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【7】取得した特許の活用方法
【8】特許侵害対策
FAQ
【8】特許侵害対策
(1) 自社で既に実現させているビジネスモデルに対し、後からビジネスモデル特許を他社が取ってしまった場合、他社の特許申請前に自社が世の中に出ていることを証明できれば、訴訟は免れるのでしょうか?

 訴訟を提起するかどうかは、相手方の独自の判断によります。従って、他社が貴社を相手として裁判所に訴訟を提起すれば、その訴訟に対応する必要があります。

 なお、他社特許の「発明の構成」が、実施されているビジネスの中で出願前に開示されている場合は、その特許が無効となる可能性があります。また、客観的な証拠が必要ですが、出願前から実施している事実を証明できれば先使用権により特許権侵害に該当しないという主張をするこができます。これらの主張が裁判所で認められれば、特許権侵害には該当しません。
 また、他社が貴社に特許侵害の警告状を送付してきた場合、貴社が、(1)その特許には無効理由があること、或いは(2)貴社には先使用権があることを主張することにより、他社は訴訟をあきらめるケースもあると考えられます。

(2) 日本において、特許が申請されていることを知らずに(または、公開されていない場合)使用した場合、後で訴えられるケースはありますか?

 その出願が特許されれば、訴えられる可能性はあります。法律があるのを知らずに泥棒をしてしまったというのと同じです。出願はすでに行われているのに、それを知らずに出願後に自分で同じアイディアを発明して実施したとしても、その後出願が特許されれば、やはり差止や損害賠償請求等対象になります。

 一方、出願時に実施していたり実施の準備が具体的に整っていたりしたときは、先使用権という法定実施権が生じますので、引き続き実施できる場合があります。大切なのは、どのようなものが出願されているかを早い段階で把握しておくことです。

(3) 他社が取得した特許を、一部改変しました。特許侵害は逃れられるでしょうか?
 一部変更したものが特許権侵害になるかどうかは、その特許権の特許請求の範囲を侵害しているかどうかで判断します。具体的な手法が違っていたとしても、請求範囲の記載に含まれるならば、侵害になります。また、判断の手法の中には均等論という考え方もあって、非常に難しいのです。具体的な事件については、弁理士に相談されることをお勧めします。
(4) 日本でビジネスモデル特許を取得した場合、アメリカにサーバを置いてビジネスを行っている者に対して権利行使できますか?
 例えば、マピオンのような特許権を日本において取得したのですが、アメリカでは取得しなかったとします。その場合、アメリカにおいて同様のサーバが別の人によって設けられ、日本の広告依頼者がアメリカで広告しようとアメリカのサーバにアクセスする場合、又は日本の広告受給者がアメリカのサーバにアクセスしてその広告を見るという場合を考えてみましょう。

 しかし、マピオン特許の請求範囲は広告依頼者、広告需給者(広告を見る人)に対してのサーバ管理者側のコンピュータの動作が一つの請求範囲に書かれています。従って、アメリカにサーバがある場合、日本の広告依頼者がアクセスして広告を依頼するだけでは、侵害になりませんし、広告受給者が広告を見に行くだけでも、侵害になりません。

 すなわち、サーバの管理者を相手にしない限り有効な保護はできません。但し、サーバを管理する会社の日本支社でもあれば、訴えることもできましょう。

 そこで、インターネット関連の特許取得する場合には、単にサーバ管理者側から見た請求項のみならず、このサーバにアクセスする人があった場合にも、侵害になるような請求項を作成する必要があるでしょう。
 マピオン特許の場合ですと、「広告依頼者が広告を依頼する1又は2以上の画面を、少なくとも依頼者名称、広告期間、広告内容、支払方法(カードナンバー)を書き込めるようにした部分と、複数の広告の種類を示しこれを選択できるようにした部分とを含むように設けたことを特徴とする広告依頼方法」というように請求項を作れば、依頼者がアクセスしたときに侵害といえるのではないかと思います。

(5) ネットを利用したビジネスモデル特許については、アメリカの特許さえ取得すれば、世界制覇が可能なのでしょうか?

 「アメリカの特許さえ取得すれば、世界制覇可能」の意味については、もう少し解説しなければなりません。アメリカでインターネット関連特許が取得されたとします。その特許の取られていない日本において、アメリカの特許権者以外の者が、同じ思想のサイトを設けて、営業を開始したとします。日本人がこのサイトにアクセスして取引しても日本国内の取引であるため、アメリカ特許の侵害になることはありません。

 しかし、アメリカに住む人が日本語で操作できるコンピュータでそのサイトにアクセスして、取引をしたとします。少なくともこの取引には顧客側がアメリカ側ですので、アメリカの特許侵害になるというのは、アメリカの特許弁護士の主張です。その場合、サイトの経営者も顧客も侵害になるのかどうかは、議論の余地があります。仮に侵害行為を構成するとしても、一体どこの裁判所に訴訟を提起したらよいのでしょうか。国際的な裁判管轄の問題ですが、これも非常に難しい問題で、正確な回答をするには、もう少し時間をいただかなければなりません。

 従って、アメリカの権利さえ取れば世界制覇可能というのは、前記の例では、その支店がアメリカにおいて訴えられる可能性は充分あります。アメリカの権利者が勝てるかどうかは、分かりませんが、一旦訴えられますと、ディスカバリーに対処しなければならない等、大変な費用と労力が必要となりますので、日本に特許権がなかったとしても、アメリカ特許の実施は避けた方が賢明でしょう。世界制覇可能という意味はこのように回りくどい議論が必要です。限られた事例のときに該当するという意味で、無制限にいえることではないとご理解下さい。

(6) 日本の企業がドット・コム・ドメインのホームページでサービスを提供する場合、このドット・コム・ドメインを管理しているのが米国の団体なので、そこで使用しているシステムやビジネスモデルが米国で取得されている特許を侵害し、裁判所に訴えられるようなことはあるのでしょうか?

 日本企業がドット・コム・ドメインを有することと、そのサイトがある米国の特許を侵害するかということとは、直接的には関係がありません。ただし、ドット・コム・ドメインであれば、米国にサーバがあるのではないかと相手(特許権者)側が推測するかもしれません。

 そのため、相手側が「特許侵害をしている」と訴訟を起こす可能性がないとは言い切れません。ただし、特許侵害の有無は、「発明の構成要素が米国内にあるかどうか、又は米国内で実施されているかどうか」により判断されるため、ドット・コム・ドメインをもっているからといって、米国の特許を侵害しているとは、結論づけることはできません。

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