属の加工 

引用商標1の指定役務
第35類 経営の診断及び指導,他 

引用商標2の指定役務
第40類 金属の加工,他 

引用商標3の指定役務
第35類 経営の診断又は経営に関する助言,他

審決の内容

(1)本願商標について
本願商標は、「CR」の欧文字(黒色)と、均等な長さの3本の横線を右斜め上方にずらして重ねた図形(灰色)、「ST」の欧文字(黒色)を横一列に表してなるものである。そして、本願商標の構成中、3本の横線からなる図形部分は、その構成態様からは具体的に何の図形や文字を図案化したものかを明確に認識できないから、具体的な称呼及び観念を生じるものではなく、また、前後の文字部分とは色彩も異なるから、全体として不可分一体の構成でもない。そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「シーアールエスティ」の称呼を生じ得るが、特定の観念は生じない。

(2)結論
以上によれば、本願商標について、「CREST」の欧文字を表してなるとして、これより生じる称呼及び観念を比較し、引用商標とは類似するとして、商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

コメント

『その構成中の「R」の欧文字と「S」の欧文字の間の図案化した部分は、その形、大きさ、前後の文字とのバランスから、「E」の欧文字を図案化したものと看取される』との拒絶査定における審査官の指摘に対し、出願人は、審判請求書において『本願商標の横棒三本には「E」の欧文字の構成要素である横棒三本の左端を連結する1本の縦棒が存在しておらず、単なる横棒三本の図形であり、「E」の欧文字の図案化とは看取しえない。』と反論した。