知財マンの心理学2 自我状態分析|お知らせ|オンダ国際特許事務所

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知財マンの心理学2 自我状態分析

(パテントメディア 2014年1月発行第99号より)
会長 弁理士 恩田博宣

1) はじめに

我々の人生はすべて、人との関係において成り立っています。良好な人間関係を維持継続しているような人は、いい人生を歩んでいるといえます。反対に周囲の人たちから、避けられるような人間関係しか築けない人は、悩みも多く、決していい人生を歩んでいるとはいえないでしょう。
今の人間関係を振り返って、自分の人生の問題だと感じられる部分を、他人のせいにするのではなく、自分の方から改善をしていくにはどうするか。自分の心の状況を知ることから始める必要があります。自分が思い込んでいる今の自分は、実際には思いもよらない面を持っていたりするものです。
今回は自我状態分析について説明します。

2) 知財部長の3種類の心の状態

前号で述べた知財部長吉田さんのある日ある場面の状況を、再現してみます。
重要特許出願ということで、知財部長吉田さんが明細書のクレームをチェックしています。特許事務所から送られてきた出願前の明細書を知財部員小島君が修正して、吉田部長に最終チェックをお願いしたものです。吉田部長の顔は険しくなっています。
「小島君ちょっと来たまえ、なんでこんな限定を入れたのかね。範囲がえらく小さくなってしまっているじゃないか。事務所案の方がまともじゃないか。」

吉田部長に社長から電話がかかりました。吉田部長は「はあ、例のアメリカにおける侵害事件の問題は、現地代理人との打ち合わせを完了いたしておりまして、全く心配することはないとの見解を得ております。」と、冷静に応えています。

同期入社の開発部長永井さんから、電話がかかりました。吉田部長は嬉しそうに「この間のゴルフ、君と同じパーティだったものだから、優勝できたよ。うん、先日話し合った、例の製品開発の件、最優先で出願をやっているよ。任せてくれ。ゴルフのお礼をしたいから、週末に一杯やろう。」

この吉田部長の3種類のやり取りは、同じ部長でも、心の状況が明らかに違っています。この心の状況を分析するのが、自我状態分析です。
同じ人間でありながら、話し相手、話題が違うと、態度、話し声の調子、表情、ジェスチャー、行動が、そして人柄がガラッと変化しました。
上記のように、同じ人間でも、はっきりと変化するのです。その自我状態は大きく分けて3つに分類できるのです。
第1の批判がましく人をコントロールしようとしているのは、両親(parentなので、Pの状態といっています)の心の状態です。
第2の冷静な状況で人と接しているのは、成人(adultなので、Aの状態といっています)の心の状態です。
第3の無邪気に子供っぽく友人との話に興じているのは、子供(childなのでCの状態といっています)の心の状態です。
いずれも同じ人でありながら、別人のような態度で人と接しています。
今現在の自分の心の状況、「これが私である」という状態を「自我状態」といいます。この自我状態を親P、子C、大人Aの種類に分けて分析していくのが自我状態分析です。

3) 親の自我状態

親の自我状態というのは、我々が子供の頃、両親がよく言っていたことや、よくやった行動、さらに、両親のものの考え方、感じ方が乗り移ったかのように、発言したり、行動したりする状態なのです。
子供は生まれた頃は、特に母親から可愛がられ、愛され、保護され、慈しまれて育ちます。親の保護的な面が多く現れます。
そして成長するにしたがって、「ああしなさい」「こうしなさい」というように親の持つ価値観、規律、習慣、道徳、文化が伝達されます。規律を尊ぶ批判的な面が現れ、徐々に多くなっていくのです。すなわち、親の自我状態は保護的なP(Nurturing Parent、以下NPと略称する)と、批判的なP(Critical Parent、以下CPと略称する)とに分けることができるのです。
小島君「当社のX装置が、この特許に抵触するかどうか検討しているのですが、どうにも難しくて、結論が出せません。均等論を適用すれば、属するというようにも結論付けられますが、均等論適用のケースではないようにも思うのです。部長いかがなものでしょうか。」
吉田部長「どれどれ、面倒のかかるやつだなあ。まあ、特許の請求項の説明と、X装置の技術説明のみしてくれよ。そうしたら、週末によく研究しておいて、来週早々には、よくわかるように説明してやろう。」
このやりとりの吉田部長の自我状態は、まさに保護的なNPだといえます。
人が社会生活を営むとき、批判のCPは法律、秩序を守り、社会常識に従い、文化伝統を維持し、自分の行動を正しくコントロールする機能を果たさせます。
保護的なNPは人に愛情を注ぎ、思いやりの気持ちを大切にし、世話をしたり、激励したりする機能を発揮させます。そして、人格を円満に形成し、成長を促す機能を持っています。

