テニスが熱い!【弁理士コラム】|パテントメディア|オンダ国際特許事務所

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テニスが熱い!【弁理士コラム】

2015年1月
弁理士 中山博登

私は、商標部所属の弁理士、中山博登と申します。一般的に「博登」という名前は、「ひろと」と読まれますが、私の場合は「ひろたか」と読みます。入所してから3年目ですので、まだまだ皆様にとってはニューフェイスだと思いますが、これを機に覚えていただけると幸いです。

私は、趣味でテニスをしています。といっても、ここ数年はめったにラケットを握らなくなってしまったので、「テニスが好きです」というのが正しい表現なのかもしれません。テニスといえば、昨年、錦織圭選手の全米オープンでの準優勝、その後のマレーシアオープンと楽天ジャパンオープンでの2週連続優勝という目覚ましい活躍が皆さんの記憶にも新しいところではないかと思います。車いすテニスにおいても、国枝慎吾選手は、昨年の全米オープンでの単複優勝を含め、その他の主要な大会でも無敵の強さを誇っており、今、日本のテニス界は、かつてない盛り上がりを見せています。

さて、錦織選手と国枝選手ですが、この両選手には共通点があります。それは、ユニクロのテニスウェアを着用しているという点です。両選手のプレー中やインタビュー中の映像を通して、両選手が着用しているテニスウェアの「UNIQLO」、「ユニクロ」のマークはとても印象的でした。きっと皆様の目にも留まったことでしょう。他にも、ユニクロのテニスウェアを着用している選手には、世界ランキングNo.1のノバク・ジョコビッチ選手がいます。錦織選手は昨年の全米オープンの準決勝で、この世界No.1のジョコビッチ選手と戦って勝利をおさめました。日本中のテニスファンが歓喜に沸いたこの一戦は、両選手がユニクロのテニスウェアを着用していたため、「ユニクロ対決」と称され注目を浴びました。また「ユニクロ対決」は、テニスの4大大会の一つである全米オープンの準決勝ということで、世界中のテニスファンが注目した一戦でもありました。ユニクロのテニスウェアは、とりわけ最近の錦織選手の急成長による活躍に伴って、メディアでの露出が急激に増えています。

一般的に、商標には出所表示機能、品質保証機能、宣伝広告機能の3つの機能があるといわれています。このうち、宣伝広告機能は、ブランドイメージを単純化し、需要者の意識に浸透させ、購買意欲を惹起させるというものですが、私は「ユニクロ対決」を通して、この機能が果たす仕事ぶりに改めて驚嘆させられました。ユニクロのテニスウェアを着用する選手個人に対するイメージはもちろん、死力を尽くして戦っている姿、そしてそこから沸き起こる感動でさえもブランドイメージに融合し、商標に化体して観る者に伝播していくのです。当然の結果として、「ユニクロ対決」の後、ユニクロのテニスウェアは売り切れ続出になりました。

ユニクロは、これまでカジュアルブランドにおいては一定の地位を築いていましたが、スポーツブランドとしての地位は決して高いものではありませんでした。しかし、「ユニクロ対決」の後、少なくとも日本においては、テニスウェアのシェアを一気に高めたのではないかと思われます。一時期は「ユニバレ」や「ユニ被り」と揶揄されることもありましたが、今やテニスウェアでは、大きく「UNIQLO」、「ユニクロ」の商標が堂々と付けられたテニスウェアが人気商品となっています。このように、宣伝広告機能は、単にブランドイメージを顧客に伝達する役割を担っているというだけではなく、その伝達方法を戦略的に選択することによって、より魅力的なブランドイメージを能動的に構築しながら需要者の意識に浸透させていくことができる機能であるといえます。

もちろん、ユニクロの場合は非常に運が良かった例であり、一気にブランドイメージを伝播し得る宣伝広告機能の働きには危うさをも含みますが、皆様のブランド戦略におきましても、今一度この機能を再評価し、商標の積極的な活用方法を探ってみてはいかがでしょうか。

最後になりましたが、錦織圭、国枝慎吾の両選手を含め日本人テニスプレーヤーの今後の更なる活躍に期待したいと思います。