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2011年8月 意匠審査基準の改定について

2011年8月に意匠審査基準が改訂されました。 主な改訂事項は以下の3点です。

(改訂事項1)部分意匠出願における図面の省略
(改訂事項2)意匠法2条1項による画像デザインの保護要件  
(改訂事項3)複数の画像が一意匠と認められるための要件

以下に具体例を示しつつ、改訂の内容と、実務上の注意点をご説明します。
なお、改訂内容の詳細については、特許庁のHPにてご確認下さい。

・意匠審査基準(特許庁ホームページ)
・意匠登録出願の願書及び図面等の記載の手引き(同上)

(改訂事項1)部分意匠における図面の省略について

(1)部分意匠において、登録を受けようとする部分(右図では実線部)が表れない図面は、

【1】正面図又は背面図のいずれか一方
【2】左右側面図のいずれか一方
【3】平面図又は底面図のいずれか一方

が省略可能となりました。

※実務上の注意点

・願書の【意匠の説明】欄で省略した図についての説明が必要です。
・3方向からみた3図(3面図)は最低限提出する必要があります。
不足すれば手続補正指令の対象となり、応答しなければ出願却下となります。また、補正した場合も、要旨変更とみなされれば補正却下となるので注意が必要です。

ワンポイントアドバイスオンダからのワンポイントアドバイス
図面省略による不利益がないか、以下のような観点からの事前検討が必要だと思われます。
@)破線部分についても、公報発行により形状開示しておく必要はないでしょうか?(破線部分の後願排除効)
A)図面の省略が認められない国への優先権出願が予定されていないでしょうか?

(2)登録を受けようとする物品とは別のモニタ等に表示される画像のみを対象とした部分意匠においては、

画像図以外の図面(機器本体の図面)

が省略可能となりました。

※実務上の注意点
・願書の【意匠の説明】欄で
「意匠に係る物品全体の形態を表す一組の図面は、意匠登録を受けようとする部分が表れないため省略する」
との説明が必要です。


(改訂事項2)意匠法2条1項による画像デザインの保護要件について

意匠法上、保護対象となる画像デザインについては、意匠法2条1項、2項にそれぞれ規定されています。

今回の審査基準改訂により、意匠法2条1項による保護要件が以下のように明確化されました。

要件(1):その物品の機能を果たすために必要な表示を行う画像であること
要件(2):その物品にあらかじめ記録された画像であること

※要件(1)(2)の両方を満たすことが必要となります

改訂前、要件(1)については、「その物品の機能を果たすために不可欠な画像」とされていました。 このため、その物品にとって「必要」ではあるが、「不可欠」とまではいえない画像(例:デジタルカメラにおける『水平状態測定機能』を示す画像)が保護対象となるのか否かが不明確でした。
今回の改訂により、このような画像についても保護対象となることが明確となりました。

【意匠法第2条】
1項 意匠とは、物品(物品の部分を含む)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美感をおこさせるものをいう
2項:物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合には、物品の操作(当該部分がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る)の用に供される画面であって、当該物品又はこれと一体として用いられる物品に表示されるものが含まれるものとする。

(改訂事項3)複数の画像が一意匠と認められるための要件について

変化する画像について意匠登録を受けようとする場合において、変化前後の画像(複数の画像)が、一意匠と認められるための要件が、以下のように改訂されました。

要件(1):物品の同一機能のための画像であること
要件(2):変化の前後の画像に形態的な関連性が認められること

※要件(1)(2)の両方を満たすことが必要となります。

改訂前、要件(1)については、「同じ操作のための画像」とされていました。
これが「同一機能のための画像」と改訂されたことで、一意匠と認められる範囲が広くなったといえます。

審査基準等で紹介された事例をみても、改訂前に比べて緩やかな判断がなされています。
以下、要件を満たす事例、満たさない事例をご紹介していきます。

<要件(1)に関する事例>

○「物品の同一機能のための画像」と認められる例


×「物品の同一機能のための画像」と認められない事例


<要件(2)に関する事例>

○「形態的な関連性」が認められる例




×「形態的な関連性」が認められない事例


※実務上の注意点
  • 画像を含む意匠について登録を受けようとする場合は、願書の【意匠に係る物品の説明】欄で各画像が果たす機能等について説明しておく必要があります。
    なお、2条1項、2項で、求められる願書記載事項が異なりますので、詳細は意匠審査基準74.3.1にてご確認下さい。
  • 画像が変化する場合は、願書の【意匠の説明】欄で画像の遷移する順序を説明しておく必要があります。

ワンポイントアドバイスオンダからのワンポイントアドバイス
複数の画像を一意匠として登録した場合は、変化の状態も含めて一つの意匠と認定されるため、個々の画像について権利行使できるとは限らない点に注意を要します。

※一意匠と認められなかった場合は?
以下のような対応が可能です。
(1)補正により、変化後の画像を削除する
(2)変化後の画像を出願分割する
(3)補正により、変化後の画像を参考図に変更する

掲載図面の引用元:
特許庁発行 「意匠審査基準」「意匠審査基準の改訂について」

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