3-1)他人に厳しい人

親の自我状態のうち、批判的なCPの強い人がいます。このような人は、幼少期に親からかなりの期間にわたって、厳しいしつけ、強い制限を受けて育っていることが多いのです。そうして育った人は、そのしつけや制限を他人に押し付けようとする傾向が強く現れます。すなわち、他人の子供の自我状態Cをオーバーに見てしまい、批判的な態度をとるのです。
「もっと当社の発明発掘を、しっかりやったらどうだ。」
「そのクレーム解釈は、まだまだ甘いんじゃないか。」
「どうしてもっと早く出願できなかったんだ。1週間くらい何とでもなっただろう。いつものろいんだから。」
「たとえどんな事情があるにせよ、この特許訴訟は負けは負けだ。影響は大きいぞ。」
これらのような発言、態度が多くなります。
四六時中このような自我状態であることは、少ないでしょう。この傾向が強い人は、後述の成人の自我状態Aを活発にして、その場の状況や相手の気持ちを感じとって、発言し行動するように修正し、批判のCPをコントロールすべきでしょう。

3-2)自分に厳しい人

批判的なCPが他人に向かうのではなく、自分の中の子供Cをいじめてしまうことがあります。
知財の仕事の中でも、同僚や上司から仕事を頼まれると、自分の仕事で満杯であるにもかかわらず、「できません」といえず、引き受けてしまい、その処理で徹夜するようなこととなり、後で後悔するという人が結構いるものです。
幼い時、親から「言われた通りやりなさい」「わがまま言ってはいけません」等と、いつも厳しく指導されて育った人は、その記憶によって、自分を厳しい状態においているといえるのです。すなわち、批判のCPが強く自分をコントロールし、後述の順応のCが素直に反応しているのです。
ここまで極端ではなく、上司の指示に素直に従って、その職責を真面目にこなすのは、一般社会人として必要なことなのです。すなわち、Aが批判のPを正常にコントロールしている状況が望ましいのです。

4)子供の自我状態
4-1)生まれながらの自然な子供の自我状態

知財部でいかに発明を有効に発掘するかについて、会議が行われています。上田君は活発に意見を言います。「発明発掘を有効に行うには、部長のおっしゃるところの開発部に対して、頻々とリエゾン活動を行って、開発の進行状況をきちんとつかんでいることが重要であることは、分かっています。しかし、それだけでは無理だと思います。確かに開発部の状況把握は重要ですが、この技術の分野の世の中の状況、すなわち、世界的に見た従来技術を把握していなければならないと思います。」等と、上司であろうが、部長であろうが、平気で批判し、褒め、自由に腹蔵なく、活発に意見を述べます。それがいつもかなり的確であることが多いので、上司の覚えもよいだけでなく、後輩からも人気があるのです。
幼いころ、両親からの適切な養育を受けたものと思われます。子供の自由闊達な面を失わせることなく、かといって、わがままいっぱいを許すのではなく、褒めるべきところは褒めて伸ばし、戒めるべきところはきちんと規制して、是々非々で育てられたものと思われます。

4-2)順応した子供の自我状態

一方、知財部員戸川君はあまり意見を言いません。部長に「戸川君、何か意見はないかね。」と促されても、「上田さんはじめ皆さんの言うとおりだと思います。」のように述べるにとどまり、自分の意見を積極的に述べることはありません。人の目を気にしているようです。指示されたことはそつなくこなすことが多いのですが、それ以上のことを積極的にやろうというところは見えません。
まじめそうに見えますが、頼りなさそうで、重要な案件は任せられません。仕事にやりがいを感じているのか、不満を持っているのかもよくわからないのです。
両親が大変厳しく育てたのだと思われます。結果として、親の言う通りに育ってきたといえます。しかし、親の養育態度をすべて良しとして、従ったのではなく、反抗できないから、しぶしぶ従ったり、引き延ばしたり、すねたりしたこともありました。最悪の状況では、恐怖心から自らの対応の仕方に窮し、自閉症を発症し、引きこもってしまうようなことも起こりえました。

