シンガポールに行ってきました【弁理士コラム】|パテントメディア|オンダ国際特許事務所

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シンガポールに行ってきました【弁理士コラム】

2019年1月
弁理士 小川洋子

2012年に入所しました、弁理士の小川と申します。東京オフィスの国際特許第6部に所属し、いわゆる外内と呼ばれる業務を担当しています。

外内の業務とは、外国の基礎出願に基づき日本国特許庁に対して特許出願の手続をし、拒絶の理由が通知される場合には、外国のお客様や代理人とコミュニケーションをとりつつ、その拒絶の理由を解消するよう手続をすることです。特許庁との手続には期限のあるものが多く、1か月程度先までの期限の案件については、頭から離れないことがあります。私の場合、自宅の湯船に浸かっているときに拒絶理由通知に対する応答案を思いつくこともあります。

このように期限に追われる仕事をしている中でも、余裕があるときには休暇をとってリフレッシュするようにしています。先日、期限の合間を縫って友人を訪ねてシンガポールに行ってきましたので、そのときのことを紹介します。

そもそもシンガポールにたどり着くまでが小旅行でした。成田発シンガポール行きに乗る予定でオンラインチェックインも済ませると気分はすでにシンガポール・モードです。夕方のフライトだったこともあり、のんびりと荷物をスーツケースに詰めて同僚から借りたガイドブックに目を通していました。昼過ぎに自宅を出て、京成スカイライナーに乗ろうとすると、日暮里駅の改札がすべて閉鎖されていました。台風の塩害により京成線は終日運行停止というのです。
仕方なく迂回ルートとして紹介された東京駅に向かい、成田エクスプレスの乗車券の購入を試みましたが、券売機には長蛇の列ができており一向に進む気配がありません。30分に1本の頻度で運行している成田エクスプレスを2つ見送り、次の電車に乗れなかったときは、間に合わないのではないかとやきもきしていました。

辛抱強く待った甲斐もあり3本目に乗車することができました。空港に着いたら走らなければ間に合わないと思い、車内では、スマートフォンで搭乗ゲートの具体的な位置などを検索していました。しかし、私の乗った成田エクスプレスは、線路陥没のため錦糸町駅で止まってしまいました。2時間半は再開の目処がつかないというアナウンスが流れたとき、もうシンガポールには行けないのだなと思いました。

成田エクスプレスには、外国からの旅行客と思われる人が多く乗車しており、日本語で流れるアナウンスを理解されていない様子で気の毒でした。降車を余儀なくされ、錦糸町の駅ビルでピザを食べながら今後の戦略を立てることにしました。私は錦糸町にある高校に通っていたので、こんなときになんですが懐かしさを感じました。幸いなことに航空会社との連絡が取れて、羽田発の深夜便を手配していただけることになりました。結局のところ深夜到着の予定が早朝になっただけなので、実質的な時間のロスはないとして、私は運がよいのだなと思うことにしました。

因みに、この日は京急電鉄にも運休があり、羽田空港に到着できない人もいたそうです。このような混乱の中、適切に対応して下さった鉄道事業者および航空会社の方々に感謝したいと思います。

やっとの思いで着いたシンガポール・チャンギ国際空港は、羽田空港と似たような造りで、まだ遠くに来た実感がありません。空港内で朝食用のサンドイッチを購入しようと店員に話しかけましたが、私がオーダーしているにも拘わらず店員は一切返事をしてくれません。それでもオーダー通りのサンドイッチを焼いてお持ち帰り用にしてくれました。相当な効率主義者なのでしょうか。やはり外国に来たのだなと実感した瞬間です。

チャンギ国際空港から車で20分程度で中心地にたどり着けます。ほとんどの移動をGrabで済ませました。Grabとは、スマートフォンにインストールして利用するタクシー配車アプリです。マップ機能で指定した場所にタクシーを呼び、予め指定した場所に送り届けてもらうことができます。登録したクレジットカードで支払ができますので、降車のときに財布を出す手間を省くことができます。シンガポールにいる間、少なくとも10回はGrabを活用しました。ドライバーに「EV車」かと尋ねると「ハイブリッド車」だということでした。EV車を体験してみたいと思っていたのですが、乗った車はすべてハイブリッド車でした。

街を歩いて感じたことは、多民族国家だということです。中国系、マレー系、インド系といった異なる人種の人々が東京23区ほどのサイズの島に集中しています。日本でも外国人を多く見かけるようになりましたが、これほど多人種が入り交じっていることはありません。リトル・インディア、チャイナ・タウン、アラブ・ストリートといった地域もあり、アジア各国のレストラン専門店が立ち並び、シンガポールだというのに、記憶に残っているのは、四川料理と南インド料理です。そして、濃い目のミルクティーが印象的でした。紅茶を注文すると「バブル」を入れますかと聞かれました。「炭酸を注入するの?」と不思議に思いつつも頼んでみると「タピオカ」入りの紅茶が出てきて驚かされました。甘さはほとんど無くもちもちの食感で美味しかったです。

今回の旅行で強く印象に残った観光地は、タイガーバームガーデン(Haw Par Villa)です。ガイドブックには「もやもやスポット」として紹介されていました。個人的には、「マリーナベイ・サンズ」や「マーライオン」に飽きた人にお勧めです。このコラムでの詳細な説明は控えますが、ご興味の有る方がいらっしゃいましたらインターネットで画像検索をお試しください。なんともフォトジェニックな不思議スポットであることが窺えることと思います。

プライベートの旅行ではありますが、シンガポールの特許庁を少しだけ見に行ってきました。シンガポールの中心街にあるオーチャード・ロードから少し外れたところに、オフィスビルを4フロア使ったIPOS(Intellectual Property Office of Singapore)がありました。ビルの1階には、セブンイレブンが入っており、日本の季節限定の菓子が日本語のまま販売されていました。美術館のようにモダンな外観のIPアカデミーが隣接しており、無料でコーヒーなどの飲料をいただけるようになっていたので、私は、温かい「ミロ」を飲みながら、白色の壁にオレンジ色の文字でIP Heritageと題されたIPに関する歴史を眺めました。オーチャード・ロードでの買い物に疲れたときに一息付ける格好のスポットかもしれません。

IPOSと言えば、日本からの出願として修正実体審査を思い浮かべるのではないかと思いますが、2020年には、いわゆる外国ルートが廃止されることから、修正実体審査が終了するようですね。審査官400名体制の準備は順調なのでしょうか。

外国を旅行すると日本の習慣とは異なり戸惑うことがあります。例えば、シンガポールの地下鉄(MRT)では、法律で飲食が禁止されているそうです。シンガポールも日本の夏と同様に蒸し暑いですから、のどが渇いてうっかりペットボトルの水を飲んではいけないので要注意です。日本では当たり前に行っている実務についても、外国のお客様や代理人には説明が必要なこともあることを理解し、視野を広く持ち、適切な応対ができるよう日々心がけたいと思います。

以上