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特許調査トレーニング 練習問題13

こちらの記事は一部抜粋です。全文はメールマガジンのご登録者様のみご覧いただくことができます。

これまで、いわゆる新規性を否定するための文献を調査する手法についてトレーニングしてきました。題材とした発明と同一の発明が記載されている先行文献を探すトレーニングです。
今回は、進歩性に関する調査を題材とします。難易度はこれまでの題材と比べて高いですが、ぜひ挑戦してみてください。

64.練習問題(13)

今回の問題は、特開2008−029534です。要約と請求項1は以下の通りです。

【発明の名称】

ゴルフクラブシャフト

【要約】

 

【課題】

軽量性およびシャフト強度を維持しながら振動吸収性を高める。

【解決手段】

繊維強化プリプレグ21〜23、24A、25〜29の積層体からなり、中空部を有する管状体の繊維強化樹脂製のゴルフクラブシャフト10であって、第一プリプレグP1を複数枚積層してなる第一積層体Iと、第二プリプレグP2を備え、第一積層体Iは、温度10℃の条件下で周波数10Hzで測定された損失係数(tanδ)を0.005以上0.02以下とし、第二プリプレグP2は、温度10℃の条件下で周波数10Hzで測定された損失係数(tanδ)を0.10以上0.50以下としている。

【請求項1】

強化繊維にマトリクス樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグの積層体からなり、中空部を有する管状体の繊維強化樹脂製のゴルフクラブシャフトであって、第一プリプレグを複数枚積層してなる第一積層体と、第二プリプレグを備え、前記第一積層体は、温度10℃の条件下で周波数10Hzで測定された損失係数(tanδ)を0.005以上0.02以下とし、前記第二プリプレグは温度10℃の条件下で周波数10Hzで測定された損失係数(tanδ)を0.10以上0.50以下としていることを特徴とするゴルフクラブシャフト。

請求項1の発明に対し、審査官は、特開2004−275324を引例文献1に挙げました。この文献には、「プリプレグ積層体から成るゴルフクラブシャフト」が示されています。

ここで問題です。審査官が挙げた引用文献2を調査してみましょう。

65.考え方のヒント

特許庁の審査基準によりますと、進歩性判断の基本的な考え方は以下のように説明されています。

「進歩性の判断は、本願発明の属する技術分野における出願時の技術水準を的確に把握した上で、当業者であればどのようにするかを常に考慮して、引用発明に基づいて当業者が請求項に係る発明に容易に想到できたことの論理づけができるか否かにより行う。」(出典:特許・実用新案審査基準)

審査基準には、“論理づけ”の具体例が説明されていますので、ぜひご覧になってみてください。

この題材は、進歩性が否定されています。つまり、引用文献1および引用文献2の組み合わせにより、業者が請求項に係る発明に容易に想到できたことが論理づけされたのです。

上記の主引例には、「プリプレグ積層体から成るゴルフクラブシャフト」が記載されています。しかしながら、第1及び第2プリプレグの積層体の特性までは記載されていません。

題材の発明は、「振動吸収性を高める」ことを課題にしています。この課題はゴルフクラブの分野に特有な課題なのでしょうか。一方、発明が属する技術分野が離れすぎてしまうと、“論理づけ”は困難になってしまうでしょう。

引用文献1にどのような文献を組み合わせれば「当業者にとって容易に想到できる発明」といえるでしょうか。“探したい文献”をイメージしてみてください。

次回は、弊社スタッフによって立案した検索式をご紹介いたします。

 

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