4-3)反抗的な順応をした子供の自我状態

松野君は頭がいいし、非常に優れた明細書を作成する新人弁理士です。しかし、精緻を極めた明細書を作成するので、勢い請求項が実施例に近くなることが多くあります。所長がこれをチェックして、思想的に書きなおします。それを見た松野君は、実に理路整然と「従来技術がこれですから、これ以上大きなクレームは無理です。このクレームでいいのです。」と理屈を並べたてます。まるで喧嘩腰です。所長の弱みを握っているかのようです。所長としては、本能的に「このクレームでは小さすぎる」と感じていても、松野君の理屈にはなかなか反論できないのです。「おかしいな」とは思いつつも、そのまま出願に至ることが、時々あります。所長が後から考えなおして、補正をしたり、優先権主張で出願しなおしたりということが起こるのです。
時には明らかに松野君の議論におかしなところがあっても、彼一流の理屈を並べ立てないとすまないといった状態なのです。
松野君の状態は、子供の自我状態Cではあっても、親に対する敵意や反抗心を前面に出した状態です。上記のケースは単なる敵意、反抗のみではなく、小賢しいともいえる、ある種の知恵を発揮した自我状態ともいえます。

5)成人の自我状態
5-1)冷静なコンピュータ的自我状態

中規模特許事務所の水田所長のところへ、事務所内で最も優秀な佐藤弁理士が退職を申し出てきました。理由を聞いてみると「もっとバラエティに富んだ仕事をしたいんです。ここでは国内明細書や内外出願事件、外内出願事件の明細書や中間処理などをやらせてもらったが、もっと審決取消訴訟や侵害訴訟もやりたいので、他の事務所に移ります。すでに内定ももらいました。」と言うのです。

水田所長は内心穏やかではありません。批判のCPや反抗のCが頭をもたげます。「そのような事件は、当所では少ないとはいえ、多少はある。どうして、訴訟がやりたいと、言ってくれなかったのか。少しは希望をかなえられたのに。」「彼の成長のため、しょっちゅう一緒に発明のインタビューに行き、どのように発明を把握するかを、徹底して教えたのに。その恩も忘れたのか。」「病気になって、長期にわたって欠勤が続いた時もしょっちゅう見舞いに行って、励ましたこともあったのに。」「一体、誰のおかげでここまで実力を伸ばせたのだ。」等と、恨みとつらい思いが去来します。所長の自我状態は、CPとCの状態です。感情的な思いが次から次へ出てきます。

しかし、水田所長の自我状態は成人の自我状態A、コンピュータのように冷静さを取り戻します。そして、考えるのです。「恨みつらみを言ってみても、もう彼の決断は覆らないだろう。ここで恨み節を唱えてみたところで、何一つ得るものはない。失うだけだ。過去には出戻った優秀な職員もいる。とてもつらいし、内心とは異なるが、彼の新たな門出を、快く送り出そう。」と決断します。

つらい心の内は、ぐっとこらえて佐藤弁理士に言うのです。「当所において、君の希望をかなえてあげられなくて、申し訳なかったな。新たな職場では、当所で培った実力を発揮して、大いに活躍してほしい。頑張りたまえ。」
成人の自我状態Aというのは、このように、頭の中のコンピュータが周囲の状況を客観的にとらえ、データを集め、冷静に判断する状態です。

自然の子供の自我状態Cである自由で創造的な発想を発揮することは、訴えられた訴訟事件等を切り抜けるようなときには、必要な時もあろうかと思います。しかし、知財の仕事自身は、本来極めて冷静さを要求される仕事です。成人の自我状態Aを維持発展させることが必要です。しょっちゅう発明届出書のレベルの低さや、上司の指導の仕方に対する批判や抵抗が頭をもたげるようでは、まともな仕事はできないでしょう。

