商標審決レポート(Ghana)|判例研究/レポート|特許業務法人オンダ国際特許事務所

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商標審決レポート(Ghana)

2020年6月4日
弁理士 八代則子

審判番号 不服2019-8784(商願2017-161593)
事案の概要 「Ghana」について商標法第3条第2項の使用による識別性が認められ登録された事案
審決/判決 審決
審決日 2020年4月20日
出願人 株式会社ロッテ
商標 本願商標  商標審決レポート(Ghana) | 2020年

使用商標1 商標審決レポート(Ghana) | 2020年

使用商標2  商標審決レポート(Ghana) | 2020年

指定商品 第30類 チョコレート
審決の内容

1 商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「Ghana」の欧文字を金色で横書きした構成からなるところ、当該文字にわずかに陰影をつけて表してなるものの、いまだ普通の域を脱しない方法で表してなるものであるから、本願商標は、普通に用いられる方法で表示するものである。

そして、「Ghana」の文字は、カカオの産地として広く知られる「ガーナ(アフリカ西部の英連邦内の共和国)」を意味する語であるところ、本願の指定商品である「チョコレート」との関係において、「Ghana(ガーナ)」の文字は、商品の品質(原材料であるカカオの産地)を表示するものとして、一般に使用されている実情がある。

そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、商品の品質を表示したものと認識されるにとどまるとみるのが相当である。

したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

2 商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて

請求人商品は、1964年に全国で発売されて以来、現在に至るまで、50年以上にわたり販売されており、その販売地域は、発売当時に加え、遅くとも2015年以降現在に至るまで、継続して全国で販売されていることが認められ、請求人商品には、常に使用商標が使用されており、これは本願商標と同一視できるものである。そうすると、本願商標は、請求人商品に50年以上使用されて需要者の間で全国的に認識されているということができる。以上からすれば、本願商標は、その指定商品「チョコレート」について、請求人により長年にわたり継続的に使用をされた結果、需要者が請求人の業務に係る商品を表示する商標として認識することができるに至ったものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第2項に規定する要件を具備するものである。 

3 商標法第4条第1項第16号該当性について

本願商標は、上記2のとおり、商標法第3条第2項の要件を具備するものであって、商品の品質を認識させることのないものであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、商品の品質の誤認を生ずるおそれはないものといわなければならない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。

4 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものの、同条第2項の規定により商標登録を受けることができるものであり、同法第4条第1項第16号に該当しないものであるから、原査定は、取消しを免れない。

コメント 本願商標は、請求人商品に50年以上使用されて需要者の間で全国的に認識されていると判断され、商標法第3条第2項の使用による識別性が認められた。 原査定では、商標法第4条第1項第16号について、「ガーナ共和国産のカカオを使用したチョコレート」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるとされたが、審決では、本願商標は商標法第3条第2項の要件を具備するものであって、商品の品質を認識させることのないものであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、商品の品質の誤認を生ずるおそれはないとされ、商標法第4条第1項第16号に該当しないと判断された。