「食の安心・安全」 「国内自給率の低下」、 いま、”生活”の基本となる「食」をとりまく問題が多発しています。このような問題を解決するための手段のひとつとして、農林水産業分野における「知的財産」が注目されはじめています。
しかしながら、これまでこの分野における「知的財産」への取り組みは活発であったとはいえず、「知的財産」の有効性について疑問視する関係者が多いのも事実のようです。
果たしてそうでしょうか。
図1として、農業(園芸含む)に関する知的財産のうち、核となるものをまとめました。
「知的財産」にかかわる法律には特許法、実用新案法、意匠法、商標法、種苗法などが挙げられます。これらの法律に共通していえることは、その立法目的が「産業の発達」にあることから、農水産業分野においても「知的財産」のは有効に活用できるものといえるのです。

図2は一例として、「農業分野における知的財産権」を簡単にまとめた図です。

”農業”という側面から知的財産権を整理したとき、農業と知的財産権の深いかかわりが見えてきます。
種苗、栽培、収穫、加工、輸送、販売
それぞれについて「知的財産」が関与する可能性があります。
図2における関係が全てではありません。 例えば、種苗は育成者権で保護することができますが、育成方法を工夫している場合などは特許権で保護することができる可能性もあります。また、栽培器具については、実用新案権のみならず、特許権や意匠権によって保護することができる可能性もあります。
このように、ひとつのものに対して複数の「知的財産」が関与するケースが多々あります。
「知的財産」を簡略に表現すると、「新たな工夫」と表現することができます。 農業活動の中で生み出される「新たな工夫」は、「知的財産」としての価値があるものなのです。 その価値を法律によって保護し、権利としたものが知的財産権なのです。 権利を活用することで収益を上げ、その収益によって新たな工夫を築き上げる。このサイクルこそが産業の発展につながるものであり、知的財産にかかわる法律の目的なのです。