5-2)親の自我状態Pと子供の自我状態Cの調和

上述の水田所長のケースのように、頭をもたげるPやCの自我状態を冷静にコントロールするのが、成人の自我状態Aです。ここでAの働きが弱いと、PやCが勝ってしまい、「一体誰のおかげで・・・・」等と過激な発言になってしまうのです。これでは特許事務所の所長としても、知財部長としても適切な処置を取ったとはいえないでしょう。
ではAの働きを強めるにはどうしたらよいか。

第1に、自分の自我状態はどうなっているのかを意識することです。
自我状態というものがP、A、Cに分かれていて、人と接するとき、自分はどの自我状態が発現しやすいのかを知ることです。批判のPが出やすい人は父親の養育態度、自我状態が反映されていることが多いのです。
もし、前述の水田所長がTAをよく学び、自分は批判のPが強い人であることを知っていて、「部下と接するときには、批判のCPをできる限り抑えるようにしよう」と心構えができ上がっていれば、もともと批判のPが強い人でも、前述のような冷静な対応がしやすくなります。自分はどの自我状態が発現しやすいのかを知ることが大切です。
前述の戸川君の場合も、もし、自分は順応のCが強いと認識していれば、発言を準備する等して、有意義な意見を述べることも可能になるかもしれません。
さらに、今、人と接しているとき、自分の自我状態がどこにあるかを知ることも、Aの自我状態を強く発揮させるのに有効です。部下を叱りつけながら、「ああ、今、私は批判のCPが強く出すぎているな」と気付けば、自ずとAの自我状態が活発になるのです。

第2に、過去にさかのぼり、自分の批判のPの強さがどこから来ているのか、を認識することが、Aの強化に役立ちます。自分の言動が「そういえば父親そっくりだなあ」というときは、父親の強い自我状態が、自分に反映しているのです。
また、戸川君のように、順応のCが強い人は、両親から、「ああしなさい」、「こうしなさい」と、大半の言動に関して指示を受け、自分で判断し、自分で行動することに慣れていないのです。
「そういえば、『朝起きなさい』から『寝なさい』まで、すべて母親の言うとおりにしてきたな。」というように、理由がわかれば、それから脱却するには、自分で考え、自分で行動すればよいということが、分かります。

第3に、批判のPと、反抗のCが表に出てしまって、感情的になってしまっているときは、そう簡単にAの自我状態を取り戻すことはできません。そんなときには、少し時間を置くのです。そして、「私が感情的になってしまったのは、仕方がない。でも今からどう発言し、どう行動するかは、自由に決めることができる」と、言い聞かせるのです。かなり有効にAの自我状態を取り戻すことができます。

6)成人の自我状態Aを生かしたトラブルの解消

筆者が自己啓発のプログラムAIA(Adventure In Attitude)を学んだ際、次のような教えがありました。
人間関係にはトラブルはつきものです。そのトラブルを解決する方法が3つあるといいます。

その1つ目は「その場の状況を変えましょう」です。
「配偶者が気に入らなければ、離婚をして解決する。」「近所に嫌な奴がいれば、引っ越しをして解決をする。」「上司である知財部長と相性が合わなければ、退職をして、他の会社の知財部か特許事務所に再就職する。」というやり方です。
このやり方で相性のいい上司に巡り合えて、うまくいくこともあるかもしれません。しかし、今の上司にも問題はあるかもしれませんが、「泥棒にも3分の利」と言うように、自分が抱えている問題点もあるのです。その問題点は次の職場へも持っていくことになります。結果として、またうまくいかず、また退職するということになりかねません。映画女優などが、次から次へと離婚を繰り返すのは、このパターンだといえましょう。人間関係の問題を解決する根本的な解決手段ではなさそうです。成人の自我状態Aが不足しています。

その2つ目の解決方法は「問題のある相手の人、その人を変えましょう」です。
例えば、あなたのご主人が、食事をしながら新聞を読む癖があるとするならば、「あなた!食事のときぐらい新聞はやめてください。」と無理やりにでも頼んでやめさせることができるかもしれません。「部屋でたばこを吸うのはやめて」「明細書の誤字脱字をなくせ」等とその人の性格には関係しない、比較的軽微な問題ある行動によって、人間関係がうまくいっていないケースでは、有効かもしれません。しかし、「お前のものの考え方がいかんのだ。それを変えろ。」「そもそも知財管理に向き合うお前の考え方が問題なのだ。それを変えてもらわないといかんな。」等、人間の根本的な性質に関するものを「変えろ」といわれても、そう簡単に変えられるものではありません。この方法も根本的な解決方法ではないようです。批判のCPが強い解決法といえそうです。

その3つ目の解決方法は「わたくし自身が変わりましょう」です。
人間関係の良くない人との解決を図るために、自分ができることを探し、考え出して、それを実行するという解決方法です。筆者が開業間もないころ雇ったある女子事務員との人間関係の話です。彼女は頭もよく、仕事もできました。筆者は朝早く事務所に出ます。彼女が出勤してきます。「おはようございます」を言わないまま、筆者の前を通り過ぎ自分の席に着きます。「所長がここにいるのに、なんで『おはようございます』くらい言えないのか」と腹が立ちます。来る日も来る日も続くのです。一日中不愉快さは続きます。当然、筆者と彼女との関係は悪くなっていきます。しばらくして、コンサルタントの先生に「近頃の若い者は、あいさつ一つできない。困ったものだ。」と彼女に関する愚痴をこぼしたところ、「恩田先生の方から『おはよう』を言われてはどうでしょうか。」とのアドバイスがありました。
当時としては、考えもつかないアイデアでした。「目下のものが先にあいさつするのは当たり前」といった固定観念があったのです。
さっそく、実行しました。「○○さん、おはよう。」「おはようございます。」と返事が返ってきました。これで全面解決です。気分の悪さも解消。実に簡単なことだったのです。筆者は自らの行動を変えることにより、彼女との人間関係を改善できたのです。まさに成人の自我状態Aを前面に出した解決方法であったのです。
なかなか改善できない場合があります。しかし、「まだ、私の変わり方が足りないからだ」と考えると、「あの野郎、なんで改善しようとしないんだ」と他人のせいにしている場合と比較して、非常に楽なのです。人間関係の改善にはこの三つ目が、根本的な解決方法といっていいでしょう。

7)まとめ

自我状態をP、A、Cに分けました。そして、「自分はどの自我状態が強く現れるのか」、「それはどこから来ているか」「今自分がどのような状態で、人と接しているのか」を意識し、Aを働かせる。このようにして、人との関係を良化、向上してほしいものです。
本稿のまとめとして、自我状態を次の表にまとめてみました。参考にしていただければ幸いです。

知財マンの心理学2 自我状態分析 | コラム

  1. 圧力をかける、圧迫する、偏見を持つ、脅す、押し付ける
  2. 規律を守る、しつけをする、けじめをつける、几帳面、文化・伝統・習慣を守り伝える、道徳的、評価する、(言動として・・・すべき、・・・すべきではない、よい悪いを判断する、正しい間違いを判断する)
  3. 過保護、甘やかす、干渉過多
  4. 愛する、優しい、思いやりを持つ、配慮する、心遣いをする、世話をする、目をかける、慰める、勇気づける
  5. 打算的、冷たい、そっけない
  6. 冷静、事実に基づいて判断する、事実をよく調べる、意思決定する、計画を立てる、見通しを持つ、自分によく気づいている
  7. わがまま、自己中心、本能的、衝動的
  8. 人間らしい、天心爛漫、のびのびしている、明るい、無邪気、自由、創造的、好奇心を持つ、(言動として・・・したい、・・・がほしい)
  9. 我慢する、黙る、閉じこもる、反抗する、ひねくれる、すねる、媚びる、依存する、自責の念を持つ
  10. 素直に対応する、いうことをよくきく、信頼する、従順

<参考文献>
新しい自己への出発 -マネージメントのためのTA-
岡野 嘉宏・多田 徹佑共著 (社会産業教育研究所)
図解&ワークでわかる・身につく初学者のための交流分析の基礎
中村 延江・片岡 ちなつ ・ 田副 真美 共著 (金子書房)